せかいのやんちゃ神 図鑑 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

189 せかいのやんちゃ神図鑑⑦ カーリー(インド神話)

ごきげんよう、ハゲと天パです。

せかいのやんちゃ神 図鑑 シリーズ。

このシリーズでは世界中の神話から、
やんちゃな神様を紹介しております。


神話には、物語をひっかき回す
やんちゃくれな登場人物がつきもの。
いわゆる「トリックスター」
そんな奴らにスポットを当て、紹介してくという
バチあたりな企画ですね。


ナビゲートするのは、
ウチの公式キャラのこの2人。

加筆 です。
にぎやかします

修正 です。
しゃしゃり出ます

2人合わせてペンドラゴンズ。
彼女らについてはこちら。







トリックスター。
神話や物語において、秩序を破壊し物語を盛り上げる存在。
ときに悪意を持って盗みやいたずらを行います。

彼らは乱暴者だったり、一癖ある知恵者だったり、
はたまた愚か者という場合もあります。

悪事を働いたり騒動を巻き起こすものの、
最終的には良い結末になるパターンが多く
いたずら好きの憎めないキャラで描かれる事が多いです。

やんちゃとはいえ、
神様だから失礼ないように

いちばんタチ悪いじゃん

善と悪、破壊と創造、賢者と愚者など、
二面性を持っているのが彼らの特徴。
食物や火、知識などを人間にもたらす、
「文化英雄」という一面を持つことも往々にしてありますね。


ちなみにトリックスターという言葉は、
ネイティブアメリカンの民話の研究から命名された類型だそう。
かの心理学者 ユングは、
「人間のより初期の未発達な意識の段階の反映」
と見ているのだそうです。

それでは本編スタート。
今回最終回です。

ごきげんよう~

なんか明らかに怖そうな人きた!

今回はインド神話から
カーリーさんです

これつまらないものですが、お土産です~

意外と常識人だ!
ありがとうございます

・・・えーと、これは?

敵の首です

ヤバい人だった!

カーリーさんについて


カーリーはヒンドゥー教の女神。
ただし、ただの女神じゃございやせん。
なんと血と殺戮を好む戦いの女神。
はい、もう怖い。

「カーリー」というその名前は、
「黒き者」あるいは「時」を意味します。
※「時間、黒」を意味する「カーラ」の女性形。

別名はカーリー・マー(黒い母)というなんかすごそうな感じ。
仏典でも登場し漢字では迦利もしくは迦哩とも。

なんか、
カレー食べたくなった

作ってきちゃった♡

わーい!本場のカレーだー!

・・・
(このお肉、大丈夫かしら?)



上記の通り、もう早速すごそうなカーリーですが、
殺戮と破壊の象徴なので、ビジュアル的にも強烈。

その姿は、全身青みがかった黒色の肌で、
で3つの目とがあり腕は4本。

腕の1本には刀剣系の武器を持ち、
イラストではさすがにやめときましたが、
1本には斬り取った敵の生首を持っています。
ちなみに絵によっても異なりますが、
残った2本の腕には三叉戟(さんさげき)や、
生首の血を受ける鉢を持ってることもあります。

また、牙をむき出しにした口から長い舌を垂らし、
戦闘でアドレナリンが出まくりなので、
チャクラ全開でガンギマリです。


アクセサリーやファッションも独特。
髑髏、もしくは生首をつないだ首飾りをつけ、
切り取った腕で作ったスカートのコーディネート。

上級者すぎて参考にならないです


ちなみ絵画によっては、
10の顔と6本から10本の腕を持った姿で描かれることもあります。

やんちゃ盛りですね

インドでは普通なのよ~

絶対ウソだね


なかなかの個性派ですが、
カーリーはインド全体で信仰されているポピュラーな女神。
なんでも南インドを中心とする土着の神様の
性質を習合してきたものと考えられ、
特にベンガル地方では信仰が篤く、
現在でもコルカタのカーリガート寺院では、
毎朝、山羊を生贄に供養が行われているそうです。

興味深いエピソードとして、
19世紀半ばまで存在していたとされている
秘密結社「タギー」は、カーリーを信奉しており、
全ての信者は全員、毎年1人以上殺人して供物として捧げることが義務付けられていたそうです。
なにそれ怖い。

