神話や伝説に登場するチームを紹介する試み、
今回も「大罪の悪魔」編 第二回です。
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「7つの大罪」とは、
キリスト教、主にカトリック教会において、
罪の根源とされる7種類のことを言います。
ラテン語や英語では「7つの死に至る罪」とされ、
人間を罪に導く可能性がある欲望や感情、悪徳のこと。
それぞれは悪魔に関連付けられており、まあ、一種のチームとして紹介していきたいと思います。
聞き覚えのある名前の悪魔も多く、中二病感満載でお送りいたします。
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七つの大罪の悪魔 強欲のマモン
強欲の悪魔 マモン。
死に至る7つの罪のひとつ、強欲。
それを象徴する悪魔がマモンです。
「マモン」という言葉、もともとは新約聖書に現れる「富」を意味する単語でした。
次第にキリスト教文化圏で、物質的な「富」や「貪欲」を指すようになり、擬人化、神格化されて悪魔になったというわけです。
一般的にマモンと表記されることが多いですが、マンモンとかマムモンとも呼ばれ、金貨をばらまく悪魔の姿で描かれます。
マモンは上記の通り、言葉が擬人化されて悪魔になったというケースなのですが、
ラテン語のmammon(マンモーン)や、アラム語のmamonに由来した「金銭」「富」「財産」といった意味の言葉が、キリスト教では「不正な富」を表す言葉となったようです。
聖書では、
「あなたはがたは神とお金に同時に仕えることはできません。」
と記されていて、
「富への執着」を主なる神と対比することで擬人化しているんだとか。
サシャ・シュナイダー, パブリックドメイン, via Wikimedia Commons
ルシファー回にでてきたジョン・ミルトンの「失楽園」。
この物語の中にもマモンは登場し、富に価値を置く堕天使として描かれています。
失楽園でのマモンは、
「堕天使のうち、これほどさもしい根性の持ち主もなかった。」
という、天使とは思えない残念な感じで書かれてます。
天国にいた頃から、実は神よりも下界の金銀財宝が大好き。
そしてその執着心もすさまじいとか。
神の軍勢との戦いに敗れ、失意でどんよりムードが漂う堕天使軍団の中で、先頭に立って工作隊を指揮し、地獄の火山から黄金や宝石を採掘。
掘り出したお宝で堕天使たちの本拠地「万魔殿」をデコりだすという始末。
敗戦ムードもなんのその。なんともたくましい子です。
また、実は人間に宝石や貴金属などの採掘技術を伝えたのもマモンだそうです。
昔は金とかだったんでしょうが、その技術で現代の精密機器に使うレアメタルなんかも採掘されているわけで。
人間界に富への執着や争い、それにまつわるイザコザを生み出した張本人ではありますが、結果的に人類を進歩させるきっかけを作ったともいえます。
ありがとう、マモン。
ちなみに「失楽園」では、神へどうやって復讐するかを話し合う 地獄の作戦会議 において、腕っぷしが強い堕天使モロクが掲げた主戦論に反対。
モロクが「正面からガチンコかましたろうぜ!」と主張するも、
マモンは「天国の奴隷となるのではなく、地獄に腰を据えて王国を築き、自主独立の道を歩もう。」と主張します。
感情的にならず現実的な意見ですが、実際、財宝にしか興味がないので復讐とか割とどうでもよかったのでは・・・
このマモンの主張に賛同する堕天使は多く、
会議はこの方針に傾きますが、ベルゼブブの提案により「神の被造物である人間を堕落させ、楽園から追い出して困らせてやろう。」作戦が採用されるのでした。
最終的に復習のしかたが、「しかえし」って感じに落ち着きました。
ともあれ、プライドや憎しみからのイチかバチかの勝負ではなく、利益を取れる方法を取りたいという感じで、
マモンは「実利主義者」であり、また、上記の通り「物欲の権化」、「金の亡者」といった性格になってます。
マモンの姿について。
そんな強欲の悪魔であるマモンですが、その姿は資料によっても様々。
袋を大事そうに抱えたおじちゃんだったり、双頭のカラスの頭を持っていたりとバラエティー豊かです。
ルイ・ル・ブルトン, パブリックドメイン, via Wikimedia Commons
イラストでは、おじちゃんではなく、「双頭のカラス」を採用してデザインしていきましたが、
なんとなく描いていたら女の子になった感じです。かわいい。
頭の両にサイドにつけたカラスの頭蓋骨お飾りが気に入っています。
かわいい。
悪魔はそもそもビジュアルにバラエティが豊かなので、解釈によってデザインも遊べるのが楽しいですね。
そんなかんじで第2回は「物欲と金の亡者」、
強欲の悪魔、マモンを紹介しました。
次回もよろしくお願い致します。
参考:
マモン - Wikipedia
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