せかいのやんちゃ神 図鑑 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

184 せかいのやんちゃ神図鑑② テスカトリポカ(アステカ神話)

ごきげんよう、ハゲと天パです。

今回も、

せかいのやんちゃ神 図鑑 シリーズ。

です。

世界中で伝わる各地の神話。
神話には、物語をひっかき回すやんちゃくれがつきもの。
いわゆる「トリックスター」です。
そんな やんちゃ神 にスポットを当て、
紹介していくシリーズになります。

ナビゲートするのは、
ウチの公式キャラのこの2人。

加筆 です。
にぎやかします

修正 です。
しゃしゃり出ます

2人合わせてペンドラゴンズ。
彼女らについてはこちら。







トリックスター。
神話や物語において、秩序を破壊し物語を盛り上げる存在。

ときに悪意を持って盗みやいたずらを行いますが、
乱暴者だったり、一癖ある知恵者だったり、
はたまた愚か者という場合もあります。

悪事を働いたり騒動を巻き起こすものの、
最終的には良い結末になるパターンが多く
いたずら好きの憎めないキャラで描かれる事が多いです。

やんちゃとはいえ、
神様だから失礼ないように

いちばんタチ悪いじゃん

善と悪、破壊と創造、賢者と愚者など、
二面性を持っているのが彼らの特徴。
食物や火、知識などを人間にもたらす、
「文化英雄」という一面を持つことも往々にしてありますね。


ちなみにトリックスターという言葉は、
ネイティブアメリカンの民話の研究から命名された類型だそう。
かの心理学者 ユングは、
「人間のより初期の未発達な意識の段階の反映」
と見ているのだそうです。

それでは本編、始めていきましょう。

我を呼び出したのはお前たちか

すごそうなのが来た

今回はアステカ神話から
テスカトリポカさんです

とりあえず心臓をよこせ

やだよ

・・・・

では、
テスカトリポカさんについて


テスカトリポカは、
アステカ神話における主要な神の一つ。
大熊座の神であり、夜空の神。
または、夜の風、北の方角、大地、
黒耀石、敵意、不和、支配、予言、
誘惑、魔術、美、戦争や争いの神とも。

多いな!

不穏な感じのものを
象徴していらっしゃいます

あがめよ、そして心臓を捧げよ







そんなわけで今回紹介するアステカ神話。
15世紀頃のメキシコあたりを中心とした
「アステカ帝国」で信仰された神話です。

15世紀って結構最近じゃない?

アステカ帝国は、
スペイン人に滅ぼされるけど
それよりはるか以前から
文明が発達してたのよ

周辺部族を征服して強大化したわけだな


アステカ神話には神様がいろいろいますが
今回のテスカトリポカは、そんな中でも
最強レベルの力を持つ重要な神様。
地元でとても熱心に信仰されていたので、
後にやってきたキリスト教の宣教師たちは
テスカトリポカを悪魔にしたといいます。

布教の邪魔になるからね

ちょこざいな


日本の感覚では不思議な響きの
「テスカトリポカ」(Tezcatlipoca)
という名前ですが、
ナワトル語で tezcatl は「鏡」
poca は「煙る」という言葉で「煙を吐く鏡」を意味します。

このあたりの地域、いわゆるメソアメリカ一帯では
儀式の際に、黒曜石の鏡が使われ、
テスカトリポカはこの神聖な鏡を象徴したんですね。


ここで黒曜石について軽く。

黒曜石は火山岩の一種で、
マグマが水中などの特殊な条件下で噴出し
急激に冷やされると生じる鉱物。

外見は黒くガラスとよく似た性質を持ち、
脆いですが、割ると非常に鋭いので、
先史時代から世界各地でナイフや矢じり、
槍の穂先など、刃物として使用されました。

石といえども侮るなかれ。
実際、その切れ味は非常に鋭く、
海外では現代でも、眼球や心臓、神経など、
精密さが求められる手術の時には、
メスや剃刀として黒曜石が使われることがあるんだとか。

