なんそれ妖怪図鑑 気になる事柄を学ぶシリーズ

144 四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑㉕ 滋賀県・片輪車(かたわぐるま)

ごきげんよう、ハゲと天パです。

今回もひきつづき、

四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑

のシリーズ、第25回です。

日本に伝わる数ある妖怪のなかで、
「なんそれ?」という妖怪をセレクトし、
47都道府県ごとに紹介しております。


にぎやかすのはおなじみのこの2人。

加筆です。にぎやかします。

修正です。しゃしゃり出ます。

2人(通称ペンドラゴンズ)についてはこちら。





北から南へ、北海道 to 沖縄で紹介中。

前回より、近畿地方編がスタート。
トップバッターは三重代表、
尻こぼし(しりこぼし)でした。

こぼれるボリューミーヒップかと思いきや、
尻を破壊する者、
いわゆる尻クラッシャーでした。


続いての今回、
滋賀県代表で紹介する妖怪はこちら。

片輪車

滋賀代表・片輪車


片輪車(かたわぐるま)は、
江戸時代の怪談などの古書に見られる日本の妖怪。

炎に包まれた片輪のみの牛車が、
美女または恐ろしい男を乗せて走り、
姿を見たものを祟るとされています。

ただし今回は炎は省略しました。

炎バージョンもそのうちに。

出没は滋賀、または京都。
京都のバージョンも後ほど紹介しますが、
辛口が京都、甘口が滋賀。

ウチでは甘口の滋賀バージョンでいきます。
怖さよりも「なんそれ」が基準なので。


片輪車の記述としては、
寛保年間の雑書「諸国里人談」に見られます。

寛文時代、
近江国(現・滋賀県)甲賀郡のある村で、
片輪車が毎晩のように徘徊していたとのこと。

毎晩でてきます。

見慣れちゃうね。

恐ろしいことに、
片輪車を見た者には祟りがあり、
噂話をしただけでも祟られるとのこと。
そんなわけで人々は夜には外出を控え、
家の戸を固く閉ざしていました。


だがしかし、
ダメだよといわれると見たくなるのが人間。
村にお住まいのある女性、
興味本位から、家の戸の隙間から外を覗き見てしまいます。

まあ、仕方ないよね。

気にならない方が無理よね。

そこには、片輪の車に女が乗っており、
これが片輪車の姿でした。
片輪車は、
「我見るより我が子を見よ」
と告げます。

すると、なんということでしょう。
家の中にいたはずの我が子の姿がない。
これは大変。

女性は嘆き、

罪科(つみとが)は
我にこそあれ小車の
やるかたわかぬ
子をばかくしそ


と一首詠んで戸口に貼り付けます。
緊急事態にも、
思わず一首読んじゃうのが昔の人あるある。

いやいや、そうはなるかね?


ともあれ次の日の晩、
片輪車はいつもどおりに現れますが、
その歌を声高らか詠み上げて

「やさしの者かな、さらば子を返すなり。
我、人に見えては所にありがたし」


と言って子供を返したそうです。
一応訳しとくと、
「やさしい人やね、そしたらお子さんは返そうね。
私、実は人に見られるとここにいれないの。」
という感じ。
まあ、わかりますよね?

そんなわけで片輪車はそのまま姿を消し、
人間に姿を見られてしまったがために、
その村に姿を現すことは二度となかったといいます。

はい、なんそれ?

そもそも何しに来たのか。

ギャグマンガ日和みたい。

いい話感出してるけど、
生産性がないわね。


ちなみに津村淙庵によるおなじみ随筆
「譚海」にも同様の妖怪譚がありますが、
近江ではなく信州(現・長野県)のある村での話とされています。

「諸国里人談」が信州の話に置き換えられたのか、
逆に信州の話が元で近江の話として
「諸国里人談」に採録されたのか、
まあ、両方の説があるようで
タマゴが先かニワトリが先かってやつです。


ちなみに上でちょっと触れた
「京都バージョン」は怖いですよ。

京都の東洞院通、
毎晩のように片輪車が現れ、
人々はみな外出を控えていました。
ある女が興味本位で夜、覗き見ると、
牛車の車輪だけが転がってきます。
車輪の中央には凄まじい形相の男の顔が小さな人間の足をくわえており、
「我を見るより我が子を見ろ」
と叫ぶ。
驚いて女が我が子のもとへ行くと、
子供は足を裂かれて血まみれになっていた。

こっわ。

ウチではNGです。


そんな片輪車、
記述の通り滋賀バージョンと、
京都バージョンでは性別やデザインが異なります。

以前にも登場しておなじみの鳥山石燕、
彼の画集「今昔画図続百鬼」では、
滋賀バージョンに基づいて女性の姿で描かれ、
解説文も「諸国里人談」を引用。

京都バージョンの
牛車の車輪におっちゃんの顔がついてる片輪車については、
「輪入道」という名前で描かれており、
こっちが先程の怖い方。
わりと輪入道の方がメジャーですかね。

このように石燕が分けて描いて残したので、
現代では、片輪車と輪入道は、
設定がかぶっている似た別の妖怪という扱いが多く、
もともとは同じだったけどそれぞれ分かれたという説があります。

ご家族なのかしら?

片輪車

あー、お父さんかも。

・・・お父さん、
噛み癖あるのかな?


ちなみに日本のラッパーに、
「輪入道」さんという方がいますが、
こちらは千葉県出身のラッパー。

2014年、B-BOY PARK 2014で優勝。
その他にも各地のMCバトルイベントに参加し、
年間で9大会優勝を成し遂げたそうです。
すごい。

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まあ、とりあえず言えることとして、
ウチの片輪車ちゃん、
今までに世に出た片輪車たちの中でも、かなりかわいいと思います。

そんなわけで、
滋賀県代表の片輪車でした。
次回は京都府です。
よろしくおねがいします。




このブログは、
気になったことを調べ、
学んだ内容とイラストを紹介するお絵描きブログです。

ソースは主にWikipediaなどになりますので、
学術研究ではなくエンターテイメントとしてお楽しみください。
興味のきっかけや、ふんわりしたイメージ掴みのお手伝いになればうれしいです。

片輪車-wikipedia

滋賀県といえば、
鮒ずしが有名ですよね?

食べたことないわね。

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