ソロモン!ゲットやで! 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

246「ソロモン!ゲットやで!」シリーズ 序列53番・カイム

ごきげんよう、ハゲと天パです。


今回も悪魔紹介、
「ソロモン!ゲットやで!」シリーズ。
さくっと読めるようになるべくコンパクト、
いわゆる「なるコン」を標榜しておりますが
今日はコンパクトではないです。
いっぱい書いたからね。

解説はウチの公式キャラ、
通称ペンドラゴンズです。

加筆 です。
にぎやかします

修正 です。
しゃしゃり出ます


彼女らについての詳細はこちらをどうぞ。






今回もこのシリーズの概要からです。


ヨーロッパでは中世後期から19世紀くらいまで
「グリモワール」
という、魔術の手引書がバズっていました。

その中でも悪魔や精霊等について書かれてるのが
「レメゲトン」というシリーズ。
5部の書物から構成されるレメゲトンのなかでも、代表的なやつが「ゴエティア」です。

内容としては、古代イスラエルの最盛期を築いた
ソロモン王が召喚してこき使った悪魔について。

いわゆる悪魔図鑑です

語弊があります


「エルサレム宮殿」を建設した第三代イスラエル王ソロモン。
人間の手では納期に間に合わないので悪魔を使役。
その時に労働させられた72体の悪魔を呼び出して、
いろんな願い叶えちゃお☆(ゝω・)vキャピ
というわけ。

今回はこちらの悪魔になります。


カイム (Caym または Caim)。
またはカミオ (Camio)とも。

30の軍団を従える序列53番の大総裁です。

レメゲトンの説明はこちら


第53の精霊はカミオ、あるいはカイムである。
彼は偉大なる議長であり、最初はツグミと呼ばれる鳥の姿で現れるが、後に鋭い剣を手に持った人間の姿をとる。
彼は燃える灰、あるいは燃える炭火で答えるように見える。
彼は優れた論客である。
彼の役割は、人々にあらゆる鳥の鳴き声、牛の鳴き声、犬の吠え声、その他の生き物、そして水の声を理解させることである。
彼は未来の事柄について真の答えを与える。
彼はかつて天使の階級に属していたが、今では30の地獄の精霊軍団を統べている。


鳥の姿で現れるというわけですが、
毎度おなじみ「地獄の辞典」の挿絵がこちら

『地獄の辞典』の挿絵のカイム(鳥の姿)
Louis Le Breton, Public domain, via Wikimedia Commons

サーベルを装備したツグミ、または近縁の鳥である
クロウタドリの姿で現れるそうです。

かわいい

ね、鳥系悪魔にハズレなし。


ウチのカイムはツグミをモデルにしてますが
調べるためにちゃんと、
美味しんぼ103話「禁断の鳥」
を鑑賞しました。
簡単なあらすじはこちら。

日本屈指の財閥、二都グループを束ねる二木家。
その令嬢であるまり子が山岡さんと栗田さんをを鳥料理屋に招待します。
そこには二都銀行頭取のまり子パパもいましたが
あろうことが海原雄山も呼んでました

まり子パパ、空気読め

展開的には100点です


グルメな皆さんに楽しんでもらおうと
一風変わった鳥料理が出されますが、
それはなんと禁鳥のツグミ

知らずに手をつけてしまい焦る山岡さん。
海原雄山の怒りも大爆発で呼ばれる主。
それからなんやかんやという回。

主を呼べ!

公式YouTubeがあります

「禁断の鳥」第103話 | 美味しんぼ
美味しんぼ 公式チャンネル【デジタルリマスター版】

ほら、あなたも
Dang Dang 気になる

EDテーマも沁みる


そんなカイムですが、人間の姿も取れます。
それがこちら。

『地獄の辞典』の挿絵のカイム(人間の姿)
Louis Le Breton, Public domain, via Wikimedia Commons

おまわりさん
こっちです

地獄の辞典には珍しくイラスト2枚載せですが、
それで出てきたのがこれ。
鳥になりたいおじさん、職質待ったなしです。

かわいくない

鳥の方が良かった

つま先がチャームポイントだと思います。
知らんけど。

カイムの能力は、鳥、牡牛、犬、その他の動物の言葉を理解できるようにすること。
翻訳能力を持つ悪魔は今までにもいましたが、
カイムのすごいところは、
水の音までも理解できるようにすること。

