なんそれ妖怪図鑑 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

147 四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑㉘ 和歌山県・カシャンボ または 一本だたら

ごきげんよう、ハゲと天パです。

今回もお送りしますは、

四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑

ひきつづき、近畿地方編。
はりきってまいりましょう。

日本に伝わる数ある妖怪のなかで、
「なんそれ?」という妖怪をセレクトし、
47都道府県ごとに紹介する試みです。


にぎやかすのはおなじみのこの2人。

加筆です。にぎやかします。

修正です。しゃしゃり出ます。

2人(通称ペンドラゴンズ)についてはこちら。





北から南へ、北海道 to 沖縄で紹介中の
なんそれ妖怪図鑑

前回は奈良、
じゃんじゃん火 でした。

燃えるものがないのに燃えてる
でおなじみの鬼火の妖怪。

じゃんじゃんは残念残念がそう聞こえたという、
残念系の妖怪でした。

そして「ホイホイ」と言うとやってきて、
「じゃんじゃん」というと消えるので、
ホイホイ火とも呼ばれるそう。
そういうの大好きです。

つづいてはこちら、

カシャンボ・一本だたら

和歌山代表 カシャンボ、または一本だたら


今回は、和歌山県代表の
カシャンボまたは一本だたら
和歌山県などで伝承される妖怪です。

「または」ってどゆことなん?
って話ですが、まあ待て待て。
このカシャンボと一本だたらは、
どうも同じもののようなのです。

「民俗学レジェンドおじい」こと柳田國男は、

怒られるわよ・・・

著書の「山島民譚集」にて、
河童は
「夏は川にいて、冬は山へ籠る」
とその生態を紹介。

また、和歌山県西牟婁郡の伝承によると、
「ゴーライ」と呼ばれる河童の一種が、
冬になると山に入って山童(やまわろ)のカシャンボになるんだそうで、
それに加えてこのカシャンボのことを一本だたらと呼ぶんだとか。

つまり、
河童=山童=カシャンボ=一本だたらです。

ちなみに、河童=山童の伝承は、
このあたり以外にもわりとあり、
多くは、
秋の彼岸どきにに河童が山に入って山童となり、
春の彼岸どきに川に戻って河童になる

とされているそうです。
ハイジとおんじが冬になるとアルプスから下り、
町にある冬の家に住む感じですね。

異論は認める。

異論しかないんじゃ?


そんなカシャンボ、
見た目は頭に皿をかぶった、
(もしくはてっぺんだけ髪を残した)髪型で
青い衣を着ているという小僧系妖怪。

人間の目には見えないけど、
動物は姿を見ることができるそうで、
かの南方熊楠は、柳田に宛てた書簡の中で
カシャンボは
「青い衣を着た子供」
「馬には見えるが、人には見えない」
と言及しています。
ビッグネームがまさかの仲良しでワロタ。

性格は河童同様いたずら好きで、
馬とか牛とか家畜にちょっかいを出します。
山の中で作業をしている馬を隠したり、
牛小屋にいる牛によだれのようなものを吐きかけて苦しめるそうです。
なんそれ。

牛、かわいそうだな。

西牟婁郡富里村(現・田辺市)では、
カシャンボは雪の降った翌朝に
一本足の足跡を残す妖怪であると伝わり、
人に会うと「相撲をとろう」と誘ってきますが、
人間の唾がきらいなので、
唾をつけると勝てるんだそうです。
河童みがあります。


また、山の中で音の怪異を起こすともされ、
この生態は山童と共通。
山童も山中で倒木や落石の音を出したり、
人間の歌を真似たり、ときにはダイナマイトの発破の音を鳴らしたりするそうです。

なんで?

山に一人は退屈なんよ。

余談ですが、こういった山での怪異は、
東日本では「山の神や天狗のしわざ」とされることが多いですが、
西日本では「山童のしわざ」とされることもあるんだそう。

ついでに紹介しとくと、山童は、
きこりの仕事を手伝ってくれることがあるそうで、
お礼にお酒やおにぎりをあげると繰り返し手伝ってくれるそう。

基本的にはいい奴だな。

ただし、
必ずはじめに約束した物じゃないとダメ
というこだわりがあり、
違う物を渡すとたいそう怒るそうです。

なんなの、そのこだわり。

あと、仕事前にお礼を渡すと食い逃げをされるので注意が必要です。
仕事を依頼する際は気をつけてください。

他にも、人の家にあがりこんで勝手にお風呂に入ってゆくことがあるそうで、非常に迷惑。
しかも山童が入った湯船は脂が浮いて汚れ、とても臭いそうで困ります。


話をもどして、和歌山県の「カシャンボ」の名前、
これは「くすぐる」を意味する方言の
「かしゃぐ」からきていると考えられ、
いたずら者であることに由来しているんですって。


