せかいのやんちゃ神 図鑑 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

183 せかいのやんちゃ神図鑑① スサノオ(日本神話)

ごきげんよう、ハゲと天パです。

いつもお読みいただきありがとうございます。
今回から新シリーズがスタート。

せかいのやんちゃ神 図鑑 シリーズ。

世界中で伝わる各地の神話。
神話には、物語をひっかき回すやんちゃくれがつきもの。
いわゆる「トリックスター」です。
そんな やんちゃ神 にスポットを当て、
紹介していくシリーズになりまっす。

ナビゲートするのは、
ウチの公式キャラのこの2人。

加筆 です。
にぎやかします

修正 です。
しゃしゃり出ます

2人合わせてペンドラゴンズ。
彼女らについてはこちら。







トリックスター。
神話や物語において、秩序を破壊し物語を盛り上げる存在。

ときに悪意を持って盗みやいたずらを行いますが、
乱暴者だったり、一癖ある知恵者だったり、
はたまた愚か者という場合もあります。

悪事を働いたり騒動を巻き起こすものの、
最終的には良い結末になるパターンが多く
いたずら好きの憎めないキャラで描かれる事が多いです。

やんちゃとはいえ、
神様だから失礼ないように

いちばんタチ悪いじゃん

善と悪、破壊と創造、賢者と愚者など、
二面性を持っているのが彼らの特徴。
食物や火、知識などを人間にもたらす、
「文化英雄」という一面を持つことも往々にしてありますね。


ちなみにトリックスターという言葉は、
ネイティブアメリカンの民話の研究から命名された類型だそう。
かの心理学者 ユングは、
「人間のより初期の未発達な意識の段階の反映」
と見ているのだそうです。

それでは本編、始めていきましょう。

おらー!頭が高えぞ!!

第一回は、
日本神話のやんちゃ、
スサノオさんです。

がははは!呼ばれて来たぞ!!

豪快おぢ が来た

では、
スサノオさんについて


スサノオ、
歴史的仮名遣いでは「スサノヲ」
漢字で書くと
須佐之男、素戔嗚、須佐能袁、須佐能乎
等色々ですが日本神話に登場する神様。

荒ぶる神、暴風雨の神、疫病除けの神、
農耕の神、治水の神、開拓の神など、
様々な側面を持っています。



日本の国土や八百万(やおよろず)の神々を産んだ
イザナギイザナミ夫妻。
最終的に火の神カグヅチを産んだ時の火傷により
女神イザナミが亡くなり夫婦は離れ離れに。

イザナギは死者の国、いわゆる黄泉の国
平たくいえばあの世へ妻を迎えに行きますが
見てはいけないと言われてたのに妻の姿を見たあげく、ビビって逃げ帰ります。

腐ってるし
虫もわいてました

怖い


不浄なので、エンガチョしなくちゃ!と、
イザナギが川で身体を洗い清めたとき、
左目から天照大御神(あまてらすおおみかみ)
右目から月読命(つくよみのみこと)
鼻からスサノオが生まれました。

この三柱の神々は、「三貴子」と呼ばれ、
日本の神々のトップに君臨する三きょうだいです。
死の穢れを清める禊(みそぎ)をしたことで、トップ3が爆誕するところが独特。


イザナギは、
お姉ちゃんのアマテラスは昼の世界を、
お兄ちゃんのツクヨミには夜の世界を、
末っ子のスサノオは海を治めなさい。
と命じますが、スサノオは、
「イヤだ!お母さんに会いたい!」
と、黄泉の国に行きたいと泣きわめいてダダをこねます。

いや、
鼻から生まれたんなら、
お母さんじゃなくない?

がはは!盲点じゃったわ!


これにはイザナギも呆れて閉口しますが、
甘えんぼで暴れんぼでも、三貴子の一角なので、
暴れると災害級の被害が発生するパワー。
イザナギも、さすがにこれはもう手に負えないと、
逆ギレ気味でスサノオを追放します。

そもそも、スサノオのスサは、
「荒れすさぶ」のスサと考えられており、
そこから嵐の神、暴風の神なのだと言われているそうです。

ちなみに、
鼻から生まれたから
暴風の神であるとも言われるそうです

鼻息が暴風ってことだね

追放されちゃったスサノオは、母(?)イザナミがいる黄泉の国に向かいますが、
急に思い立って、
アマテラス姉に挨拶しとかなきゃ!と、
天上の神の国「高天原」に向かうのでした。

急に律儀

根は素直なんだな




さて、高天原を治めるアマテラス姉ちゃん、
スサノオが向かってくるのを見て、

「ヤバい、アイツここを落としに来た!」

と焦り、迎え討とうと臨戦体制に。
現場に緊張走る。

全然信用されてないじゃん

日頃の行いって大事ね

こっちが焦ったわ!

