なんそれ妖怪図鑑 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

149 四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑㉚ 兵庫県・長壁姫(おさかべひめ)

ごきげんよう、ハゲと天パです。

四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑

近畿地方編ラスト。
今回もはりきってまいりましょう。

日本に伝わる数ある妖怪のなかで、
「なんそれ?」という妖怪をセレクトし、
47都道府県ごとに紹介する試みです。


にぎやかすのはおなじみのこの2人。

加筆です。にぎやかします。

修正です。しゃしゃり出ます。

2人(通称ペンドラゴンズ)についてはこちら。





北から南へ、北海道 to 沖縄で紹介中の
なんそれ妖怪図鑑

前回は大阪府、
二恨坊の火(にこんぼうのひ) でした。

怪火系妖怪の一角、
名前がなんそれ枠でしたが、
恨みのかなしいストーリーでした。

近畿地方のトリを務めるのははこちら、

長壁姫

兵庫代表 長壁姫(おさかべひめ)

長壁姫(おさかべひめ)は、
姫路城の天守に住んでいるという妖怪。
人が入ってくることを嫌っており、
年に1度だけ老婆の姿で城主と会うので、
姫路城の真の支配者ともいわれています。

長壁姫は別の表記として、
小刑部姫、刑部姫、小坂部姫もありますが、
江戸時代の怪談集「諸国百物語」では、
「おさかべ」ではなく、
「城ばけ物」という火の玉ストレートなお名前での記載。
その頃は性別もはっきり決まっていなかったようですが、「姫路」からの連想で姫になったようです。

まあ、気持ちは、
わからんでもないわね。



長壁姫のエピソードは諸説あり、いくつか紹介。

播磨姫路藩の初代藩主、
池田輝政の病気を治すため、
比叡山の阿闍梨が加持祈祷していると、
妖しい女性が現われて出ていけといいます。
逆に阿闍梨が叱りつけると、
女性は身の丈約6メートルの鬼神に変身。
阿闍梨を蹴り殺して消えたそうです。

物騒!

阿闍梨気の毒。

ちなみに、阿闍梨は「あじゃり」と読み、
模範となる、位の高いお坊さんのことで、
仏教界隈では「先生」的な意味になります。
京都の宗旦狐回でおすすめした、
おいしい京都みやげの阿闍梨餅でおなじみです。

京都銘菓 満月 阿闍梨餅 10個入 贈答用 箱入り 熨斗対応 阿闍梨 もち 京都 高級 和菓子 半生菓子 老舗 お取り寄せ お土産 つぶあん 粒あん 個包装 スイーツ ギフト 京都名物 京都土産 お取り寄せお菓子 美味しい和菓子 阿闍梨餅満月 お年賀 御年賀 お歳暮 御歳暮

価格:2960円
(2025/1/29 00:41時点)
感想(20件)

めっちゃ美味しいから!


また別のお話では、
姫路城主の秀勝さんが、
夜の天守に不審な灯りが点いてるから、
だれか見に行ってくれんかと部下達に命じます。

いやいや、真っ暗で怖すぎですし、おすし。
と、みんなが尻込みしていると、
18歳の若侍が
「私がいってきまあす!」
と元気に立候補。
おう、勇気あるやん、行って来い。
と秀勝もニッコリで確認に行かせたところ、
誰もいないはずの天守にはきれいな女性がいて、
ちゃんと確認に来た証拠として櫛をくれたそうです。

危険がないことがわかった秀勝
「おれも行ってくるわ」
と確認しに行ったところ
何故か、なじみの座頭が現れ、
「琴の爪を入れた箱がくっついて取れんす。」
と言い出します。

どういう状況なの。

秀勝も、
「何いってんだコイツ・・・」
と思いつつ、取ってあげようと手に取りますが、
箱は秀勝の手にくっついて離れない。
ブチギレた秀勝が箱を踏み割ろうとすると、
今度は足にくっついて取れない。
そんなこんなでワチャワチャしてると、
座頭は身の丈3mの怪物に変身、
「我はこの城の主だ、舐めてっとブチかますぞ!」
的な感じでビビらせてきます。

びっくりの秀勝が平謝りすると、
鬼神は消え、箱も取れました。
そして、気付けば秀勝は自室にいましたとさ。

夢オチ!?

夢オチね。

ちなみにこの秀勝、どこの秀勝かは記載がなく、
歴代の城主にも秀勝という人はいないそうです。
なんじゃそら。


おなじく江戸時代の奇談集「老媼茶話」には、
城主・松平義俊の小姓、
森田図書が肝試しで天守閣に上ったところ、
十二単を着た気高い女性と出会ったとのこと。

森田図書って、
勉強できそうな名前。

ミドリカワ書房みたい。

ON THE DOURO 2015 [ ミドリカワ書房 ]

価格:2905円
(2025/1/29 01:00時点)
感想(0件)

女性から何をしに来たのかと訊ねられた図書、
「肝試しです」
と、素直なお返事。
その度胸と率直さに
「へー、やるじゃん。」
と感心した女性は、
肝試しの証拠として錣(しころ:兜につけて首元を守る防具)をくれたんだそうです。
どこのドラクエかな。


