唐突に始めてみましたが、
みんな大好き北欧神話についても紹介してみようと思います。
まずは北欧の最高神である「オーディン」をご紹介します。
オーディンは、北欧神話の主神です。
その姿は、長い髭をたくわえ、つばの広い帽子を目深に被り、ローブを着た老人として描かれることが多いです。
ゲームやマンガなどの創作では戦士や騎士のようなイメージもありますが、魔法使いのような感じですね。
戦場では黄金の兜を被り、青いマントを羽織って黄金の鎧を着た姿になります。
戦争と死をつかさどり物騒この上ないですが、詩の神でもあります。
ちなみに北欧神話の神々は、オーディンを中心とする アース神族 というグループと、
もう1つの ヴァン神族 というグループがあり、
対抗勢力の 巨人 と、「 神チーム VS 巨人チーム 」で争っているという関係性。
(他にも妖精や人間がいますがとりあえず割愛)
オーディンは知識を得ることには非常に貪欲。
知恵と魔術を手に入れるために片目を捧げたり、
ルーン文字の秘密を得るために首を吊ってみたりと、ちょっとやべーやつでもあります。
オーディンの名は "oðr"(狂った、激怒した)と -inn(-の主 など)からなり、
語源としては「狂気、激怒(した者)の主」を意味すると考えられ、
各地を転々とした逸話があることから、
本来は「風神、嵐の神(天候神)」としての神格を持っていたとも考えられています。
オーディンは知恵と計略に長けた神であり、
ギリシア・ローマのヘルメース/メルクリウスと同一視されることもあるそう。
そのため、ローマ暦で「メルクリウスの日」にあたる水曜日は、
ゲルマン諸語では「オーディンの日」と呼ばれるそうです。
また、オーディンが死と復活をしたとされる4月30日か5月1日に行われた風習はキリスト教到来以降も残り、
中欧や北欧で『ヴァルプルギスの夜』の行事となりました。
●オーディンのやばめエピソード
オーディンは北欧神話の最高神ではありますが、
わりと「えぇ・・・(困惑)」となるエピソードがあります。
上の方でも軽く触れましたが、知識に貪欲で知識を得るためには代償を惜しまないところがあります。
そんなエピソードをご紹介。
その1 知識のためなら片目もあげる。
北欧神話の世界には世界樹 ユグドラシル という巨大な樹を中心に9つの世界が広がっています。
そのユグドラシルの根元、賢い巨人である ミーミル が所有する泉には、
知恵と知識が隠されており、この泉の水を飲むことで知恵を身に付け、なんと魔術を会得できるとか。
三度のメシより知識が欲しいオーディンはもちろん興味津々。
さっそく駆けつけて一口飲ませてとミーミルにお願いします。
知識を求めて訪ねてきたオーディンに対して、
ミーミルは代価として片方の眼球を求めます。
ミーミルとしても、「あきらめて帰るだろう。」と思った。かはわかりませんが、
オーディンは、いいよ!とまさかの片目をあげちゃいます。
まあ、目はふたつあるから1個くらいね、いやいやいや。
これにはミーミルもドン引き、かは知りませんが、
「ほんまに出しよったでこいつ・・・」とは思ったんじゃないかと思います。
以来、片目になってしまったオーディンは、
それを隠すために帽子を目深にかぶるようになりましたが、
晴れてオーディンは知恵と魔術を手に入れたのでした。
ちなみにミーミルはオーディンの相談役という役割でもあるそうで、
アース神族とヴァン神族の戦争終結後、和睦の人質としてアース側からヴァン側に送られました。
トレード入団したミーミルですが、一緒に送られたヘーニルという神がポンコツだったために、
ヴァン側が期待したほどのパフォーマンスを発揮できなかったそうで、
