伝説のチームを紹介する試み、宗像三女神編。
あらゆる道、海運や水上交通の守護神の彼女たちについて紹介する回です。
※アフィリエイト広告を利用しています。
だってお金がほしいので。
今回は、後編をお送りします。
↓スキマ時間にお小遣い稼ぎって素敵。
前回のおさらい。
はい、それでは宗像三女神、
通称「宗像シスターズ」について。
とりあえずおさらいですが、
三女神のホームグラウンドは福岡県宗像市。
ここにある宗像大社を総本宮として、日本各地で祀られています。
大都会の福岡市と北九州市の中間に位置して便利なところ。
古くから大陸との貿易で繁栄した地域として知られており、
シスターズは日本から大陸及び古代朝鮮半島への海上交通の平安を守護する神として大和朝廷からも古くから重視。
畿内から九州を経由し渡海した遣隋使や遣唐使、遣新羅使も
三女神が祀られている島々を目印として航海しました。
一説には、もとは宗像氏ら九州北部の海人族が古代より祀っていた神だったと考えられ、
海を隔てた大陸や半島との関係が神功皇后による三韓征伐など緊密化したことで、
土着神であった三神が4世紀以降、国家神として祭られるようになったとされています。
祀られている宗像大社は、
日本各地に七千以上ある宗像神社、厳島神社、および宗像三女神を祀る神社の総本社。
この宗像大社や沖ノ島といった神域、
宗像市及び福津市内にある宗像三女神を祀る信仰や史跡・文化財は、
「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群
となっています。
宗像大社社殿
帰属:Saigen Jiro, CC0, via Wikimedia Commons
神話では、日頃の行いが悪いスサノオ神が、
あいさつに来ただけなのに、国を奪いにきたとお姉ちゃんのアマテラスに疑われ、
誤解を解くために行った誓約(うけい)により生まれたというのが、
この三女神のエピソード。
「弁解のために生まれた」という、あまり愛がないかんじの生まれですが、
愛の形はひとそれぞれです。
三女神たちは、アマテラスから
「九州から半島、大陸へつながる海の道(海北道中)へ降りて、歴代の天皇を助けると共に歴代の天皇から篤い祭りを受けよ。」
と命じられ、現在のそれぞれの地に降臨し信仰されるようになりました。
そんな宗像シスターズ、
宗像大神(むなかたのおおかみ)、道主貴(みちぬしのむち)とも呼ばれ、
現在でもあらゆる「道」の最高神として、
航海の安全や交通安全などを祈願する神様として崇敬を集めています。
●宗像シスターズのそれぞれ。
それでは、宗像シスターズのそれぞれを見ていきましょう。
ただし、正直なところ、
前回の三姉妹誕生のエピソードが実はハイライト。
あんまり大冒険とか活躍とかはしません。
まあ、何事もないのが何より、それが一番です。
しかも、記紀によって生まれた順番が違ったり、なまえの表記が変わったり、
はたまた、祀られている宮が違ったり。
もう勘弁していただきたいところ。
とりあえず、宗像大社社伝をオフィシャルとし、それに基づいて進めていこうと思います。
田心姫(たごりひめ)。
まずは沖津宮の祭神、田心姫から。
別表記ではタギリヒメ、タキリビメとも呼ばれ、
別名では奥津島比売命(おきつしまひめのみこと)とも。
日本書紀では田心姫(タゴリヒメ)ですが、
古事記で見られる表記ではタキリヒメで、漢字で書いたら多紀理毘売。
多は接頭語、紀理は霧、毘売は姫という意味で、「霧の女性」という意味。
「海にかかる霧」や急流を意味する「滾り(たぎ)り」が由来ですが、
波が激しく打ちつけて霧になる様子が想像できます。
また、別名である奥津島比売は、「奥の島の女性」という意味になり、
玄界灘の真っ只中に浮かぶ沖ノ島に祀られる神様であることを物語ります。
この沖ノ島もなかなかに興味深く、
「神の島」と呼ばれ、島全体が御神体の聖域であり禁足地。
古くから女人禁制で男性も年に一回、200人程度の制限された人数のみしか上陸を許されない厳しい掟。
しかも、世界遺産の登録により、
2018年以降は研究者らを除く一般人の上陸は全面禁止になっています。
現在は、沖津宮を管理されている宗像大社の神職の方々のみが、
10日ごとの交代制で派遣されて常駐されているそうです。
沖津宮拝殿
帰属:インディアナ州ジョー, CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:%E5%AE%97%E5%83%8F%E5%A4%A7%E7%A4%BE%E6%B2%96%E6%B4%A5%E5%AE%AE.JPG
沖津宮および沖ノ島は上記の通り禁足地、
島の別称は「不言様(おいわずさま)」と呼ばれ、
島での見聞については一切口外が許されないとされています。
また、島内の「一草一木一石」たりとも持ち帰ることも許されないのですが、
筑前の大名、黒田長政は祭祀遺物を家臣に命じて取り寄せさせたそうで、
その後祟りがあって島に返したんだとか。
なお、田心姫ですが、
古事記では、大国主と結婚し、
