ソロモン!ゲットやで! 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

233「ソロモン!ゲットやで!」シリーズ 序列40番・ラウム

ごきげんよう、ハゲと天パです。

「ソロモン!ゲットやで!」シリーズ。

ソロモン72柱の悪魔を紹介。
みんな大好きでしょ?悪魔とか。

今回は「サクッとすぐ読めるボリューム」

ではないので覚悟しろ。

ただ、おもしろいと思うので後悔はさせない。
後悔しても責任は持たないけど。


引き続きウチの公式キャラが紹介を補足します。

加筆 です。
にぎやかします

修正 です。
しゃしゃり出ます

2人合わせてペンドラゴンズ。
今回なつかしのVer.1.0でお届けします。

全身はここだけ

初期絵だー


おひさしぶりです。


彼女らについて詳しくはこちら。







まずはこのシリーズの概要からです。

ヨーロッパでは中世後期から19世紀くらいまで
「グリモワール」
という、魔術の手引書がバズっていました。

その中でも悪魔や精霊等について書かれてるのが
「レメゲトン」というシリーズ。
5部の書物から構成されるレメゲトンのなかでも、代表的なやつが「ゴエティア」です。

内容としては、古代イスラエルの最盛期を築いた
ソロモン王が召喚してこき使った悪魔について。

いわゆる悪魔図鑑です

語弊があります


「エルサレム宮殿」を建設した第三代イスラエル王ソロモン。
人間の手では納期に間に合わないので悪魔を使役。
その時に労働させられた72体の悪魔を呼び出して、
いろんな願い叶えちゃお☆(ゝω・)vキャピ
というわけ。

今回はこちらの悪魔を紹介。



ラウム(Raum、Ralm)
またはライム(Raim,Raym)。

「ライム」というと途端に爽やか。

「ゴエティア」によると、
30の軍団を率いる序列40番の地獄の大いなる伯爵。
召喚者の前にはカラスの姿で現れます

前回、「鳥四天王」とか言ってたのに、さっそくまた鳥出てきて草。

いきあたり

ばったり


しかも連続カラスとか、ゴエティア空気読めよ。
前回、がっつりカラスくんで描いちゃった。


望めば人間の姿にもなれるとのことなので、
今回は「カラスっぽいボーイ」になりました。

カラスといえばちょっと悪いイメージがありますが
ラウムもなかなかにそんな感じ。
王侯の屋敷から財宝を盗み出して望みの場所へ移動させたり、
都市を破壊したり、人の尊厳を大いに貶めることができるそうです。
なんかカラスっぽいですね。

わるいやつだなあ!


なお、カラスは出されたゴミを散らかしてますが、
あれは変な時間にゴミ出しした人間が悪いのでカラスを責めるのはおカド違いです。

カラスにつつかれないようにゴミ出ししてください

カラスも一生懸命です


また、他にも過去・現在・未来の情報を教える能力敵と和解させたりもできるとされています。

上記の通り非常に強力な能力を持つラウムですが、
悪魔の紹介はそんなとこにしておいて、

今回はたっぷりカラス回です。

!?

!?


はりきっていきましょう。



以下、カラスの話しかしませんが面白いとは思う。


カラスは、スズメ目カラス科カラス属、または近縁な属(カケス類、サンジャク類、オナガ類、カササギ類など)を含む鳥類のグループ。

基本的に全身が黒く、ザ・黒い鳥といえばカラスですよね。
ただ実際には、白黒2色のコクマルガラスや暗褐色に白斑のホシガラスなんかもいるので、必ずしも全身が真っ黒なのがカラスというわけではないです。

日本で日常的に見られるカラスといえばハシブトガラスハシボソガラスの2種。
大きさはハシブトガラスで全長57cm、
ハシボソはもう少し小さくて50cmほどです。

上記2種以外では、
渡り鳥で北海道にワタリガラス、九州にミヤマガラスとコクマルガラス、迷鳥のニシコクマルガラスとイエガラスを含めて日本では計7種が見れます。

コクマルガラスが一番小さくてワタリガラスが最大のカラスです

こちらのサイト様がとてもわかりやすかったです

参考サイト
北海道情報大学様
カラスの図鑑


賢い鳥として有名なカラスですが、
仲間同士で協力したり鳴き声による意思の疎通を行ったりとある程度の社会性を持っています。

また好奇心が旺盛で、
電線にぶら下がる、滑り台で滑る、
雪の斜面を仰向けで滑る、
そりすべりをして遊ぶ
といった遊戯行動をとることも観察されているんですって。

滑るのが好きなんだね

ついやっちゃうわよね


また、人間の個体を区別して認識することができ、
男女の顔写真を識別できたり、アメリカガラスが9年半人間の顔を覚えていたという事例もあるそうです。
ちなみに4色型色覚で色を識別でき、人間と同じRGBに加えて紫外線も識別できるんですって。