ちょっと何を言っているのかわからない

それは思い込みだと思う


また、未来の出来事に対する最良の対応を教えてもくれるそうですが、
燃える灰、あるいは燃える炭火で答えるとか
燃え盛る灰もしくは石炭の中で答えるとのことなので伝わりにくそうです。
とりあえずはっきりわかるようにお願いしたいところ。

そんなカイムの魅力(?)はこんなもんじゃないです。

地獄の辞典のコラン・ド・プランシーによると
彼は優れた弁論家であり
詭弁にかけては地獄随一の才能を持ち、
百戦錬磨の理論家といえども彼の弁舌に太刀打ちできない
そうです。
そしてなんと、
あの絶対に世界史で習う宗教改革の人、

ルターの論争の相手はカイムである。

とのこと。

絶対嘘やん

コランちゃん、そういうとこあるから


そんなわけでここからルター回です。
大長編がスタートします。

上記の通り、学校で習うマルティン・ルターさんは
ドイツの神学者、教授、聖職者、作曲家です。

1483年 - 1546年


「95ヶ条の論題」を掲出したことで
ローマ・カトリック教会から分離したプロテスタントを誕生させるきっかけを作った人。
宗教改革の中心人物です。


1483年、鉱山業に従事してた父・ハンス・ルダーと
母・マルガレータの次男として、ドイツのザクセン地方の小村アイスレーベンに誕生。
洗礼を受けた日が「マルティヌスの祝日」だったのでマルティンと名づけられたそうです。

なお、本当はルダーだったんですが後にルターに改名してます

書き間違いではないのです


パパは農民から鉱夫になり、製錬所の経営者にまでライジングした人で
上昇志向が強く子供たちにもさらに上を目指すよう常に要求していたとのこと。
教育リテラシー高めの家庭で育ったマルティンは、父の願いに沿う形で勉学に取り組み、学校でも成績優秀。

法律家になるべく大学にも入ってエリートコースを歩み始めるかと思った1505年、
「行ってきます」と家を出て大学に向かう途中の草原で激しい雷雨に遭います。

草原なので避難もできず、落雷の危険が危ない恐怖。
死を予感したマルティンは

「聖アンナ、助けてください。修道士になりますから!」

と叫ぶ。

聖アンナは聖母マリアのお母さん
イエスのおばあちゃんです

ちなみに、スペイン語やポルトガル語では
「聖アンナ」はサンタアナ・転じてサンタナとなります


聖アンナ-wikipedia

※目が大きくてびっくりします。

有言実行の男マルティン、
無事に難を逃れたので修道院に入ると言い出し、
もちろん両親大反対。
両親の願いを聞き入れるどころか父の同意すら得ずに大学を離れ、修道士になります。

ちょっとアレな人なのね

アレって言わないの


マルティン青年は修道生活にもすぐ慣れ、ひたすら祈りと研究の日々。
聖書をめちゃめちゃ深く読んだそうで、根っからの勉強大好きマンである模様。

1507年には司祭に叙階され、初ミサに挑みますが、
弱く小さな人間である自分がミサを通じて巨大な神の前に直接立つなんて無理やん。と病みモード。

どれだけ熱心に修道生活を送り、祈りを捧げても
心の平安が得られないと感じ悩む。

悩み過ぎによる睡眠不足や極度の緊張から生じる頭痛、耳鳴りに悩まされ、特に耳鳴りはその後もしばしば起こるようになる始末。
突然の意識消失を伴う痙攣発作を起こしたことがあるそうです。

そんな感じでメンタルやばみになってきた時、
上司のヨハン・フォン・シュタウピッツさんの勧めでヴィッテンベルク大学に移り、哲学と神学の先生に転身します。
大学での研究の結果、神を理性で捉えることは困難であるという理解に達しました。

