神話や伝説に登場するチームを紹介する試み、
今回もチーム「釈迦十大弟子」のメンバーを紹介していきます。
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釈迦十大弟子
釈迦十大弟子とは、お釈迦さまの弟子たちの中で主要な10人のこと。
お釈迦さまの直弟子は数多く、1000人を超えていたとと言われていましたが、その中でも特に優秀なのが彼ら。
お釈迦さまは10種類の＜徳＞を持っており、各メンバーはそれぞれに優れ、代表する存在なのです。
第2回は大迦葉（だいかしょう）と、阿那律（あなりつ）を紹介します。
頭陀第一 大迦葉。
大迦葉（だいかしょう）は十大弟子の中でも特に重要な人物で、釈迦教団において「仏教第二祖」とされる実質お釈迦さまの後継者です。
パーリ語でマハーカッサパといい、「偉大なる」を意味するマハー持ちです。
特に衣食住にとらわれない清貧の修行を行ったため、頭陀第一といわれます。
頭陀とは、衣食住に関する欲を払い除け仏道の修行に励むことです。
原始仏教において出家修行者は所有欲を否定するために「3枚の衣と鉢一つ」という最低限の所持品のみで生活し、
食料生産のための畑仕事などで殺生を行わないため、托鉢（たくはつ）により生きるために必要なものを施しによってまかなう生活をしていました。
大迦葉は衣食住に関わる煩悩を捨て、清貧に努めたため頭陀第一と言われています。
生い立ちや伝説も多くの説がありますが、
バラモンの子に生まれ、8歳で修行を始めてすべてを得ましたが、さらに道を求めて修行しました。
20歳頃に結婚を勧められるも清浄な生活をしたいと断る大変ストイックな人だったようです。
結婚についてはエピソードがあり、
両親からの縁談を断りきれなかった大迦葉は美人の像を職人に作ってもらい、
「この像と同じ女性がいたら結婚します。」という条件を提示。
両親は8人のバラモンに女性を探すよう依頼したところ、まさかの像と見間違えるような女性が見つかるというミラクル。
ただし、実は彼女も出家したいと思っており、お互いに出家の意思があると確認後それを承知で結婚しました。
結婚後、ともに過ごしましたが、迦葉は畑から出てきた虫が鳥に食べられるのを見て世の無常を感じ、
奥さんも胡麻の油を絞るときに虫を殺してしまうと思い、互いに出家したといいます。
出家したあともバラモンの修行を続けていましたが、樹の下で座っていたお釈迦さまと出会い弟子となりました。
古参の弟子で信頼厚く、お釈迦さまの生存中は代理を務め、死後は実質の後継者として教団を統括。
お釈迦さまの教えを整理統合する「第一結集」という経典を編纂する会議では議長役を務めました。
天眼第一 阿那律。
阿那律（あなりつ）は、パーリ語ではアヌルッダ、サンスクリット語ではアニルッダといい、優れた洞察力を持つことから、天眼第一と称えられました。
諸説はありますが、お釈迦さまのいとこであるとされています。
インドはご存知の通りカースト制度がありますが、
お釈迦さまのいとこというわけで釈迦族出身の阿那律は高貴な身分、いわば王子様となります。
しかし仏教では身分制度を否定しており、先輩後輩の上下関係は重要。
出家の際に儀礼を守り、低いカースト出身の先輩にもしっかり敬ってちゃんと先輩に挨拶した阿那律にお釈迦さまも、
「よくぞ釈迦族の高慢な心を滅した！」と褒めたそうです。
現代の日本ではあまりピンと来ない感覚ですが、身分が絶対の古代インドで王族が低層カーストの人に頭を下げるということは考えられないことだったようです。
そんな礼儀正しい阿那律ですが、お釈迦さまの説法中に眠ってしまうという失敗をします。
当然、お釈迦さまに叱られたわけですが、反省した阿那律は不眠不休の誓いを立て、常坐不臥の修行を敢行します。
不眠不休で、横にならず、ずっと座る。という超ハードな修行。
流石にお釈迦さまも心配して「いやいや、寝なさいよ。」と諭しますが、阿那律は誓いを全うし、ついには失明してしまいます。
修行とは、大変にきびしい世界ですが、ハートが強すぎます。
しかし、その失明により天眼を得ることができたそうです。
ちなみに天眼とは肉眼では見えないものを見通す力であり、失明後も修行に専念し続けることで「天眼第一」と呼ばれるに至るわけです。
すごい。
その後の阿那律は、お釈迦さまの信頼も厚く、最後の布教の旅にも同行。
お釈迦さま入滅の際には、嘆き悲しむ弟子たちを慰めて励まし、葬儀の用意も指示したと伝えられています。
以上、釈迦十大弟子の第2回でした。
次回もお弟子さんの紹介をしていきます。
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