今までに何度も触れていますが、
古代中国 春秋時代の兵法書『孫子』が好きです。
『孫子』は軍師であり将軍の孫子こと孫武が、
群雄割拠の春秋時代において、
戦に勝つための方法、
むしろ、負けないための方法
についての教えをまとめた兵法書と伝えられています。
書物の『孫子』は2500年の時を超え、
各時代はもちろん、
現代でも読み継がれており、
著名人にも愛読者が多いことは、
以前にも触れたところであります。
何度目かの登場ではありますが、
今回からは、『孫子』の内について、
より深く紹介したいと思います。
これは、上記の通り孫子が好きだ。
というところももちろんですが、
孫子を理解し活用することを
ライフワークにしたいという思いもあります。
お付き合い頂けましたら幸いです。
ちなみに以前の投稿はこちら。
●『孫子』について
『孫子』は2500年前に著され、
長い間、将軍・軍師・武士・経営者、
と、チームを率いる様々な人々の
必携の書とされていたわけですが、
超大作の長大な書物と言うわけではなく、
十三篇、文字数にして4000字程の書です。
もちろん漢文で4000字なので、
日本語の書き下し分ではさらに文字数は多く、
現代語訳すればもっと長くはなりますが、
それでも、割と読みやすい長さではあります。
しかしその内容は深く、
現代のビジネスシーンや、
人間関係、日常生活でも役に立つ内容がたくさんです。
単に当時の戦略や
戦術の指南書ではなく、
「そもそも戦争とは」
「競争、戦いに対しての心構え」
についての「哲学書」という面があり
それが現代でも読まれている所以です。
●十三篇の紹介と内容
『孫子』は十三篇からなる書物
と紹介しましたが、
そのラインナップは以下の通り、
簡単に内容も紹介します。
1、計篇
第1篇の計篇
戦争に対する基本的な考えを述べた篇。
戦いを始める前の
準備の大切さも説かれています。
2、作戦篇
第2篇の作戦篇
戦争にかかるコストを考え、
戦いをなるべく
「抑制する」ことを述べ、
慎重な開戦と迅速な切上げの重要さを説く。
3、謀攻篇
第3篇の謀攻篇
戦力を消耗しないよう、
謀略による攻撃を説いた篇。
戦わず勝つ、孫子の兵法の
キモについて述べています。
4、形篇
第4篇 形篇(軍形篇)
軍の形勢について述べた篇。
必勝をもたらすための
準備、計画について書きます。
5、勢篇
第5篇 勢篇(兵勢篇)
組織の勢い(エネルギー)について述べた篇。
兵の士気についてのマネジメント、
勝敗を左右するエネルギーを
放出するタイミングについて。
6、虚実篇
第6篇 虚実篇
軍隊の空虚と充実を述べた篇。
敵兵力の分散と、自軍兵力の集中、
敵の弱点を作って攻めることで主導権を取る。
7、軍争篇
第7篇 軍争篇
機先を制して有利な態勢をとることを説く篇。
敵よりも先に
有利なポジションに立つために、
どのような行動を心がけるか。
8、九変篇
第8篇 九変篇
さまざまな状況において、
どんな戦法をとれば良いかを説く。
局面に応じた柔軟な変化で対応すること。
9、行軍篇
第9篇 行軍篇
軍隊を行動させるときに、
注意すべきことを述べる。
留まってはいけない土地の特徴や、
状況を観察してわかることについても。
10、地形篇
第10篇 地形篇
行軍の際に留意すべき地形について。
地形を知って戦いに挑む者は勝ち、
地形を戦いに用いない者は負ける。
11、九地篇
第11篇 九地篇
戦場における9つの土地の形勢と、
具体的な戦いかたについて述べる。
12、火攻篇
第12篇 火攻篇
火攻めの種類の解説や、
火攻めをするときの注意点。
また、当時は火攻めと同じく、
効果的な戦術として
水攻めがありましたが、
この篇では火攻めについて解説しています。
13、用間篇
第12篇 用間篇
スパイ(間諜)を使って、
敵情を探ることの重要性について。
占いやおまじないで情報は得られない、
ではどのように行うか。といった内容について。
以上、これらの内容について次回より、
『孫子』の書き下しテキストと合わせて、
現代語訳や解説を紹介していきます!
イラストも満を持してリニューアル。
今回含めてシリーズ開始です。
参考文献
・孫子 ー「兵法の真髄」を読む(中公新書) 渡邉義浩 著
孫子ー「兵法の真髄」を読む (中公新書 2728) [ 渡邉義浩 ] 価格:990円 |
・老子×孫子「水」のように生きる (教養・文化シリーズ 別冊NHK100分de名著)蜂屋邦夫・湯浅邦弘 著
老子×孫子「水」のように生きる (教養・文化シリーズ 別冊NHK100分de名著) [ 蜂屋邦夫 ] 価格:990円 |