やっぱりちょっとアレな人なんだね


いくら禁欲的な生活をして罪を犯さないよう努力し
できうる限りの善業を行ったとしても、神の前で自分は義である、すなわち正しいと確実に言うことはできない。

という現実にルターは、苦しみ続けましたが、
あるとき突如として電撃を受けたように新しい理解が与えられるという経験をします。

節目節目に電気が来るのね

でんきタイプなんかな

これは彼が塔に住んでいたことにちなみ
「塔の体験」
と呼ばれているわけですが、
人間は善行でなく、信仰によってのみ「義」(正しいもの)とされる。
すなわち人間を「義」とするのは、すべて神の恵みである(信仰義認)

という理解に達し、ようやく心の平安を得ることができたそうです。
善行如何ではなく信仰が重要という点はちょっと浄土真宗や大乗仏教みがありますね。

善人なほもつて往生をとぐ
いはんや悪人をや

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感想(1件)

そんなわけでなんかわかっちゃったルターさん
当時、盛んにドイツ国内で販売が行われていた贖宥状について「なんか違う」と思います。
なお「免罪符」と習った覚えもありますが
今は「贖宥状」と呼ぶのがメジャーです。

キリスト教(カトリック教会)によると、
人間は生まれた時から罪を背負っており
洗礼を受けた時に一旦リセットされますが
その後に犯した罪を償うには以下の三段階
①犯した罪を悔いて反省する(痛悔)
②司祭に罪を告白し赦しを得る(告白)
③罪の赦しに見合った償いをする(償い)
というプロセスが必要だといいます。
なぜ罪をリセットしないといけないかというと、
罪を残して死ぬと天国に行けないからです。

仏教でも死後は善人は極楽、悪人は悪行レベルに応じた地獄に行くように、他宗教でも同様の思想がありますが
キリスト教の場合、
「地獄に落ちるほどでもないくらいのやらかしがあるから天国に行けない」
という人たちは「煉獄」に行き、
罪を償って赦されるまで辛い目に遭うという考えがあります。

人間はなにかしらやらかしてるので、
大概の人はここに行くことになるわけですが
教会が発行する贖宥状という「罪の償いを軽減する証明書」を買って、
教会が行う施しや聖堂の改修といった活動を補助するために金銭を出せば、
生前に罪を償うことができ、罪を償う前に亡くなった家族についても罪を軽減して天国に送ってあげることができるというシステムだそうです。
罪のプリペイドチケットというわけですね。

コーヒーチケットみたいなものです

コメダ好きだな


贖宥状自体はその頃にできたものというわけではなく
元々、十字軍に従軍したものに対して贖宥を行ったことが始まりで、
「従軍できない人は寄進すればいいよ。はい、これ領収書ね。」
って感じの始まりだったのですが、
教皇ボニファティウス8世の時代、
「ローマに巡礼したら贖宥されます」
というかたちで贖宥システムが変わり、
ローマまで巡礼のできない人たちに対しては
教皇ボニファティウス9世の時代、
「贖宥状を買えば同等の効果がありまーす。」
ということになりました。

フランスなどの妨害で巡礼者が難儀することを考えての措置でもありました

フランス何してんの


まあ、その後も、様々な名目でしばしば贖宥状の販売が行われていくわけですけども
ルターの頃、教皇レオ10世がサン・ピエトロ大聖堂の建築のため、
まさかの「全贖宥」を公示し、贖宥状購入者に全免償を与えることを布告。

ポイント10倍キャンペーン的なやつだね

違う


さてさて、当時の神聖ローマ帝国(ドイツ)では
マクデブルク大司教位とハルバーシュタット司教位を持っていたアルブレヒトという人が
「マインツ大司教位もゲットできたらいいな」
と思っていました。
アルブレヒトはブランデンブルク選帝侯ヨアヒム1世の弟なので、持ってると政治的に有利なのです。

ただし本来、司教位は1人の人間が1つしか持つことしかできないもの。
アルブレヒトは、
目ん玉飛び出るくらい多額の献金したったらローマ教皇庁も、複数司教位保持の特別許可を出してくれるんちゃうか?
と考え、マネーをひねり出すため、自領内で贖宥状販売の独占権を獲得。
しかも、贖宥状販売のための「指導要綱」というマニュアルまで発布して完全に稼ぎにフルコミット。
実際バンバン稼ぎます。

ヨハン・テッツェルさんがめちゃくちゃ売りました

アルブレヒトにとっては、
贖宥状が多く売れれば自分の手元に収益が入り
献金によりローマ教皇庁の心証も良くなるので
良いことづくめというわけです。

私も一枚噛みたかった

よっ!金の亡者!