知能の高さは古くから知られていて、
イソップ寓話」でも、瓶の中で水に浮く餌を取り出すために石を沈めて水位を上げる
「カラスと水差し」というお話がありますね。
(ネタバレしちゃった)

シューちゃんより賢いわね

ボクは手を使えるから


有名な話ですが、自分のクチバシで砕けない硬い食べ物を飛行場の滑走路、防波堤、建物の屋上等、
硬い所に落として割ったり、道路にクルミを置いて車に轢かせて殻を割ったりします。

広島県では牡蠣を落として割るそうです

グルメだね

また、クチバシと足の指を器用に使って水道の蛇口をひねって水を飲んだり、
カレドニアガラスにいたっては小枝を加工して道具を作り木の中の虫を捕まえて食べるそうです。
普通にすごいですね。


上の方で「鳴き声で仲間と意思疎通する」という話をしましたが、少なくとも41語の言葉を持ち、
ワタリガラスは食べ物の存在場所の情報を夜に仲間と共有するとのことです。

「カラス語」を研究している国立総合研究大学院大学の塚原直樹助教によると、

「カ~カ~カ~」:カラスが餌を見つけ、仲間を呼び寄せる時に鳴く声。
カラス語で「こっちに食べ物があるよ」

「カッカッカッ」:鷹などの天敵が近づいてきたことを仲間に知らせたり、警戒する時に鳴く声。
カラス語で「危険だよ」

「クア~クア~」:ねぐらに帰ろうとするカラスが発する鳴き声。
「安全だよ」という意味。

だそうです。

カラスの脳を調べた結果、思考や学習、感情をつかさどる大脳が極めて大きいことや、
大脳の中でも「巣外套」「高外套」といわれる知的活動に関係する部分が大きくよく発達していることが分かったそうです。


続いてはカラスの食性について、
雑食性で、生ゴミや動物の死骸をついばんでいるところがよく見られますが、
昆虫類、小動物(小型哺乳類、鳥類の卵や雛、爬虫類、両生類、ザリガニなど多数)、植物の果実・種子、動物の糞なども食べます。

ちなみに
ハシブトは動物食傾向、
ハシボソは植物食傾向が強いそうです

獲得した食物を物陰に隠し、後で食べるという貯食をする習性があるのも特徴で、
時は1996年、神奈川県でJRのレール上にハシボソガラスが石を置き、あわや脱線事故という事件が頻発しました。
当時は
「JRの人間に巣を撤去されたことに対する復讐として、列車を転覆させようとした」
と言う説が出回りましたが、
実際は敷石(バラスト)の下に餌を貯食しようと、
くわえ上げた石をレール上に置いて放置してたのが真相でした。


そんなカラス、
春から夏の繁殖期には一夫一妻制で協力して子育てを行います。

抱卵期間は20日前後、巣立ちまでの期間は30〜40日程度です

ちなみに巣立ち後も2–3ヶ月程度は家族で群れを組んで生活。
巣は基本的には樹上に小枝を組んで作りますが、都会派なので最近では電柱や看板などに営巣することもあり、
材料も針金・プラスチックなどの人工物を利用するようになってます。
都会派なので。
ちなみに電柱や送電塔に針金類で巣を作ると短絡の原因となり危険が危ない。

なお、
カラスの歌では、
「山に七つの子があるからよ」
という歌詞ですが、繁殖中のつがいは巣の周辺でねぐらをとり、
それ以外の個体は夜間人が立ち入らない茂った林や竹林に集団ねぐらをとるそうですので、子があるカラスは山に帰りません
ついでに産卵数はハシブトで2〜5、ハシボソで3〜5程度ですので7つは多いです。

