孫子、孔子、老子ときましたが、
一旦、似顔絵ブログとしては孔子をはじめとする儒家に戻ります。
今回は孟子の紹介。
孟子は戦国時代初期~中期に活躍した儒家の思想家です。
魯 のお隣の小国 鄒(すう)に生まれ、
孔子の孫の 子思 の門人から学びました。
やがて学者としての名声を得て多くの弟子を抱え、
鄒に学団を作ったといわれています。
孟子の思想は「王道思想」と呼ばれており、
孔子が重要視した「仁」と「礼」の2つのうち、
仁を特に重視した考えであることが特徴。
「武力で天下を統一するのは覇者、仁徳で天下を治めるのが王者」であるとし、
徳を用いず、力でねじ伏せる覇道ではいずれ反乱が起きて王位を覆され国も亡びるが、
国内において重税や刑罰によって民の生活を脅かさず、
外交においても侵略戦争で民衆を殺さず、
王がこのように「仁政」を行えば尊敬と信頼を得て天下の万民は王を仰ぎ従い、
反乱や外国からの侵略も起こらず敵はいなくなる。
まさに「仁者に敵なし」、これが王道政治であるといいます。
また、孟子の思想の特性として「性善説」があります。
人間は生まれながらに善の性質を持っており、
悪いことをしてしまうのは環境や何かの弾みで本性の善が忘れられた時。
人間には
・惻隠(弱者を同情する心)
・羞悪(不正や悪を憎む心)
・辞譲(譲り合う心)
・是非(正と悪を判断する能力)
という4つの心、「四端」があり、これを育てていけば、
孔子が説いた聖人に備わる4つの性質「四徳」を身につけることができます。
しっかり学んで勉強していけば、だれでも聖人になることができる。
だから儒教やろうぜ!ということです。
孟子も有名な言葉が多くあり、いくつか紹介します。
●至誠にして動かざる者は未だこれ有らざるなり。
真心を尽くして人に接すれば、人の心を動かせないということはない。
●天の時は地の利に如かず。地の利は人の和に如かず。
どんなに天が与えてくれたチャンスといえども地理的な優位さには及ばない。
その地の利も人の団結力にはかなわないものである。
●為さざるなり、能わざるに非ざるなり。
できないのはやらないからだ。できないからではない。
その他、有名な「五十歩百歩」や「来るもの拒まず、去る者追わず」といった言葉も
孟子が語った言葉と言われています。
また、「孟母三遷」というエピソードも有名で、
教育のために3回も引っ越しをした孟子ママのお話しで、
これは史実ではないようですが、子供の教育には環境が重要という教えです。
仁徳や人の和を重要視した孟子なので、穏やかで愛に満ちた人物なのかと思いきや、
我こそは孔子の後継者だというプライドが非常に高く、
一国の王に対しても塩対応。
8年ほど仕えた斉の宣王のもとを去るとき、
王様から「また会えますか?」と聞かれると、
「あえて会おうとは思わないけど、まあ会うのは嫌じゃないよ。」
と、いやいや王様やぞ。とつっこまざるを得ないような
ツンデレ発言をしちゃう、割とやべーヤツです。
そんな孟子ですが、後世だは儒教において孔子に次いで重要な人物とされ、
儒教のことを別名「孔孟の教え」と呼ぶほどです。
現代でもリーダーの心得として書籍が数多く出版されていたり、
学ぶところも非常に多いですね。
※記事については、 学術研究ではなく、
エンターテインメントとしてご覧いただけましたら幸いです。
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