ありがとう、
最高の褒め言葉だわ



こんな感じでガンガン売られて、みんなもこぞって贖宥状を買い求めたわけですが、
贖宥状を買うことで善行を行ったことになり、償う罪が軽減されることは
「人間が善行によって義となる」
という発想そのもの。

本来は罪のゆるしに必要な秘跡の授与や悔い改め無しに.
「贖宥状を買うことで煉獄の霊魂の罪の償いが行える」
「(贖宥状を購入して)コインが箱にチャリンと音を立てて入ると霊魂が天国へ飛び上がる」

という考えは、贖宥行為の濫用であると感じたルターは
「95ヶ条の論題」というお手紙をしたためます

この書簡がのちに引き起こす激動をルターは、まだ知らない



この手紙、ルター的には、
ちょっと違うと思うんでお話し聞かせてクレメンス
というスタンスで、意見交換会の提案であり、
意見交換会の前に先に聞きたいこと書いて送ったわけだったんですが、
「95ヶ条の論題」は、なぜかすぐにドイツ語に訳され国内で広く出回り始めます。
そして、カトリック教会の体制への不満がくすぶっていたドイツ国内の空気に火をつけることに。

民衆に考えを広めたいというわけではないのでみんなが読めないラテン語で書いてました

とりあえず
会議前に事前に議題を周知する有能

ちなみに、ルターが呼びかけた意見交換会は結局開かれることはありませんでした。
かわいそう。
あと、お話の本筋と逸れますがこの時期から
「ルダー(Luder)」改め「ルター(Luther)」になってます。



ルターは1518年、95ヶ条の論題を神学的考察の形でまとめなおした
「免償についての説教」
を発表。
これに対してカトリック司祭ウィンピーナは、
「信仰の問題に関して疑問を投げかけることは、教皇の不謬権への疑問と同じ意味を持つ」
と反論。
神学問題の提起を行ったルターがローマ教皇への挑戦者という感じになります。
てことは、ヤベえぞ!

始まった教会とのレスバですが、
ここで教会側から大学教授ヨハン・エックさんが登場。
「なーんか、昔の異端の人と説が似ていませんかね?」
と煽り出したのでルター激おこ。
エックさんとルターは元は友達でしたが、
以降、2人は激しい論戦を繰り返すことになります。
ビーフに発展です。

Xとかなくて良かったよね


一方、マインツ大司教になったアルブレヒト、
自らの収入の道が一神父によって絶たれてはたまらないと、ローマに対してルターの問題を報告。
ローマ教皇庁は、
「まあ、大きな問題じゃないから、総会でルターを諭して穏便に解決しといて。」
と命じます。

その総会で穏便に解決するかと思いきや、
ルターは逆に自説を熱く語ってぶちかます。

ルターwww

スイッチ入っててワロタw

しかも総会後、教皇レオ10世に対し、
自らの意見を書面にして送付しするわの大暴れ。
さらに、この書面を審査した人が「教皇の権威を揺るがす危険性がある」と指摘したのでヤバい雰囲気になりますが、
なんやかんやあってルターが、賢公フリードリヒ3世(ザクセン選帝侯)という教会も迂闊に手を出せない偉い人の庇護を受けることになったため、すごく微妙な状況。

そんなギスギスした空気の中、ルターに対して審問が行われます。
教会側から疑義の撤回を求められたルターは、
「聖書に明白な根拠がない限りどんなことでも認められない」
と主張し一歩も引かずテコでも動かない。

ちなみに、この頃のルターは便秘に苦しんでいたそうで、お尻的にもテコでも動かない状況でした。

その情報はいらないよ



バチバチにケンカになってしまい、流石にこれはやばいとルターは逃亡。
しかし、教会もルターの保護者に配慮して手出しできない状況。
膠着状態の中でルターは、自らの身の潔白を主張し教皇を超える権威を持つ公会議の開催を求めます。

教皇庁は引き続き事態を穏便に解決するため、特使を派遣して会談させたりと動きます。
そこで来たのが、またしてもヨハン・エック。
ルターの盟友やルター本人と議論を戦わせますが、
この議論の中でルターが公会議の権威をも否定してしまったことで、学問レベルでルター問題を解決しようという試みは失敗。
事態は政治闘争の様相を帯びてきます。

エックのせいなんじゃね?