この話から派生して、後年の明治時代の書物では
かの剣豪・宮本武蔵ともコラボも爆誕。

姫路城の天守閣では、
高師直の娘・小刑部姫を小刑部大明神として祀っていましたが、
夜な夜な怪異が起こります。
なんやかんやあって姫路城に潜入した武蔵は、
天守閣で寝ずの番に成功。
大明神の神霊を名乗る女性から、
「武蔵が番をしてくれたので、
ここにのさばっていた古狐を追い出せた。」と、
ご褒美に名刀を授かります。

ところがどっこい、これは狐の罠。
城主の家宝の名刀を武蔵が盗んだと罪に着せ、

武蔵を始末しようとしたのですが、
結局うまくいかず、狐ぐぬぬ。
少年に化けて武蔵に弟子入りしますが、

見破られて退治されました。

というお話。

お城に武蔵に化け狐。
いやあ、盛ったねー!

ちょっとオチが
弱めかなと思うけどね。


さてさて、姫路城が建つところは姫山といい、
もともと「刑部大神」の社があったそうです。

刑部大神の社は姫路城築城の際に
豊臣秀吉によって移設されますが、
やがて、城の神様であり、城主の行いによっては祟ると考えられたんだそう。

関ヶ原の戦い後に新城主となった、
上記の池田輝政は城を大規模に改修しましたが、
1608年、新天守閣が完成するころ、
さまざまな怪異が起こりだしたとのこと。
ついに輝政も病に臥し、刑部大神の祟りだという噂が流れたわけですが、
これが妖怪「おさかべ」の由来とのこと。

そして時代を経ていくうちに、この刑部大神が
稲荷神と習合するなどしていき、
「天守閣に住むキツネの妖怪」という伝承が生まれたという説があるそう。
なにかと稲荷神は集合しがち。

また、一説には、姫路から備前にかけての地域では、
ヘビのことを「サカフ」と呼ぶそうで、
ちょっと音が似ている「おさかべ」を蛇の神とする説もあるんですって。

井原西鶴の浮世草子「西鶴諸国ばなし」では
800匹の眷属を操り、自在に人の心を読みすかして人の心をもてあそんだといいますし、
いつもお世話になっている鳥山石燕さんの
「今昔画図続百鬼」ではコウモリを従えた老姫の姿で描かれていたりと様々です。

そういった伝承や石燕パイセンのイメージを採用しまして、ウチの長壁姫は、
コウモリをイメージした美魔女
のイメージでデザインしました。

天守閣に住んでいて人が近づくのを嫌がる引きこもりなので、基本的にずっと天守で美容動画見てます。
外に出ないので、有り余る時間を美容とメイクの研究に費やしており、
その結果、セクシーリップを手に入れました。

でも、コミュ障で恥ずかしがりなので、
自慢のメイクで人前には出る勇気がなく、
年一で城主に会う時は、おばあさんの姿になります。

カベちゃんも、
メイク動画とかやれば

いいんじゃない?

ヤダ、恥ずいし。

美魔女チャンネル、
バズりそう。

年齢で売り出す気はない。

姫路城の天守に住んでいて人が来ることを嫌い、
年一回城主と会うけど、それ以外の人は怯えて登らないという話は、
松浦静山の随筆「甲子夜話」によりますが、
静山が、藩主の酒井忠以に実際に聞いたところ、
「世の中ではそのような事が言われているが、
天守の上は特に変わったところはないし日頃から上る者もいる」

と語られたそうです。
なんか残念。

選ばれた人だけが、
会えるのかもね。

来ないでほしい。



はい、そんなわけで近畿地方の大トリは、
兵庫県の長壁姫でした。
兵庫はかなり迷いましたが、
近畿のボスにふさわしいファビュラスさが欲しかったので彼女になりました。


次は中国地方に進む予定です。
まあ、どの妖怪にするか毎回直前に決めるので、
行き当たりばったりで進めていくライブ感もお楽しみいただけましたら幸いです。



このブログは、
気になったことを調べ、
学んだ内容とイラストを紹介するお絵描きブログ。

ソースは主にWikipediaなどになりますので、
学術研究ではなくエンターテイメントとしてお楽しみください。
興味のきっかけや、ふんわりしたイメージ掴みのお手伝いになればうれしいです。

長壁姫-wikipedia

近畿も濃かったね。

神戸のスィーツで、
一休みしましょ。

お菓子 個包装 ラングドシャ【送料込】神戸三宮フレンチトーストラングドシャ コンディトライ神戸 バレンタイン チョコ ギフト 小分け 個包装 スイーツ 産休 お礼 記念日 贈り物 ご挨拶 誕生日 出産 内祝い 結婚 神戸 お土産 焼菓子

価格:1884円~
(2025/1/29 01:15時点)
感想(26件)


ふるさと納税 はじめませんか?

-なんそれ妖怪図鑑, 気になる事柄を学ぶシリーズ, 神話・伝説