北欧神話 神話・伝説

25北欧神話シリーズ5 フレイヤについて

フレイヤ (Freja, Freyja) は、北欧神話に登場する女神で、
愛情と豊饒、戦い生と死を司っています。
ヴァン神族出身で、ニョルズの娘、フレイの双子の妹。
非常に美しく力のある女神で、神々だけでなく巨人、小人からもアイドル的な存在です。

フレイヤ

フレイヤは愛や豊穣と多産の象徴であり、
兄のフレイと共に豊穣神としてアース神族の最重要神になります。

フレイヤという名前は「婦人」という意味であり、
平成ムーミン版のムーミンのガールフレンドの名前が「フローレン」(お嬢さんという意味)と同じノリだと思います。
はい、北欧って感じ。
※原作での名前は固有名詞がなく、「スノークのお嬢さん」と呼ばれています。

上記の通りヴァン神族の出身で、
ヴァン神族とアース神族の抗争(ヴァン戦争)が終了し和解するにあたり、
人質として父、兄とともにアースガルズに移り住み、アース神族に後述する「セイズ」をもたらしました。

家族については、
海神ニョルズとニョルズの妹の間の子であり、豊穣神フレイの双子の妹です。
夫はおそらくアース神族のオーズ。
その間にフノスとゲルセミという娘がいます。

ちなみに多産ということからフレイヤの聖獣は豚とされているそうです。

フレイヤ

恋に奔放。

フレイは愛を司る女神なのですが、性に関してだらしない面が欠点です。
(チャームポイントとも言えますが。)
恋に奔放でたくさんの神々と関係を持っており、オッタルという人間の愛人もいます。
神をも魅了する首飾りが自慢ですが、
この首飾りを手に入れる際も、製作した4人の小人たちに求められるまま、4夜をともに過ごしたとか。
その他、なにかと浮気ぐせがひどく、
夫オーズには愛想をつかして去られています。

また、動物に変身することもあり、
フレイヤは夜になると、メス山羊に変身してオス山羊と遊ぶそうです。
動物も可。

なお、コイバナが大好きなので、
人間が恋愛問題で祈願すれば喜んで耳を傾けるともいわれています。

フレイヤ

でも夫は別格。

浮気ばっかりしていますが、彼女が一番好きなのは夫のオーズのようです。
浮気するフレイヤが嫌になって彼女の元を去り行方不明になったオーズをを捜してフレイヤは世界中を旅して回ります
旅の間に流した赤い涙は、地中に染み入って黄金になりました。
そのため黄金は、フレイヤの名乗った別名から「マルデルの涙」と呼ばれることもあるそう。
(旅の間、Mardoll(マルドル、マルデル)、Horn(ホルン、ホーン)、Gefn(ゲヴン、ゲフン)、Syr(スュール、シル)といった異名を使っていたようです。)
結局のところ、オーズに再会することは叶わずでしたが、
オーズをとても愛していたことがわかるエピソードですね。

フレイヤ

めちゃめちゃもてる。

神や小人だけでなく、神々と敵対する巨人からもよく狙われます。
今まで紹介したエピソードだけでも、
破壊されたアースガルズの城壁の建設を請け負った石工の巨人や、
ミョルニルを盗んだ巨人の王スリュムも交換条件にフレイヤとの結婚を望んでいます。
恋に奔放ですが、この辺りは拒否しているので、巨人はタイプではないようです。



フレイヤ

死者の魂を迎える女神。

愛の女神だけに恋愛関係のエピソードが多いのですが、
実は 死者を迎える女神 という側面もあります。
『古エッダ』や『ギュルヴィたぶらかし』では、戦場で死んだ勇敢な戦士を彼女が選び取り、
オーディンと分け合うという記述があります。

なぜ彼女が主神と対等に戦死者を分け合うとされているのかの理由ははっきりしていませんが、
戦場で戦死者をスカウトしオーディンの元へ運ぶワルキューレたちのリーダーだからとも考えられています。
また、フレイヤとオーディンの妻フリッグは実は同一人物だった可能性もあるそうです。
そのあたり、ちゃんとしてほしいところですが、
フレイヤがオーディンの妻ならば死者を夫と分け合うのは不自然ではないという研究があるようです。

女性が死んだ際にはフレイヤの元へ迎えられるという伝承もあるようで、
自殺すると決めた女性が、「フレイヤの元で食事するまでは断食を続ける」と語る場面が伝説に残っています。

フレイヤ

黄金を生み出す女神。

上記の、流した涙が黄金になったというエピソードが物語るように、
黄金の擬人化、または黄金の力が女性の姿をとった存在だとされています。

ところで、アース神族とヴァン神族の戦いのもとになったグルヴェイグという魔女がいます。
彼女はヴァン神族の魔女で 人の魂を操る「セイズ」という魔法を使って人々をたぶらかします。
セイズの力を恐れたアース神族は彼女を殺そうとしますが殺すことができず、
ヴァン神族の報復から抗争が激化。
長く戦いは続くのですが、戦いに疲れた両神族はお互いに人質を出し合って和解するのでした。

グルヴェイグの名は「黄金の力」を意味しており、
黄金を意味する名前であることとフレイヤもセイズを使うことができることもあって、
グルヴェイグとフレイヤは同一人物であると考えられています。

なお、フレイヤはオーディンにセイズを教えたとされています。
セイズは、霊を呼び寄せて予言を受けたり、己の肉体から魂を分離して遠くで起きた事を知る事ができるそうです。
超怖い。
セイズはそもそも、女性が使うものとされており、男性が使う事は不快がられていたそうで、
オーディンがセイズを使う事に対してはロキは「女々しいやり方だ!」と罵倒しています。

フレイヤの住む館はフォールクヴァングといい、
その広間であるセスルームニルは広くて美しいといわれています。
そこで戦死者を選び取るとされています。

フレイヤ

ブリーシンガルの首飾り(もしくはブリージンガメン)

神をも魅了する黄金製(もしくは琥珀製)の首飾りを持ってています。
これももちろんメイドイン小人(ドヴェルグ)の国、
信頼と安心のドヴェルグブランドです。

フレイヤ

ベイグルとトリエグル

2匹の巨大な猫で、意味は蜂蜜と琥珀という意味。
おしゃれな名前のネコちゃんたちです。
このにゃんこコンビが牽く車で移動しています。

フレイヤ

ヒルディスヴィーニ

お兄ちゃんのフレイと同じく、イノシシライダーでもあります。
名前はヒルディスヴィーニ
これに乗って移動することもありますが、
ヒルディスヴィーニは愛人のオッタルが変身した姿ともいわれています。


フレイヤ

鷹の羽衣

着ると鷹に変身できる羽衣で、
何回かロキに貸しているようです。


今回は女神フレイヤを紹介しました。
恋愛に奔放なエピソードや黄金を司ったりと、バブリーな感じもしますね。
私だけかもですが。
でも、結局夫のオーズが一番好きだったり、
コイバナが大好きだったり、ねこちゃんの牽く車に乗ったりと、
かわいい一面もある魅力的な女神でした。

今回も内容は Wikipedia から仕入れてきました。

フレイヤ-Wikipedia-

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