大罪の悪魔 神話・伝説

58 伝説のチームを紹介する試み 大罪の悪魔 ③ 

2024年6月10日

神話や伝説に登場するチームを紹介する試み、
今回は「大罪の悪魔」編 第三回です。

「7つの大罪」とは、
キリスト教、主にカトリック教会において、
罪の根源とされる7種類のことを言います。

ラテン語や英語では「7つの死に至る罪」とされ、
人間を罪に導く可能性がある欲望や感情、悪徳のこと
それぞれは悪魔に関連付けられており、まあ、一種のチームとして紹介していきたいと思います。

聞き覚えのある名前の悪魔も多く、中二病感満載でお送りいたします。



レヴィアタン

嫉妬の悪魔 レヴィアタン。

死に至る7つの罪のひとつ、嫉妬
それを象徴する悪魔がレヴィアタンです。

人を羨ましがったり、妬む心である嫉妬。
人間だもの、妬んじゃうのは仕方がないのですが、嫉妬にとらわれることでも人間は罪を犯すきっかけとなるのです。

なぜ、レヴィアタンが嫉妬の悪魔になったのかといえば、
嫉妬を表す動物がヘビであり、レヴィアタンが巨大な海蛇として描かれることが多かったのでそのイメージからではないかといわれています。

嫉妬の悪魔 レヴィアタン

もともとのレヴィアタンは旧約聖書に登場する海の怪物でした。

その名前はヘブライ語で「結合させる」「編み込む」と言った意味でしたが、転じて「ねじれた」「渦を巻いた」という意味と考えられるそうです。
逆巻きうねる海のイメージから、海中にいる大きな生き物を指す言葉となり、現代ヘブライ語ではクジラを表すとか。

それもあってか、レヴィアタンは伝統的に巨大なクジラ、魚、ワニ、もしくはヘビや竜といった姿で描かれています。
近年のゲームなどに出てくるレヴィアタン(リヴァイアサンのほうが一般的かも)は「海の中に住む竜」というイメージが強いですね。


旧約聖書では、神の力がいかにすごいかを示すため、海の最強の生き物として作られたとされています。
すごいところはとても大きい上にどんな武器の攻撃も通さないという能力。
もはや生物を超えて災害です。

ちなみに、陸の最強はベヒモスで、セットとされています。
また、後世では「空最強のジズもいるよ。」というわけで、3頭合わせて最強生き物よくばりセットです。


このよくばりセットですが、世界の終末の後のために神が用意した食べ物でもあり、
終末の際には3頭が怪獣映画さながらに戦って相打ちになり、お肉は善人のために振る舞われるそうです。
やっぱりよくばりセットでした!
(よくばりは終末を生き残れないので、食べれないんですが。)


そんなレヴィアタン、中世以降は悪魔(堕天使)として見られるようになります。
基本的にはそのまま水を司る悪魔とされ、
どんな武器も効かない能力を引き継いで、
どんな悪魔祓いも通じない」という、
あとで困るような設定がつけられています。

悪魔学でも水から生まれた悪魔とされており、
コラン・ド・プランシーの「地獄の辞典」では地獄の海軍提督の地位を与えられています。
なお、サタン・ベルゼブブに次ぐランキング第3位の地位を持つ強大な魔神だそうです。

また、「術士アブラメリンの聖なる魔術の書」では、サタン、ルシファー、ベリアル、レヴィアタンが魔界の最高四大君主とされています。


レヴィアタン

レヴィアタンの姿。

レヴィアタンの姿は、旧約聖書「ヨブ記」では以下のように記されています。

レヴィアタンの肉体は力強く体格に優れ、心臓は石のように硬く、腹は陶器の破片を並べたようで、背中には盾の列のような鱗が密に並んでいる。
口には恐ろしい歯が生えている。
くしゃみをすると光を放ち、その両目は朝日のよう。
口からは炎が吹き出し、鼻からは煙を吹き、その息は炭に火を点ける。
海を鍋のように沸かし、深い淵を白い髪のような光の筋を残しながら泳ぐ。
どんな武器もレヴィアタンを貫けず傷つけることはできない。
地の上にそれに並ぶものは他になく、恐れというものを知らない。
何者もレヴィアタンと戦いそれを屈服させることはできず、見るだけで戦意を失うほどである。


Wikipediaより。

ギュスターヴ・ドレ, Public domain, via Wikimedia Commons


これはもう、ぼくのかんがえたさいきょうの海の怪物です。
くしゃみをすると光るのがかわいいですし、息で炭に着火できるのはバーベキューの時にいいですね。

イラストでは嫉妬深そうな男の子をイメージシて描いていきましたが、描いているうちにロックを感じ始めたので、髪型はリーゼント風になりました。
海の悪魔なので体は青系で魚の鱗、海といえば南国かなと思ったので髪はトロピカルな色にしてみました。
なお、腰巻きは鮭です。(切り身)


レヴィアタンは、大航海時代においては船の周りをぐるぐる回って渦を作り、船を一飲みにするクジラのような巨大生物、
近代以降は水中の怪物をイメージできるような戦艦や潜水艦の名前に使われたりしています。

生物の分野でも、2010年に1300万年前に生息していたとみられる巨大な歯を持つ新種のマッコウクジラがペルーで発見され、「レヴィアタン・メルヴィレイ」と命名されています。
海の怪物レヴィアタンと、小説の「白鯨」の著者メルヴィルにちなんだ名前だそうです。
考えた人は多分オタクだと思います。



以上、第3回は「さいきょうのうみのかいじゅう」、
嫉妬の悪魔、レヴィアタンをお送りしました。
クジラや怪獣のように巨大で、大海を象徴するスケールが大きな存在なのに、担当する大罪が嫉妬というギャップがおもしろいですね。

次回もよろしくお願い致します。


参考:
レヴィアタン - Wikipedia
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