天龍八部衆 神話・伝説

47 伝説のチームを紹介する試み 天龍八部衆編②

神話や伝説に登場するチームを紹介する試み、
第一回に続いて今回も「天龍八部衆」というチームのメンバーを紹介していきます。
今回はワイルドコンビ。


天龍八部衆とは、
仏法を守る守護神(護法善神)でその面々は

天(てん)衆、
龍(りゅう)衆、
夜叉(やしゃ)衆、
乾闥婆(けんだつば)衆、
阿修羅(あしゅら)衆、
迦楼羅(かるら)衆、
緊那羅(きんなら)衆、
摩喉羅伽(まごらか)

の8つの種族からなり、
元々は古代インドの神、鬼神、戦闘神、動物神、音楽神だったものが、お釈迦様の説法を聞いて仏教に帰依。
仏法と仏教徒を守るために集ったというわけです。

八部衆 集合

8つの種族というわけでその姿はいずれも個性的。

現代の私たちがその姿を見れる、最も有名な作品としては、奈良・興福寺の「乾漆八部衆立像(はちぶしゅうりゅうぞう)」があります。

なお、興福寺の八部衆は、
天に当たるのが「五部浄(ごぶじょう)」、
龍に当たるのが「沙羯羅(さから)」、
夜叉に当たるのが「鳩槃荼(くばんだ)」、
摩喉羅伽(まごらか)に当たるのが「畢婆迦羅(ひばから)」となります。

名称が異なるのは、種族の別名なのか個人名なのかわかりませんが、
「各種族の代表者名」という解釈の方が個人的には好きです。

なお、乾闥婆(けんだつば)、阿修羅(あしゅら)、迦楼羅(かるら)、緊那羅(きんなら)はそのままです。
※イラストや名前については基本的に興福寺スタイルを踏襲します。


今回もメンバーを2名、夜叉衆代表の鳩槃荼と、乾闥婆衆代表の乾闥婆を紹介します。

鳩槃荼(夜叉)と乾闥婆


鳩槃荼

夜叉衆代表、鳩槃荼(くばんだ)。

夜叉はインド神話に登場する鬼神の総称。

顔かたちが恐ろしく、性格も獰猛。
そして人を食らう鬼という恐ろしい存在ですが、森林にすむ神霊で聖樹を守る存在ともいわれます。

また、水とも関わりが深く、梵天が造った水を守る神であるとも。

「人を食べる」、「死者の魂を吸う」といわれるヤバめな荒くれものですが仏教に取り込まれて八部衆に加入。
別のグループでは、毘沙門天の下で羅刹(らせつ)とともに北を守るユニットとしても活動しています。

ちなみに夜叉には「天夜叉」「地夜叉」「虚空夜叉」の3種類があるそうです。
また、男女もあって女性の夜叉としては鬼子母神が有名。

鬼子母神は500人の子供たちの育児のために
「体力つけなくちゃ!」
と人間の子供をさらっては食べていました。

それを見かねたお釈迦さまは彼女の最愛の末っ子を隠します。
悲しみに暮れた鬼子母神は半狂乱で世界中を探し回りますが見つからずお釈迦さまに助けを求めました。

お釈迦さまは
「多くの子を持ちながら一人を失っただけでお前はそれだけ嘆き悲しんでいる。
それならただ一人の子を失う親の苦しみはいかほどであろうか。」
と、諭します。

鬼子母神はハッとして子供をさらって食べるのを止め、仏教に帰依。
子供と安産の守り神になったそうです。

興福寺 乾漆八部衆立像 鳩槃荼像

興福寺の鳩槃荼像は髪の毛が逆立ち口を開けて歯を見せる姿。
目を吊り上げて怒りの表情に造られており、ほかの八部衆に比べるとオラオラ感強めですが、なんだか楽しそうな感じも否めません。


乾闥婆

乾闥婆衆代表、乾闥婆(けんだつば)。

乾闥婆衆代表「乾闥婆」。
犬代表 犬!」 みたいな感じが若干モニョりますが、八部衆の半分はそんな感じです。
神話・伝説あるあるなのでご容赦ください。

インド神話における半神半獣の種族「ガンダルヴァ」が仏教に取り入れられた存在です。

乾闥婆(ガンダルヴァ)は多くの神々が住む宮殿で音楽奏でることを仕事にしており、また神の酒「ソーマ」を守る番人でもあります。
ちなみに「ソーマ」は神々と人間に栄養と活力を与え、寿命を伸ばし霊感ももたらすとか。
不老不死の霊薬であると言われています。

また、音楽神である彼らが演奏する音楽は自然界や宇宙の空気やリズム「ラーガ」であるそうです。

神話・伝説の中でのその姿は頭に八角の角を生やした赤くたくましい男性の上半身、下半身は黄金の鳥の翼と下半身を持っているそうです。
酒や肉を食べることなく、香りを栄養にして自らの体からも微かにいいにおいをさせているんだとか。

なお、ガンダルヴァは女性好きという設定がありますが、妻は「アプサラス」という天女です。
ちなみに女性のガンダルヴァもいるそうです。

ガンダルヴァとはサンスクリット語で「変化が目まぐるしい」という意味だそうです。
その意味から魔術師のことも同じく「ガンダルヴァ」と呼んだり、蜃気楼のことをガンダルヴァの城に例えて「乾闥婆城」というそうです。
もし今後、砂漠を彷徨う機会があって蜃気楼が見えたら使ってみてください。
上級者感を出せると思います。

興福寺 乾漆八部衆立像 乾闥婆像

興福寺の乾闥婆像は獅子の冠を被って鎧姿で造られており目を固く閉じています。
ほか多くの八部衆メンバー同様にほっぺたがぷっくりしていますね。
イラストでは下半身が鳥というガンダルヴァの特徴を鑑みて描いてみました。


そんなわけで今回は天龍八部衆から、鳩槃荼と乾闥婆を紹介しました。
次回は阿修羅と迦楼羅というチームのセンターともいえるコンビの紹介ですよ。

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