そんなカシャンボの異名が
「一本だたら」なわけですが、
伝わるビジュアルは異なり、こっちはさらに特徴的。

「一つだたら」や単に「一本足」とも呼ばれ、
漢字で書くと「一本踏鞴」
一つ目で一本足の姿の妖怪であり、
毛むくじゃらなイメージが馴染み深いですね。
おそらく、一人称は「オデ」です。

和歌山と奈良にかけての地域、
特に熊野地方の山中などに生息していると伝わり、
各地に伝承が残っていますが、
「12月20日に現れるから山に入ってはいけない」という話が多めです。


この「12月20日」は、
和歌山県と奈良県の境の果無山脈では、
「果ての二十日」と呼ばれて厄日扱いされ、
皿のような目を持つ一本足の妖怪が
「果ての二十日」に出没するので人々は恐れて山に入らず人通りが無くなる。
それが「果無」の地名の由来になっているんだそう。

ちょっと和歌山からはずれてしまいますが、
奈良県の伯母ヶ峰山でも一本だたらの伝承があり、
一本足の鬼が峰を旅する人々を襲っていたそう。
最終的には丹誠上人という高僧により封印されて凶行はおさまりましたが
「年に一度、12月20日だけは解放する」
という、なんそれな封印条件だったため、
被害を出さないように入山が禁じられ、峰の厄日になっているといいます。

ちなみにこの「伯母ヶ峰一本だたら」は、
別名がとてもかっこよく、
その名も
猪笹王(いのささおう)
もとは背中に熊笹の生えた大イノシシでしたが、
狩人に撃たれ、亡霊になって暴れてたそうです。

また別の話では、
かつて、美女に化けた一本足が災いを起こしており、
偶然出会ってしまった高野山の猟師が、
神様のアドバイスに基づいて鉄砲で退治。
命乞いする一本だたらに、
人の命を取らないことを約束させるも、
「果ての二十日に通る人だけ命をとらせてくれ」
と頼まれ、
猟師は
「1日くらいまあいっか」

と許してしまったんだそう。

いいのか?

たとえ1日くらいも
よくはないわ。

そのため、
12月20日には入山禁止になったという話もあります。


その他には、
「姿を見せないが降り積もった雪に大きな足跡を残す」
という話や、
「源義経の愛馬が山に放たれ、この妖怪になった」
というトンデモ説、
「人間を襲うけど郵便屋だけは襲わない」
という謎の説など、
一口に一本だたらといっても土地ごとに伝承にはバリエーションがあるようです。

郵便屋さん好き。

基準がわからないわ。


なお「一本だたら」の正体については、
一つ目の鍛冶神、
天目一箇神(あめのまひとつのかみ)
が零落した姿であるとも考えられており、
製鉄を生業にするタタラ師(鍛冶師)がモデルという説は有名。
ご存知の方も多いのではないでしょうか。

一本だたらの出没場所が鉱山跡に近く、
昔の鍛冶師は、
「片足でタタラを踏むので、片脚が萎えてしまい、
片目で炉を見るので片目の視力が落ちる」ため、
「山に出る片目片足の妖怪」とされたと言われています。

今回の舞台は和歌山で、
一本だたらの出没場所が熊野地方でしたが、
かつてこの地を治めていた熊野国造は、
製鉄氏族である物部氏の支流であるとのこと。
古代のロマンを感じますね。

風呂敷を広げた割に
感想が浅いわね。

そんなわけで、
山に入った冬の河童カシャンボと、
古代史ミステリー風に不時着した一本だたらの、
和歌山よくばりセットでした。

個人的にはカシャンボが、一本だたらに進化したら、 熱いなと思っている。


余談ですが、
2004年春、
白浜町富田の田んぼで1本足の謎の足跡が発見、
一本だたらやカシャンボの復活かと地元の新聞などで報道されて話題になったそうです。

へー。


はい、近畿地方も大詰め、
次回は大阪府です。



このブログは、
気になったことを調べ、
学んだ内容とイラストを紹介するお絵描きブログ。

ソースは主にWikipediaなどになりますので、
学術研究ではなくエンターテイメントとしてお楽しみください。
興味のきっかけや、ふんわりしたイメージ掴みのお手伝いになればうれしいです。

カシャンボ-wikipedia
山童-wikipedia
一本だたら-wikipedia


ねえ、和歌山も
ラーメンが有名よね?
どんなかんじなn

豚骨醤油スープと細ストレート麺、チャーシュー、メンマ、ネギなどの具材が一般的で、地元では「中華そば」とも呼ばれ、
大きく分けて醤油系と豚骨醤油系の2つの系統。
これは「車庫前系」と「井出系」として分類され、いずれも醤油スープ系ではあるが、澄んだ醤油スープが「車庫前系」、
白濁した豚骨醤油スープが「井出系」と呼ばれている。
具材は上記のチャーシュー、メンマ、ネギは他の地域にもみられるが、カマボコが入るのが特徴的。
麺はストレートでやや縮れている黄色い麺を使用していることが・・・

わかった、もうわかったから!

ラーメンおいしいです。

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