金属を持たない民にとって、
刃物の役割を持つ黒曜石は重要な資源で、
中南米ではヨーロッパ人の侵略により、
鉄が入ってくるまで使い続けられていたそうです。

一説によると、
アステカ帝国が強大な軍事力で周辺部族を
征服できたのは黒曜石の鉱脈を豊富に持っていたからだともいわれ、
実は文明を支えた石だったんだそうです。

生贄を捧げるときのナイフにも使われたんですって
ふふふ

カヒちゃんは、
土着系の怖い話が好き

あの、はやく心臓を

いやだよ



話を戻しましょう。
一般的にテスカトリポカは、黒い身体を持ち
顔は黒と黄色の縞模様
で描かれます。
ただし眼には見えず、夜、猫の姿で徘徊。
火の発明者、太陽神、
強いお酒の発見者であるともされ
人間の生贄を求めたといわれています。

しばしば、右足が黒耀石の鏡や蛇として描かれますが
大地の怪物と戦い、右足を失ったからだそうです。

やんちゃしたね!


アステカ以前から一帯には、
発達した文明があったと書きましたが、
このテスカトリポカの姿は、アステカより古い、
マヤ人やオルメカ人が信仰した神と類似点が見られます。

例えばマヤ神話「ポポル・ヴフ」に書かれた
中心的な神 トヒル は黒耀石を意味する名前で、
生贄を要求する神である、と共通点があり、
古典期マヤの統治と雷の神「神K」も、
煙を出す黒耀石のナイフを額につけて、
片足が蛇になった姿であるとされ、
初期メソアメリカの神々がテスカトリポカのルーツであると考えられるそうです。

また、テスカトリポカは、
異名もたくさん持っていて、

モヨコヤニ(自らを創造する者)、
ティトラカワン(我らは彼の奴隷)、
イパルネモアニ(我らを生かしている者)、
ネコク・ヤオトル(両方の敵)、
トロケ・ナワケ(近くにいる者の王)
ヨワリ・エエカトル(夜の風)
イルウィカワ・トラルティクパケ(天と地の所有者)
テペヨロトル(山の心臓)
などいろいろあります。

強キャラ感がすごいわね

ラスボスじゃん

実際、強キャラだしラスボスだからな


ちなみに、メソアメリカ地域では、
鳥や獣に変身する力を持つ能力者や、変身後の姿のことをナワルといい、
テスカトリポカはジャガーに変身できるそうです。

この辺で最強の肉食動物

ワニを捕まえて食べます

めちゃ強いじゃん





このように今回のテスカトリポカ、
篤く信仰された非常に重要な神なのですが、
アステカ神話でおそらく最も有名な神様が
ケツァルコアトル
「羽毛の生えたヘビ」を意味する農耕神にして文化英雄。
比較的人間にもやさしい善なる神様です。
テスカトリポカはしばしばそのライバルとされます。

アステカの創世神話には、
5つの世界が創造と崩壊を繰り返したという
「5つの太陽」という物語があり、
いくつかの神様が太陽として世界を支配するものの
やがて仁義なき戦いによりその座を奪われるストーリーです。


テスカトリポカはその物語において、
最初の世界を太陽として支配していましたが、
世界が誕生して676年後、
ケツァルコアトルによって大きな棒で殴られて
水の中に放り込まれ、太陽の座を奪われます。


水没しちゃったテスカトリポカは、
ジャガーに変身して水から飛び出し、
その世界に住んでいた巨人を皆殺しにしました。

巨人どこからでてきた!?

ケツァルコアトルも
最初はやんちゃだったのね。


また、テスカトリポカに代わり
ケツァルコアトルが太陽の座について
2番目の世界を支配しましたが、
また676年後、ジャガーに変身したテスカトリポカが現れ、
ケツァルコアトルを蹴りとばして太陽の座から追い落とします。

そのキックが強すぎて、突風が起こり、
この世界に住んでいた者たちは吹き飛ばされます。
風が強すぎて2本足で立ってられないので、
残った人たちは地面に手をついて猿になります

猿に進化する逆展開


ここまで話したら、
残りの世界の話も気になりますよね。
いっときましょう。

世界が吹き飛ばされた後、
3番目の世界は雨と雷の神 トラロック
太陽として支配しますが364年後、
ケツァルコアトルが天から火の雨を降らせて、
トラロックを引きずり下ろします。