そんなわけで教会との断絶は決定的となり、
レオ10世は回勅「エクススルゲ・ドミネ」を発布。

必殺技感がすごい

意味は、
「主よ、立ってください」


自説の41か条のテーゼを撤回しなければ破門する
と警告しましたが、ルターはこれを拒絶。
全然ブレないルター。
しかも、1520年12月に、
回勅と教会文書をヴィッテンベルク市民の面前で焼きます。
めちゃくちゃ煽るやん。

これを受けて1521年、
「デチェット・ロマヌム・ポンティフィチェム」
を発布して、ルターの破門が正式に通告されました。

またも強そう!

意味は
「ローマ教皇として」



破門といえば、
ドイツ王ハインリヒ4世が破門を恐れてごめんなさいする、
カノッサの屈辱が起こるくらい大変な事態。
ルターの時代はカノッサの屈辱からは500年経ってますが
依然キリスト教ありきの生活をしていた昔のヨーロッパではもう、超大変なことです。
そもそも聖職者ですし。

破門後、ルターはヴォルムス帝国議会に召喚。
皇帝カール5世はルター問題でドイツが解体へ至ることを恐れていたので、
「なあ、撤回してもう手打ちにしよや。」
と求めます。
言うなれば歩み寄りチャンスでもあったのですが、
ルターは熟考の末、自説の撤回をあらためて拒絶。

「聖書に書かれていないことを認めるわけにはいかない。
私はここに立っている。それ以上のことはできない。神よ、助けたまえ」


と述べたと言われており、
ルター的には、もう半泣きだけど引くことはできない感じ。

こんだけやっても歩み寄らないので、
もうこれはしゃあないな。というわけで、ルターは帝国アハト刑に処されます。

この刑に処された者は、
帝国内における全ての法的権利や財産を剥奪され、受刑者は基本的に死人とみなされて誰との交流もできず、援助もされない
という刑です。
救済は恩赦によってのみという過酷な刑罰ですが、
ルターは賢公 の元に逃げ込み、ヴァルトブルク城にかくまわれます。
思索と著述に専念するわけですが、
ここで有名な新約聖書のドイツ語訳が行われ、
後にドイツ語の発達に大きな影響を与えるほど広く読まれることになったそうです。

ただ、誰とも交流せず孤独な隠遁生活。
極度の孤独感と翻訳作業という精神的疲労がルターを精神的に不安定にさせ、一過性の幻視や幻聴が起こったりしました。

インク瓶を投げつけたりします

隠遁は1年ほど続き、ルター不在の中、
改革は過激派がリーダーシップをとることに。
彼らは教会を破壊したりと過激に無法状態。
1522年、見かねたルターが人々の前に再び姿を現し
「自分ら、それはあかんて」と、
過激派を糾弾し暴力を伴う改革を否定。
行き過ぎを警告するとともに新しい典礼の祭式を定め、説教や著述活動を続けました。

ちなみに新しいルールでは結婚OKになりました。
カトリック教会では伝統として聖職者の独身が守られてきましたが、そもそも聖書に論拠はなく、
「肉体的欲望そのものは罪であり悪いことだけど、結婚によって肉体的欲望は正当化され罪にならなくなるんじゃね?」
「修道者のように神のために結婚しないことは良いことだとしてたけど、常に肉体的欲望に悩まされるのなら結婚するべきじゃね?」
というわけです。
「我慢するほうがストレス」
「真ん中が穴だからドーナツはカロリー0」
的なロジックです。

これは怒られるやつ


ルターも修道者たちに結婚を斡旋するようになり
自身も1525年6月、41歳の時に カタリーナ・フォン・ボラという15歳年下で26歳の元修道女と結婚。
三男三女をもうけて円満な家庭を築きます。
ちなみに、カタリナの手料理を喜んで食べることによって体重が増えました。