うるさい、細かい

カヒちゃん、ストップ



成鳥はつがいでほぼ一年中固定された縄張りを持ちますが、特に営巣期間中は縄張り意識が強く、
不用意に巣に近づいたもしくは巣を見つめた人間や動物の個体を敵対者として認識・記憶し続け、威嚇・攻撃行動をとります。

最初は鳴き声で威嚇しますが、
立ち去らない場合は相手の頭を狙って後方1メートル以内まで舞い降りサッと上昇。
遠くへ立ち去るまで数百メートルにわたり、背後から追跡を繰り返すそうです。
それでも立ち去らない場合は攻撃フェーズに移り、
後方から舞い降りて頭を蹴りつけるか、頭髪をつかんで引っ張るという実力行使に及びます。


人間に身近な鳥なので文化面でも登場することが多く、鳥類のカラス以外にカラスウリやカラスガイ、
カラスアゲハなどカラスとつく生物は多数。
また、カラスにちなんで、
すぐにお風呂から上がることを「烏の行水」、
目じりのしわを「烏の足跡」、
黒髪のことを「烏の髪」、
しっとりと濡れたような黒色や黒髪を「濡烏・烏の濡れ羽色」、
見分けがつかないことの例えを「闇夜に烏」、
秋の季語として、夜にうかれて騒ぐカラスから転じて夜遊びする人を指して「月夜烏」
などなどことわざや慣用句は枚挙にいとまがありません。
英語でも屈辱を与えること、恥を忍ぶという意味で「烏を食べる」というそうです。

ちなみにカラスは毒などはないので食べることもできますが
なんでも食べる雑食なので病原体や寄生虫など食中毒になるリスクがあるので、十分に火を通すようにしてください。

生食は自殺行為です

お刺身で食べないでしょ


さて、知能の高さから狡猾な印象を与えたり
腐肉食や黒い羽毛が死を連想させたりすることから
様々な物語で悪魔や魔女の使いといった悪や不吉の象徴として描かれることが多いカラスですが、
その一方で、古くから世界各地の神話・伝説に登場し「太陽の使い」「神の使い」として崇められてきた生き物でもあります。

なんでも、朝日や夕日など太陽に向かって飛んでいるように見えるカラスを目にした当時の人々が太陽と結びつけた結果、神聖視されるようになったという説があるそう。
ちなみに近年の研究では、太陽に向かって飛ぶのは、太陽の位置と体内時計で帰巣する姿であると考えられているそうです。

また、鳥葬の風習があった地域においては、
猛禽類やカラスなどの鳥類が天国へ魂を運び、
死の穢れを祓ってくれたり、あるいは神の御使いであるなどの理由で神聖視されたという説もあるそうです。

さらに、視力が高い、見分ける知能もあるということから「炯眼」「慧眼」とされ、
神話や伝承において斥候や走駆や密偵や偵察の役目を持つ位置付けで描かれることも多いです。


日本でもカラスは太陽の象徴や神の使いとされ、
日本神話の神武東征で、熊野に上陸して大和国へ向かう神武天皇を三本足の「八咫烏(やたがらす)」が松明を掲げ導いたと伝わっています。
また、熊野三山の御使いでもあり、熊野新宮に仕えていた鈴木氏の一族の中には、
八咫烏やカラスを家紋に用いる家があったり、鈴木氏の属した雑賀衆が旗印として八咫烏を用いたとの伝承も。

サッカー日本代表のシンボルマークも八咫烏ね

ちなみに「八咫烏がなぜ三本足なのか」という疑問がありますが、
これは中国の「日烏」が起源で、
古来、太陽にはカラス、月にはウサギ(またはヒキガエル)が棲むとされていましたが、
中国では奇数は陽、偶数は陰とされ、太陽の象徴であるカラスが2本足では表象にずれが生じるかとのことで三本足なんですって。
なお、そもそもなぜ太陽にカラスがいるのかという点については、
大陸の黄土の土煙を通して観察された太陽黒点が黒いカラスに見えたという説があるそうです。

さて、山岳信仰を起源に持つ修験道でも
「カラスは神の使い」
とされてきたことがあり、山岳信仰に基づく烏に対する信仰と修験者の踊りが、民謡になったと考えられる「烏踊り」が長野県の北信地方には伝わっています。