腹いせに首を切られてアース側に返却されています。
いや、なぜ首切ったの?というツッコミどころですが、
オーディンは首が腐敗しないように薬草を擦り込んだうえに、魔法の力で生き返らせ、大切なことは必ずこの首に相談したとのこと。
巨人軍との最終戦争であるラグナロクが到来したときにも、オーディンは真っ先に首の助言を仰いだそうです。
もう、どこから手を付けたらいいのかわからないですが、
とりあえず私は、もらった目玉をミーミルはどうしたのかが気になります。
もらったはいいけど扱いに困るなあ。
その2 セルフ生贄。
また、オーディンはルーン文字の秘密を得るために、
ユグドラシルの木で首を吊り、愛用の槍 グングニル に突き刺されたまま、
「 自分を創造神オーディンに捧げる」という謎の儀式を敢行。
SNSで炎上しそうなチャレンジです。
この セルフ生贄チャレンジ ですが9日9晩で縄が切れて命を取り留めたそうです。
チャレンジが成功だったのかはわかりませんが、ちょっと何をいっているのかよくわかりません。
ちなみに首を吊りながら突き刺した グングニル は、
小人の鍛冶屋によって作り出された、超つよアイテムの槍で、
「決して的を外さない」「敵を貫いた後に自動的に手元に戻る」という便利機能。
また、この槍を向けた軍勢には必ず勝利をもたらすという追加効果付きです。
リヒャルト・ワーグナーの楽劇『ニーベルングの指環』では、
世界樹のトネリコの枝から作られたという設定。
別の話ではオーディンがミーミルの泉の水を飲んで知識を得た記念として、
泉の上にまで伸びていたユグドラシルの枝を折ってグングニルを作ったともされているんだそう。
余談にはなりますが、タロットカードの「吊された男」は、このときのオーディンを描いたものだという解釈もあるそうです。
●オーディンの日常
オーディンのすまい
オーディンの住所は神々の世界アースガルズにあるヴァーラスキャールヴで、その玉座からいつも世界を見渡しているそうです。
宮殿はヴァルハラと呼ばれ、戦死した勇者である エインヘリャ を集めて、ラグナロクに備えて大規模な演習を毎日行わせるといいます。
この演習では死んでしまっても日没とともに蘇り、夜は大宴会を開き、翌日にはまた演習を行うことができるそうで、戦大好きでヒャッハーな、北欧の戦士たちには最高の栄誉だそうです。
仏教でいうところの修羅道に近い印象をもちました。東洋では地獄ですが、北欧では天国なんですね。
ちなみに、エインヘリャは戦場からスカウトしてこられるわけですが、それを行うのが職員の 戦乙女 ワルキューレ(ヴァルキリー)たちです。
オーディンのペットと家族
オーディンにはかわいいペット達もいます。
まず愛馬は 八本足のスレイプニール。8本も足があるので、とっても走るのが早いです。
また、2羽のワタリガラスを飼っており、名前はフギン(=思考)と ムニン(=記憶)。
この2羽を世界中に飛ばし、さまざまな情報を得ています。
また、ゲリとフレキ(貪欲なもの)という2匹の狼も飼っています。
オーディンは自分の食事はこれらの狼にやって、自分は葡萄酒だけを飲んで生きているんだそう。
小食です。
オーディンの奥さんは フリッグ で、彼女との間には息子の バルドル がいますが、
女性の巨人との間にも子供がいます。
また、娘のヨルズとの間にトール、グリーズとの間にヴィーザル、リンドとの間にヴァーリがいます。
他にも ホズ、ヘルモーズ、ブラギ、ヘイムダルも息子とされているそうで、
あんまり深くは触れないようにしたいところもありますが、子だくさん。
しかも割と北欧神話で主要なキャラばかりです。
●オーディンの最期
最高神であるオーディンですが、