ゴジラみたいですね。
まあ、実際ろくなことはないんですが。

今すぐ立ち去らなければ沈めっぞ!という
アマテラスの迎撃にスサノオは、
違う、挨拶に来ただけ
と弁明するも信じてもらえない。

じゃあ、戦う意思がないと証明しましょうと
スサノオは剣をアマテラスに渡し、
アマテラスは勾玉をスサノオに渡し、
お互い噛み砕いて吹き出すという謎の儀式を執行。

これは誓約(うけい)というものなのですが、
アマテラスが吹き出した剣から3人の女神が、
スサノオが吹き出した勾玉からは5人の男神が生まれました。
「どうなれば潔白が証明される」というルールが事前に設定されてなかったのですが
スサノオは、

「オレの剣から清らかな女の子が生まれたのは
心が清らかで嘘がないからだ!
そしたらオレの勝ちだな!!」


という、斜め上のロジックで勝利宣言。
アマテラスも、
もうそれでいいよ、めんどくさい。と納得。

ちなみにこの時生まれた3柱の女神が、
海の交通安全を守る神様、宗像三女神です。
詳しくは過去記事をどうぞ。


というかそもそも
勝ち負けじゃないんじゃないですか?

まあ、その通りなんですが、
勝ったことがうれしすぎてテンションが爆上がりしちゃったスサノオは、
勢い余って、大切な田畑を荒らしたり、
神聖な神殿にうんこしたりします。
挙げ句の果てに皮を剥いだ馬を、機織り小屋に放り込み死者まで出す始末。
色々やりすぎです。

なにやってんの

やりすぎたスサノオに対しアマテラスは、
もうほんとイヤになっちゃって引きこもり
スサノオは捕まって高天原から追放。

短期間に2回追放されてる。

さすがにやんちゃが過ぎます。

まあ、若気の至りじゃな!めんごめんご。

ちなみに、パワーの源である髪を切られ、
爪も剥がされて大幅パワーダウンのうえで追放されました。
敵としてあんなに強かった魔王が、
仲間になったら、なんか微妙だった感じです。

クロノトリガーの話です。

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感想(7件)


追放されたスサノオ、
お腹ぺこぺこなので何か食べさせてくれと、
食べ物の神様オオゲツヒメに乞いますが、
オオゲツヒメはゲロとかウンコで食べ物を作る能力者とわかり、キレて殺します。
殺されたオオゲツヒメからは穀物が発生し、
人間にもたらされました。


神様の死体から主要な作物がもたらされる。
というのは実は神話でよくあるパターン。
同様エピソードを持つインドネシアの女神、
ハイヌウェレにちなんで、
「ハイヌウェレ型神話」と呼ばれています。

エピソード的にはなかなかひどいですが、
結果的に人に作物をもたらしたという点で、
スサノオは文化英雄という見方ができます。

文化英雄としての面だけではなく、
高天原から追放された後は実際に英雄視されたエピソードがあるのも注目すべきところ。
特に有名なエピソードとして、
出雲でのヤマタノオロチ退治がありますね。
みんな知ってる話なので割愛します。

そこ、ハイライトじゃろが!!

ちなみに、ヤマタノオロチを退治して、
生贄にされそうになっていたクシナダヒメ
妻に娶って出雲の根の堅洲国で暮らすわけですが、

八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に   
八重垣作る その八重垣を

という歌をひねり、
これが日本初の和歌であるといわれているそうです。

八重垣すきだな

その頃のマイブームだったんじゃ

「いっぱい雲が立ち上る出雲で
奥さんを囲むように
いっぱい垣根を作ろうね。
いっぱい垣根をね。」

という意味ですね。

大事なことなので2回言っといた!