貴重なほっこりエピソードです


ただし、この
「聖書に書かれていないことは認めることができない」
というルターのスタンスは、重税により苦しい生活を送っていた農民にも大いに刺さり、
「じゃあ、そもそも農民が領主に仕えることも聖書に根拠なくね?」
「そしたら、仕えなくてよくね?」
と、農民たちが暴力行為に走ります。
農民たちの反乱、暴動は隣接地域へ瞬く間に広がり、ドイツ農民戦争(1524年~1525年)に発展。

ルターは初めは反乱側の立場に立ち、
民衆には平和な抵抗を求めていましたが
そのうち「ダメだコイツら聞かねえ」と、諸侯の側について暴徒の鎮圧を求めます。
その際のルターさんのコメントがこちら。

「親愛なる諸卿よ、
やれるものは誰でも彼ら(農民)をたたきつぶし、絞め殺し、刺し殺せ。
狂犬を撲殺しなけらばならない」

「盗み殺す農民に対して」より

なんというタイトル

農民を狂犬扱いし、殺害を煽動するほどにブチギレですが、ルターの鎮圧支持を受けた領主たちはシュヴァーヴェン同盟を中心として徹底的に農民暴動を鎮圧。

なお、貴族や諸侯の側についたのは、
「宗教改革を成功させるために世俗の権力と金力が必要だった」
というところもあります。

ともあれ、ルターの説から反乱が起こったことと
上記、ドイツ農民戦争時のムーブもあり、彼の評判を傷つけることにはなりましたが、
この苦い経験からルターは
「教会と信徒に対しては何らかのコントロールが必要である」
と考え、領邦教会という新しい教会のあり方が生まれていくことになりました。

その後のルターは、各地のルター派諸侯の間を回りながら領邦教会の成立を促進。
信仰教育のために注力していくなか、ルターの改革と国家教会というシステムはドイツを越えて北欧にまで波及。
1529年の帝国議会ではカトリック教会の破壊などの行き過ぎを反省し、
ルター派支持諸侯たちの立場を認めながら、カトリックの立場も保全するという布告が行われました。
ただ、ザクセン選帝侯を初めとするルター派諸侯はこれに対し抗議を行い、
それにちなんでルター派諸侯と諸都市は「プロテスタント(抗議者)」と呼ばれるようになりました

翌1530年に行われたアウクスブルクの帝国議会の際
プロテスタント側は共同して初の信仰宣言
「アウクスブルク信仰告白」を皇帝に提出。
その後、1555年のアウクスブルクの宗教和議(和議、和解)によって、神聖ローマ帝国においてルター派は公認され、
諸侯がカトリックかルター派かを選べるようになります。

上記のような活動を続けながら、
ルターは終生ヴィッテンベルク大学における聖書講義を続け、
1546年2月18日に生まれ故郷のアイスレーベンでこの世を去りました。

若い頃から頭痛や耳鳴り、めまいなどに悩まされていましたが、
晩年には尿管結石や狭心症、幾度の心臓発作、痔、下肢の潰瘍、痛風、尿閉に苦しめられ、
冠動脈硬化症による心筋梗塞が直接の死因となったそうです。

そんなわけで、
宗教史と思想史、さらには文化史に大きな足跡を残したマルティン・ルターの人生でした。
はい、いっぱい書きましたね。
満足です。

なにか忘れてるような気が

今回もまんまと悪魔紹介にみせかけてやったわ



シューちゃんは忘れてますが、
今回は序列53番の悪魔カイムでした
次回もよしなに。



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このブログは、気になったことを調べ、
学んだ内容とイラストを紹介するお絵描きブログ
ソースは主にWikipediaなどになりますので、
学術研究ではなくエンターテイメントとしてお楽しみください。

興味のきっかけや、ふんわりしたイメージ掴みのお手伝いになればうれしいです。

カイム-wikipedia
マルティン・ルター-wikipedia
アウクスブルク信仰告白-wikipedia


参考書籍:
悪魔解説書「ソロモン72柱の悪魔」 | マーク・アイシャーウッド
「地獄の辞典」コラン ド プランシー (著), 床鍋 剛彦 (翻訳)


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感想(1件)

私はやらないけど


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