最終戦争ラグナロクにて、ロキの息子であるクソでか狼の フェンリル によって飲み込まれるという最期を迎えます。
最終戦争とはいえ、最高神なんだから死なないでしょうよ。
という予想に反して、意外と最初の方に。
どうせ、魔法で復活するかと思いきや、そういったこともありません。
主力選手がわりとあっけなく退場するのも北欧神話あるあるといったところ。
最期に、オーディンは多くの呼び名を持っているのでご紹介します。
オーディンの呼び名
全知全能の神
詩の神
戦神
魔術と狡知の神
死と霊感の神
万物の神
槍の神(ゲイルチュール)
戦死者の父(ヴァルフォズル)
戦死者の神(ヴァルチュール)
戦死者を受け入れる者(ヴァルソグニル)
偉大で崇高な神(フィムブルチュール)
鴉の神(フラヴナグズ、フラヴンアース)
叫ぶ者(ゴルニル、ゴロル)
語る者
高き者(ハール、ハーヴィ、ホヴィ)
禍を引きおこす者(ベルヴェルク)
知恵者(フロプト、フロプタチュール)
軍勢の父(ヘルフォズル)
恐ろしき者(ユッグ)
勝利を決める者(ガグンラーズ)
仮面をかぶる者(グリームニル)
人間の神(ヴェラチュール)
兜をかぶれるもの(グリーム)
旅路に疲れたもの(ガングレリ)
兜をつけたもの(ヒァームベリ)
第三のもの(スリジ)
わきかえるもの・海?(スンド)
波(ウズ)
戦士の目をくらますもの(ヘルブリンディ)
真実のもの(サズ)
姿を変えるもの(スヴィパル)
真実をおしはかるもの(サンゲタル)
軍勢の名で快く感じるもの(ヘルテイト)
突くもの(フニカル、フニクズル)
片眼を欠くもの(ビレイグ)
焔の眼をせるもの(バーレイグ)
(蜜酒を)隠すもの、守るもの(フィヨルニル)
誘惑に長じたもの(グラプスヴィズ)
途方もなく賢いもの(フィヨルスヴィズ)
眼深に帽子をかぶったもの(シーズヘト)
長髯の者(シーズスケッグ、シーズグラニ)
馬にのって突進するもの(アトリーズ)
船荷の神(ファルマチュール)
顔をかえることのできるもの(イヤールク)
船人(キャラル)(橇を引くときは)
促進者(スロール)(民会のときは)
滅ぼす者(ヴィズル)(戦では)
望むもの(オースキ)(神々のところでは)
最高のもの(オーミ)(神々のところでは)
同じように高きもの(ヤヴンハール)(神々のところでは)
盾をふりまわすもの(ビヴリンディ)(神々のところでは)
魔法(魔杖ゲンドゥル)の心得あるもの(ゲンドリル)(神々のところでは)
槍をもつもの(スヴィズル、スヴィズニル)
目覚めたるもの(ヴァク)
高座につくもの(スキルヴィング)
さすらうもの(ヴァーヴズ)
生贄に決められたもの(ガウト)
灰色の鬚(ハールバルズ)(渡守に身を変えたオーディン)
戦の狼(ヒルドールヴ)
がなり立てる者(ヴィズリル)
勝利を与える者(シグジル)
勝利の父(シグフォズル)
勝利の神(シグチュール)
万物の父(アルフォズル)
盲目の者(ブリンディ、ブリンド)
分捕品をつくる者(フェング)
攻撃者
救助者
疾駆する者
試す者
片眼の者(ホーアル)
知を欲す者
「魔術と狡知の神」「片眼を欠くもの」「知を欲す者」といったところは、
オーディンという存在を物語っていますね。
また、「旅路に疲れたもの」「兜をつけたもの」「船人」は別にオーディンでなくてもいいかなと思いますし、
「盾をふりまわすもの」はそもそも使い方を間違っている気がします。
そんな感じで北欧神話の神様紹介シリーズ、第一回は最高神のオーディンでした。
今回の内容は Wikipedia から仕入れてきました。
オーディン-Wikipedia-
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