歴史 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

97 伝説のチームを紹介する試み 四神(ししん)編③朱雀

ごきげんよう、ハゲと天パです。

「伝説のチームを紹介する試み」四神編、
東西南北の方角を司る4人のメンバーを順に紹介していきます。
今回は南担当の朱雀です。

朱雀くん


四神(ししん)は、中国神話で天の四方の方角を司る4匹の霊獣のこと。
メンバーは東の青龍、南の朱雀、西の白虎、北の玄武
四獣(しじゅう)や四象(ししょう)ともいわれ、
いずれも実体のない概念に実体を持たせたものです。
それぞれが四季も司り、
青竜が春、朱雀は夏、白虎が秋、玄武が冬となっています。


また、「万物は火・水・木・金・土の5種類の元素からなる」という、
これまた古代中国発の自然哲学の思想、五行説に照らし合わせたりもします。

ちなみに五行説の場合、
青竜が木、朱雀が火、白虎が金、玄武が水。
足りない土には、麒麟または黄竜が対応し、方位では中央を担当します。
その場合は五神(ごしん、ごじん)あるいは五獣(ごじゅう)と呼びます。



では朱雀について紹介していきましょう。

朱雀(すざく、すじゃく、しゅじゃく、拼音: zhūquè チューチュエ)
中国の伝説上の神獣(神鳥)。
東西南北のうち南方を守護しています。


朱雀

南の朱(あか)い鳥。

長生の神とされ、天之四霊の一つ。
赤い翼を広げた鳥の姿で表されます。
その姿から同じく中国古代の伝説の神鳥である鳳凰と同一視されることも。
また、炎から復活する伝説の鳥、フェニックス
鳥の姿をしたインドの神様ガルーダと混同されることもしばしば。

朱雀の「朱」は夏をあらわし、夏のことを「朱夏」と言ったりもします。
朱雀のことを指す「炎帝」・「赤帝」は俳句の夏の季語ですが、
その季語、使う頻度があんまりなさそうだなと思いました。
実際、俳句をやられる方的にはどうなんすかね?


朱雀が象徴する「朱色」。
普段何気なく使ったりする身近な色ですが、
元来は天然赤色顔料「辰砂(しんしゃ)」の色だそうです。

辰砂は硫化水銀(II)(HgS)からなる鉱物で水銀を産出する貴重な鉱物資源。
中国の辰州(現在の湖南省近辺)で多くとれたたことが名前の由来だそうです。
日本では古来「丹(に)」と呼ばれ、別名は「賢者の石」。
なんかきいたことあるー!

辰砂本来の色である「真朱」は赤みが強い朱色ですが、
後に硫黄と水銀から人工顔料の銀朱(バーミリオン)が作られ、
現在「朱」とよばれる顔料も多くはこの色のことを指すのが一般的です。
バーミリオンは黄色みが強いオレンジがかった赤色で、
普段イメージする「朱色」って感じです。(主にお習字のイメージ)


さてさて、中国の天文学では天球を28分割して「二十八宿」のエリア・星座に分けたよ。と前回以前にも触れましたが、
南方の七宿である、

井宿・鬼宿・柳宿・星宿・張宿・翼宿・軫宿

を、南方朱雀といいます。
中央に位置する「星宿」は、西洋星座でいえば、うみへび座α星
別名「アルファルド (Alphard)」。
周りに明るい星がないことからアラビア語で「孤独なもの」を意味します。

このオレンジ色に輝く星は、周囲に明るい星がない中でよく目立つ星で、
中国の天文家にも古くから知られてきました。
アルファルドが目立つことから「星宿」という、そのまんまの宿の名前となっているようです。

このオレンジ色の星が、
ライチョウなどの胸元のオレンジの羽毛になぞらえられて、
「朱雀」のイメージを成立させることに一役買った。
とも考えられたりもしているんだとか。

ちなみに、アルファルドはちょうど、うみへびの心臓部に位置するため、
またの名を「コル・ヒドラエ(ヘビの心臓)」ともいうんだとか。



朱雀

朱雀のご利益とか。

朱雀は、南方の守護神として、
大きな翼で外からの邪悪なものや災厄・困難を跳ね除け、
家を守って平安と福を招くといわれています。

また、不死鳥ことフェニックスとも近いイメージから、
燃える炎の翼とエネルギーを持ち、
不死鳥が再生するがごとく、
諦めずに何度でも挑戦する前向きな心」を育んでくれるとも。

強いハートとネバーギブアップの精神から、
願望や恋愛の成就を助けてくれるともいわれており、
恋に悩んでいる方や、成し遂げたい願望がある方は、
朱雀にあやかってみると良いかも知れません。


また、南を守護するため、
都の南に設置された大きな門を「朱雀門」と呼びました。

平安京や平城京では、中央の内裏から真南に作られたこの門が
都の正門であり、朱雀にあやかって
災いや邪悪なものの侵入を防ぎ、繁栄を呼び込もうという狙いがあったのでしょう。




そんなわけで今回は四神の東担当、
メンバーカラーは朱色の夏の鳥、
朱雀さんでした。

次回は西の白虎ちゃんを紹介します。
よろしくお願いします。

このイラストは東西南北に並んでいません。



なお、このブログは、気になったことを調べ、学んだ内容とイラストを紹介するお絵描きブログです。
ソースは主にWikipediaなどになりますので、学術研究ではなくエンターテイメントとしてお楽しみください。

興味のきっかけや、ふんわりしたイメージ掴みのお手伝いになればうれしいです。


四神-wikipedia
朱雀-wikipedia
二十八宿-wikipedia
アルファルド-wikipedia
辰砂-wikipedia





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