その間にアヂスキタカヒコネとシタテルヒメという子供たちをもうけています。
湍津姫(たぎつひめ)。
次に、筑前大島の中津宮に祀られる湍津姫です。
湍津姫は古事記では多岐津比売、日本書紀では湍津姫の表記です。
この湍津姫も大国主と結婚しており、大国主はモテモテです。
子供に事代主とタカテルヒメがいます。
事代主といえば、国譲りの際に釣りをしていたあの人。
国の一大事にも「譲ったらいいんちゃう?」と割とあっさりしてた彼です。
釣りをしていたというところから、海と豊漁の神様という性格がつけられ、
蛭子神と習合して七福神の恵比寿さんになります。
中津宮がある大島は、先程の沖ノ島よりちょっと陸よりの位地。
福岡の離島では最大の島で面積7.17平方km、
玄界灘と響灘を分ける島で西側が玄界灘、東側が響灘になります。
ここは有人島であり漁業が主要産業、
その他にも甘夏、アカモク、海塩等が特産品。
西側の大島牧場では黒毛和牛の飼育も盛んです。
中津宮の他に、
禁足地の沖ノ島を拝するための「沖津宮遥拝所」もあり、
「神守る島」という、熱いキャッチフレーズがあるそうです。
中津宮拝殿
帰属:そらみみ (Soramimi), CC BY-SA 4.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/4.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Haiden_of_Munakata_Grand_Shrine_(Nakatsu_Shrine).JPG
市杵島姫(いちきしまひめ)。
最後に紹介するのが、
宗像市田島の辺津宮(総社)で祀られている市杵島姫。
古事記では市寸島比売、日本書紀では市杵嶋姫です。
別名で狭依毘姫(さよりひめ)とも呼ばれています。
「イチキ」とは斎きと書き、心身を清めて神に仕えること。
「神霊を斎(いつ)き祭る」が名前の由来になっています。
広島の宮島、厳島神社の主祭神でもあり、
「いつくしま」は「いちきしま」が変化したものなのだそうです。
厳島神社の鳥居 Itsukushima Shrine Torii Gate
帰属:redlegsfan21, CC BY-SA 2.0 https://creativecommons.org/licenses/by-sa/2.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Itsukushima_Shrine_Torii_Gate_(13890465459).jpg
市杵島姫が祀られている辺津宮は、
宗像大社の中でもメインであり、
現在では宗像大社といえば辺津宮のみを指す場合もあります。
地元では所在地名にちなんで「田島さま」とよばれているんだとか。
辺津宮拝殿(握舎建立以前の写真)
帰属:そらみみ(そらみみ), CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Haiden_of_Munakata_Grand_Shrine_(Hetsu_Shrine).JPG
ちなみに、地図上では宗像市田島の辺津宮、
11キロ先の筑前大島の中津宮、
49キロ先の沖津宮は、すべて直線上に並びます。
宗像シスターズの三女神は、
いずれもたいそうな美人だそうですが、
この市杵島姫は特に絶世の美女なんだとか。
水の神として、もとの海運や水上交通の守護の他にも、
市の字が入ることから市場の神とされて商売繁盛や金運の神ともされています。
そこから転じて、共通点の多い弁財天と同一視され、
芸能や勝負運、豊漁、五穀豊穣といったご利益満載の神様になりました。
また、市杵島姫は天孫ニニギノミコトが降臨した際に養育係として付き添い、
立派に育てたとされていることから子守の神、子どもの守護神としても崇敬されているそうです。
そんなわけで宗像三女神の紹介でした。
古来から大陸との交通を守り、
時に貿易に、時に防衛にと人々を見守り続けた宗像三女神。
各地にも彼女たちを祭る神社もありますが、
九州にご旅行の際は、訪ねてみるといいかと思います。
次回からはまた別のテーマで調べた内容をイラストとともにお送りします。
引き続きよろしくお願い致します。
なお、このブログは、
気になったことを調べ、
学んだ内容とイラストを紹介する
お絵描きブログです。
ソースは主にWikipediaなどになりますので、
学術研究ではなくエンターテイメントとしてお楽しみください。
興味のきっかけや、ふんわりしたイメージ掴みのお手伝いになればうれしいです。
参考:
宗像三女神-Wikipedia
宗像市-Wikipedia
宗像大社-Wikipedia
沖ノ島-Wikipedia
大島(福岡県)-Wikipedia
タキリビメ-Wikipedia
タギツヒメ-Wikipedia
イチキシマヒメ-Wikipedia
参考:
日本の神様解剖図鑑
著者/編集:平藤喜久子
出版社:エクスナレッジ
価格:1760円 |
超円安の今こそ、FXを始めるチャンスなんじゃないですかね?↓
おしゃれな照明もりだくさん↓