神話や伝説に登場するチームを紹介する試み、
今回も引き続きチーム「釈迦十大弟子」のメンバーを紹介していきます。
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釈迦十大弟子
釈迦十大弟子とは、お釈迦さまの弟子たちの中で主要な10人のこと。
お釈迦さまの直弟子は数多く、1000人を超えていたとと言われていましたが、その中でも特に優秀なのが彼ら。
お釈迦さまは10種類の＜徳＞を持っており、各メンバーはそれぞれに優れ、代表する存在なのです。
第3回は須菩提（しゅぼだい）と、迦旃延（かせんねん）を紹介します。
解空第一 須菩提。
須菩提（しゅぼだい）は、お釈迦さまの弟子の中でも解空第一と言われ、「空」の思想を最も理解していたと言われる人物です。
パーリ語・サンスクリット語ともにスブーティといい、大商人の家に生まれましたが富を捨てて修行の道に進みます。
仏教における「空」はたいへん難しい概念なのですが、
物事には「固定的な実体がない」ということを意味し、すべてのものは状況や時間、空間に依って存在し本質を持っていない。
何もかもが相互に依存し、関連しながら成り立っているという考え方になります。
仏教の根幹的な考え方であるものの、理解することはなかなか難しい内容。
しかし須菩提はこのことを最も理解していたといいます。
さて、須菩提ですが上記の通り商人の出身。
コーサラ国の富豪で、釈迦教団のために有名な祇園精舎を寄贈したスダッタ長者の甥っ子でした。
この須菩提、もともと粗暴で短気な性格で、瞬間湯沸かし器タイプ怒りんぼのブチ切れ須菩提だったのですが、
出家後は修行を重ね、他教団から中傷や迫害を受けても決して言い争わず円満柔和を心がけたので無諍第一といわれてたり、
多くの人々から尊敬され供養を受けたので被供養第一ともいわれたりしています。
須菩提のエピソードとして、
マガダ国のビンビサーラ王が国内を遊行中の須菩提のために小屋を寄進したのですが、手違いがあり親には屋根を作り忘れていたそうです。
どんな手違い？
須菩提は文句も言わずにありがたく受領して滞在しましたが、
天が彼の徳を尊敬し何ヶ月もずっと雨を降らせなかったので、付近の農民は困ってしまいます。
農民たちの訴えにより、ビンビサーラ王が小屋に屋根を葺いたところ、たちまち雨が降り始めたんだとか。
なお、この須菩提ですが、西遊記にも登場。
お猿のリーダーの師匠となり、「孫悟空」という法名を授け、変化の術や筋斗雲の法などを伝授されたといいます。
ちなみに悟空、調子に乗って他の弟子に術を見せびらかしたので、須菩提祖師の怒りを買って故郷へ帰らされています。
決して争わず円満柔和な須菩提ですが、それはダメだったようです。
論議第一 迦旃延。
迦旃延（かせんねん）は難しい話もわかりやすく解き明かすのが得意で論議第一といわれています。
彼はパーリ語でマハーカッチャーナ、サンスクリット語でマハーカーティヤーナといわれ、偉大なるマハー持ち。
そのため、大迦旃延とも呼ばれています。
迦旃延の出身にはいくつかの説があるようで、
西インドのアヴァンティ国の裕福なバラモンの家の出身、国王に仕えており、王様の命令でお釈迦さまのもとに赴きそのまま出家したというものや、
南インドのバラモン出身で、お釈迦さま誕生の際に登場したアシタ仙人の弟子であり、師匠のアシタ仙人の遺命で仏弟子となった。というものがあるようです。
アシタ仙人は、お釈迦さまが生まれた時にふらっと現れて、
「この子は世界の王になるか、出家すればブッダになって宇宙の真理を解き明かすでしょう。しかしその頃には私はもういないのでそれが何とも悔しいです！」
という予言をしたというエピソードがあります。
手塚治虫の「ブッダ」でおなじみのエピソードですね。
迦旃延は幼い頃からかしこく、一度聞いたことは忘れずよく理解したといわれています。
ちなみに、迦旃延のお兄ちゃんも優秀だったのですが、迦旃延のほうがもっとできが良く、
兄の嫉妬を心配したお父さんがアシタ仙人に預けたともいわれております。
いつごろ釈迦教団に加入したか正確にはわかっていませんが、
あるとき難しい文がどうしてもわからなくて、お釈迦さまに聞きに行ったことをきっかけに弟子入りしたという説もあります。
仏の教えをわかりやすく解説して広め、お釈迦さまもその解説には感心。
その巧み弁舌で各地の王様やバラモン、多くの人々に仏教の教えやカーストに依らない平等を説いて回ったそうです。
舎利弗や目犍連が亡くなったあとの教団で中心となり、まだ仏教が広がっていない西インドなどの地域にも行って教えを広める活躍をしました。
以上、今回は須菩提と迦旃延の紹介でした。
次回も引き続きお弟子さんたちの紹介になります。
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