足さばきで九種類の型を繰り返すことから、修験者(山伏)が唱えた「九字護身法」を足で行った踊りだとされてます

「烏天狗」も山伏の格好をしているね

また、古来からカラスは霊魂を運ぶ鳥とされ、
カラスが騒いだり異様な声で鳴くとその近所に死人が出るという伝承があったり、
柿を収穫する時、翌年カラスが柿の木に宿る霊魂を連れて帰ってくると考えられ、カラスのために最後の実を残す風習、
「月夜烏は火に祟る」と言われ、夜のカラスの鳴き声が火災の前兆とされる俗信もあったそうです。


西洋でも、イギリスでは、アーサー王が魔法をかけられてワタリガラス(大ガラス)に姿を変えられたことから、
ワタリガラスを傷付けることは、アーサー王、さらには英国王室に対する反逆となり不吉なことを招くとされていたり、
ケルト神話に登場する戦いの女神 モリガン、ヴァハ、バズヴ(ネヴァン)は、戦場にワタリガラスの姿となって現れたり、
北欧神話では、最高神オーディンの斥候として、2羽のワタリガラス「フギン(=思考)とムニン(=記憶)」が世界中を飛び回り、オーディンに様々な情報を伝えているとされています。

北米先住民トリンギット族等の伝承では、
「ワタリガラスが森を作り、人を始めとした生き物が住み着いたが、あるときに寒波が襲い、生き物は死に絶えそうになった。
一計を案じたワタリガラスは、ワシに太陽まで飛んで行ってそのかけらを持ち帰ってほしいと頼んだ。
ワシは承諾し、身を焦がしながらも火を持ち帰り、大地の様々な所に火を灯した。
それが、生きとし生けるものの魂となった」
というものがあります。

頑張ったのはワシ

ありがとう、ワシ


ギリシア神話でも太陽神アポロンに白銀色のカラスが仕えていたとされています。
このカラスは美しい声を持ち、人の言葉も話すことができる非常に賢い鳥なのですが、
ある時、アポロンの妻コロニスが地上で
「イケメンと親しくしている!」
と密告。
アポロンは嫉妬して激おこ。
天界から矢を放ち、コロニスを射抜いてしまいます。

死ぬ間際に「あなたの子を身ごもっている」
と告げたコロニスの言葉で我に返ったアポロンは後悔し、
きっかけを作ったカラスに行き場の無い怒りをぶつけ、その美しい羽の色と美声と人語を奪いました。
カラスは天界を追放され、羽は漆黒に変わり、声も潰れて、言葉を話すどころか、醜い鳴き声を発することしかできなくなったんですって。

こんな感じの、
「元は違う色だったカラスの羽毛が何らかの原因で真っ黒になってしまった」
という伝承は世界各地にあり、
民話の一つには、
カラスは元々白かったが、フクロウの染物屋に綺麗な色に塗り替えを頼んだら、
「黒地に金や銀で模様とか超クール。しかも上品やん。」
と考えたフクロウがいきなりカラスの全身を真っ黒にペイント。
「何をすんねんな!」と怒ったカラスに追い掛け回され、フクロウはカラスが飛ばない夜にしか表に出られなくなった。
ついでにカラスはいまだにガアガアと抗議の声を上げている。
というものや、
欲張りなカラスの注文に応じて様々な模様を重ね塗りしていくうちに、ついに真っ黒になってしまった。
というものもあります。


ところでカラスは漢字で「烏」と書くことが多いですが、
全身が黒いので目がカモフラージュされ見えづらいため「鳥」から目の部分を表す一本の横線を取った。
という俗信があるんですって。

他にも漢字では
「鴉」「鵶」「雅」も

「雅」でカラスって読むんだね


そんなわけで今回はカラス回でした。
いっぱい書きましたね。
最後にひとつだけ。

「カラスは雪の上でソリすべりをする」

お疲れ様でした。
次回もよろしくお願いします。

あれ?これなんのブログだったっけ?

知らない、カラスブログじゃない?




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このブログは、気になったことを調べ、
学んだ内容とイラストを紹介するお絵描きブログ
ソースは主にWikipediaなどになりますので、
学術研究ではなくエンターテイメントとしてお楽しみください。

興味のきっかけや、ふんわりしたイメージ掴みのお手伝いになればうれしいです。

ラウム-wikipedia
カラス-wikipedia


参考書籍:悪魔解説書「ソロモン72柱の悪魔」 | マーク・アイシャーウッド

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感想(1件)

私はやらないけど


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