ちなみに、タギーの教義では、
血はカーリーに捧げるものとされていたので、
殺害の際の流血を禁じられており、
黄色いスカーフでの絞殺に限られていたそうです。

まあ、捧げられても困るんだけど

現代においては、
タギーの存在自体に対して懐疑的な見方がされているそうです




カーリーの神話を語るにはまず、
同じくヒンドゥー教の女神 ドゥルガー について紹介しないとです。
「ドゥルガー」とは「近づき難い者」を意味し
シヴァ神の神妃パールヴァティーと同一視されます。

簡単にいえばパールヴァティーの戦闘モードね

外見は優美で美しい神様ですが、
めっちゃ怖い戦いの女神。
3つの目と10本あるいは18本の腕を持っています。

腕多いな!


しかも、それぞれの腕に武器を装備。
さらに、虎もしくはライオンに乗っています。
ただでさえすごく強いのに、乗り物まで強い。

ちなみに武器や乗り物以外のアイテムもすべて、
ビッグネームな神様から授かったもの。
ラインナップはこちら、

破壊神シヴァから、三叉戟(トリシューラ)
維持神ヴィシュヌから、円盤(チャクラム)
水神ヴァルナから、法螺貝
同じくヴァルナから、羂索(ロープ)
火神アグニから、槍
風神ヴァーユから、弓と矢筒
雷神インドラから、雷と鈴
冥界神ヤマから、死の杖
生類の主から、数珠
創造神ブラフマーから、水瓶
太陽神スーリヤからは、全ての毛穴から出る光線
死神から、剣と盾
原初の海・乳海から、衣と装飾品
万物を設計した神ヴィシュヴァカルマンから、斧と様々な武器と鎧
海から、蓮華の花輪
ヒマラヤ山脈の神ヒマヴァットから、虎もしくはライオンと宝石
財宝神クベーラから、酒杯
蛇族ナーガから、蛇族の首飾り

ご覧のスポンサーの提供でお送りします♡

ところどころツッコみたい

ところどころ適当な気が

インドではそういうものなのよ


ともかく、ドゥルガーは神様陣営が総力をあげてプロデュースした、
「ぼくたちがかんがえたさいきょうのめがみ」
というわけです。


さて、そんなドゥルガー誕生エピソードは、
ヒンドゥー教の聖典
「マールカンデーヤ・プラーナ」の一部、
「デーヴィー・マーハートミャ」(女神の栄光)によれば、

神々ことデーヴァ神族と敵対しているアスラ族の王マヒシャがアスラの軍勢を率いて天界を攻め、
デーヴァ神族の神々を追放してしまったことがありました。

敗れたデーヴァ神族は神様サイドの2トップ
シヴァヴィシュヌに助けを求め、
怒ったシヴァとヴィシュヌ、さらに他の神々が発した光が集まってドゥルガーが生まれたそうです。

彼女はアスラ族討伐のためデーヴァの神々から上記アイテムを授かり、
アスラの軍勢を次々と殲滅。
最後に水牛の姿をしたマヒシャを討ち取ります。
めっちゃ強い。

ワンマンアーミーかよ

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ちなみにアスラ王のマヒシャ、
こう見えて(どう見えて?)とても信心深く
瞑想とか修行とかをよくがんばったので、
創造神ブラフマーからごほうびとして、
「如何なる男や神にも敗北しない能力」
を授かっていたんだとか。
なので神々はみんな勝てず追放されるに至り、
打倒マヒシャのために、みんなで最強の女神ドゥルガーを作ったというわけです。

ブラフマーのせいじゃん!