あのさ、さっきから、
数字が細かいのが気になるんだけど

アステカ歴では「52年」で1世紀なんだよ

だから、
13世紀で676年、
7世紀で364年になるのよ

計算が大変そうです。
ちなみに、火の雨を生き延びた者は、
蝶や七面鳥になりました。

4番目の世界はトラロックの妻で水の女神
チャルチウィトリクエが支配しましたが、
大洪水が起きて全員流され魚になります。

そんなわけですでに4つの世界が滅んでいて
今は第5の太陽の世界だそうです。

おつかれさまでした

はい、おつかれさまでした

ちなみに今の世界は、地震によって滅亡し、
人間は空の怪物 ツィツィミメ に食べられる予定だそうです。

地震っていうのが
なんかリアルね



テスカトリポカとケツァルコアトルは、
男女の二元性を表す始原神、
オメテクトリとオメシワトルのこどもとされ、
テスカトリポカ、ケツァルコアトル、
ウィツィロポチトリ、シペ・トテックの4神で
世界を創ったともいわれます。

彼らはそれぞれ
黒、白、青、赤のテスカトリポカとも言われ、
今回紹介しているテスカトリポカは
「黒のテスカトリポカ」
ややこしい。

じゃあ、兄弟喧嘩で世界が崩壊してたんだね


ケツァルコアトルとは対立しながらも、
実は両者とも生命の創造に関与していることから
「テスカトリポカは衝突を通じての変化を具現化した存在である」
と、メソアメリカ地域宗教の専門家は説明しているそうです。


テスカトリポカの祭祀は、
アステカ太陽暦の5番目の月である
トシュカトル(乾燥)の期間に行われました。

このお祭りは1年前から準備が始まり、
まず神官によってテスカトリポカによく似た若い男性が選ばれます。

祭りまでの一年間、男性は宝石を身につけ、
神のように至れり尽くせりで暮らします。
祭り当日までの1週間は歌い踊り大いに食べ、
4人の若い女性と結婚できるとか。

めっちゃいいじゃん!

まあ、これで終わればね・・・

祭りの当日、
男性は神本人の如く崇められながら神殿の階段を昇ります。
そして神官がその胸を切り裂いて、
心臓を取り出し、太陽への生贄とされるのです。

うん、ボクは選ばれなくていいや

シューちゃんは
女子だから選ばれないわよ
一応

え?女の子なの?

まあ、概念なんで
厳密には性別はないんだけど


ちなみに生贄の死の直後、
翌年の祭りのために新しい犠牲者が選ばれ、
毎年続いていくんだそうです。もちろん今はやっていません
そこから嵐の神、暴風の神なのだと言われているそうです。



ここまでテスカトリポカのいろいろを紹介してきましたが、
他にもまつわるエピソードがあり、いくつか紹介しておきましょう。

神話のなかで異説やバリエーションがあるのはあるあるですが、
アステカの創造神話にはケツァルコアトルと
力をあわせて世界を創造したという
胸アツ展開の伝説もあります。

創世の前の世界は海しかなく、
シパクトリ(ワニの女神)と呼ばれる怪物がいるだけでした。
テスカトリポカとケツァルコアトルは、
この怪物を捕らえて2つに引き裂き、上半身を大地に、下半身を空と星にしました。
その後人間が創造されますが、人々はシパクトリの苦痛を慰めるために、
生贄を捧げることになったそうです。

ちなみに怪物を捕えるとき、
ひきつけるためにテスカトリポカは
自らの足を餌にしたので片足がない姿で表されるとか。

足をエサにしたら後で不便じゃんか

世界に何もなかったから仕方なかった




そんなわけでアステカ神話のやんちゃ神、
テスカトリポカでした。

イギリスの大英博物館には、
人間の頭蓋骨を使用し、黒曜石と翡翠で
装飾されたマスクが所蔵されています。

このマスクはテスカトリポカを表していて、
おそらく高位の神官か皇帝が、
腰部分につけて使用したと考えられているそうです。

多分、画像で見たことある方も多いと思います。
検索してみてくださいね。

お近くの方は見に行ってみるのもいいでしょう。

お近くの人いるのかな?

さあ、そろそろ心臓もらおうか

だから、いやだって

しゅん・・・




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学んだ内容とイラストを紹介するお絵描きブログ

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テスカトリポカ-wikipedia
アステカ神話-wikipedia
黒曜石-wikipedia



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