ブラフマーはがんばってる人にやさしいから


そんなわけで一旦天界は取り戻されたわけですが、
アスラサイドもマヒシャの無念を晴らして世界を取り戻すべく抵抗。
やがてアスラの兄弟シュンバとニシュンバ
天界・地上界・地下界の三界を奪還し、新たな王になりました。

なにげにアスラ強い

ちなみにシュンバ・ニシュンバどちらも「殺戮者」という意味。
すごく穏やかじゃないです。

ある日、兄弟の部下のチャンダとムンダという、
めっちゃ部下っぽい名前のアスラたちが、
ガンジス河でアムビカーという女性を見て恋に落ち
上司のシュンバに
「彼女と結婚してはどうか?」
と提案しました。

なぜ上司に提案したのかは謎ですが、
ともかくシュンバはさっそくアムビカーのところへ行って求婚。
行動が早い。

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これに対しアムビカーは、
「戦いにおいて自分に打ち勝った者だけが私の夫になる資格がある」
と告げて変身。
お察しの通り、彼女は女神ドゥルガーでした。

かつてアスラ王マヒシャを倒した憎き敵の登場に、
シュンバとニシュンバも、
「OK、戦争だ。」
と戦いの火蓋は切って落とされました。

アスラの軍勢はデーヴァ神族を圧倒しましたが、
怒りによって黒く染まったドゥルガーの額からカーリーが出現し、
まずチャンダとムンダを瞬殺。
その後もカーリーはアスラ軍を殺戮。

アスラ陣営には、
自分の流血から分身を作る能力を持つ、
ラクタヴィージャという強敵もいましたが、
滴る血液を長い舌で全部舐め取り、
ラクタヴィージャの分身も食べ尽くすというやんちゃな感じで討伐しました。
正直、デーヴァ陣営もドン引きです。

やがて、8つの姿で戦ったり、
ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ、インドラなどの
サポートもあり、シュンバ・二シュンバも討伐。
戦いはデーヴァ神族の勝利となりますが、
勝利に酔ってハイテンションになっちゃったカーリーが踊り始めると、
ダンスのあまりの激しさに大地は粉々に砕けそうになり、まさかの世界の危機。


これはいけないと神様サイド焦りたおしますが、
もう手に負えないハイテンションなので、
夫のシヴァ神がカーリーの足元に横たわり、
クッションになって衝撃を弱めなければならない始末。

どんだけハイテンション?

夢中で旦那さんを踏みつけるカーリーと耐えるシヴァでしたが、
やがて我に返ったカーリーは事態に気が付き、
「あ、いっけない。」
とペロリと舌を出したとさ。


多くの絵や像でカーリーは長い舌を垂らした姿で描かれていますが、
アレは「怖い表現」ではなく、
「あちゃ!やっちゃった!」
のおちゃめな姿なんだそうです。

てへぺろだったの!?

殺戮と世界の危機の後の
てへぺろでした

てへぺろ♡


ちなみにシュンバとニシュンバ、
あっさり負けた感じで書いちゃいましたが、
仏教では降三世明王とされ、
仏の教えに従わない神々の王大自在天(シヴァ)と
その神妃、烏摩妃(パールヴァティー)を降伏させて仏教に帰依させる神様になっています。

仏教ではデーヴァ(天)もアスラ(阿修羅)も取り込まれて仏法の守護者とされています

そんな守護者たち、八部衆についてはこちら



はい、そんな感じでカーリーでしたが、
インド神話に登場する十大女神「マハーヴィディヤー(Mahāvidyā)」のメンバーでもあります。
マハーヴィディヤーはサンスクリット語で、
「輝く広大な知識を持つ者」という意味。

メンバーは、

カーリー(血と酒と殺戮を好む戦いの女神。)
ターラー(時間と空間を司り、再生の可能性を示す女神。)
トリプラスンダリー(美と三都の女神。)
ブヴァネーシュヴァリー(宇宙で最も強力な女神。)
バイラヴィー(あらゆる望みを実現してくれる女神。)
チンナマスター(自分の頭を右手の刀で切断する女神。)
トゥーマーヴァティー(寡婦と死を司る女神。)
バガラームキー(知恵と闘いの女神。)
マータンギー(福徳を司る女神。)
カマラートミカ(蓮華の女神。)

カーリー、ダントツでダメな感じじゃん

やんちゃ枠って言って!

とりあえず私は、
チンナマスターさんの担当が気になりますが、
正直、もうおなかいっぱいです。

そんなわけで世界のやんちゃ神シリーズ、
最終回はインドのやんちゃ女神カーリーでした。
ラストにふさわしいやんちゃでしたね。

とりあえず、次回シリーズはノープランです!




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カーリー-wikipedia
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