マイホームがマイブームだったんだね



そんなわけで出雲で暮らしたスサノオ。
クシナダヒメとの間に子供も生まれ、
その子孫が大国主(オオクニヌシ)です。

オオクニヌシは、お兄ちゃんが80人いるのですが、みんな意地悪。

ちょちょちょ、
ちょっと待って兄弟多すぎない?

まあ80人は、
ちょっとおもしろいからそう書きましたが、
八十神(やそがみ)といって、
「いっぱいいる」というくらいの意味合いです。

この兄たちが割とド畜生で、何かにつけてオオクニヌシの命を狙うので、
なんやかんやあって、
オオクニヌシは根の堅洲国に避難します。

根の国のスサノオを訪ねたオオクニヌシ、
八重垣ホームには、
スサノオの娘のスセリビメがおり、
出会ってすぐに2人は、フォーリンラブ。
娘が可愛いスサノオは、オオクニヌシにあれやこれやと意地悪します。

ずっと意地悪されてる

箇条書きで行きます

・「ブサメン」という名前に改名させる。
・蛇がいっぱいいる部屋に泊める。
・ムカデと蜂がいっぱいいる部屋に泊める。
・野原に放った矢を取りに行かせて火をつける。

はい、全部イヤ。
パワー系のやんちゃから、
パワハラ系のやんちゃに変わりましたが、
スサノオのやんちゃは健在。
今なら炎上案件です

若気の至りじゃなかったじゃん

なお、いずれのいじわるチャレンジも、
スセリビメとかのサポートにより、難をのがれます。
あと、この時は元の名前のオオナムヂから、アシハラシコオに改名されてますけど、
ややこしいので、オオクニヌシで通します。

スサノオからの仕打ちで一番ヤバいのが、
野原を燃やされた時ですね。
なんかもう殺意がすごいです。
危険なんで絶対に真似しないでください。

この時はネズミが助けてくれたので一命を取り留めネズミさんにはマジサンキューですが
オオクニヌシが後に習合する七福神の一角、
大黒天の神使がネズミなのはこのためです。

数々の酷い試練を突破したオオクニヌシを、スサノオは家に招きます。
そこでおもてなしするのかと思いきや、
「頭のシラミを取ってくれ」
とオオクニヌシに頼みます。

おじさんの頭とか髪の毛を触るのは、
ただでさえかなりの抵抗がありますが、
しかもシラミを取るとかマジ勘弁です。
さらに、意地悪で仕込んでるのかナチュラルにそうなのかは不明ですが、
スサノオクラスになると一般人とは格が違い
シラミではなくムカデが頭にいます。
いや、どういう状況だよ。

正直イヤすぎますが、
オオクニヌシは事前にスセリビメからもらってた実を
噛んでは吐き噛んでは吐きを繰り返し、
施術されてるスサノオは、
ああ、こいつ、ムカデを取っては
噛み砕いてくれるなんて、なかなか可愛いやつだな。

と思いながら気持ちよくてウトウト。

取っても噛み砕きはしないだろ

・・・(きもーい)

おい、その目はやめんか


スサノオが寝入った隙に、
オオクニヌシはスサノオの髪を柱にくくり、
スサノオの刀と弓矢を盗んで、スセリビメと逃げ出します。

目覚めたスサノオは髪を柱から解くのに手間取りましたが、
黄泉比良坂まで追いかけ、
逃げるオオクニヌシとスセリビメに向かって

「その刀と弓矢で八十神を追い払って、
お前は大国主と名乗れ!
そして2人で仲良く暮らすんだぞ!こんにゃろが!!」


と最後にオオクニヌシのことを認め、
エールを送って見送ります。

ツンデレだけどいいとこあんじゃん!

まあ、オオクニヌシ、
その後浮気するし、
スセリビメと結婚する前に
奥さんもいるんだけどね。

やっぱり消しとけばよかったわい!



はい、そんなわけで、
やんちゃ神図鑑の第一回はスサノオでした。

お母さんが恋しくて泣き暴れたり、
天上界で大暴れする暴れん坊だったり、
はたまた、怪物を退治した英雄であったり、
いじわる義父ムーブもかましたりと、
その時々でいろんな面があるスサノオ。

かなり破天荒なので日本神話でも一番の問題児ではありますが、
その魅力的なキャラクターと強さにより、
現代でも色々なコンテンツに登場する人気の神様ですよね。


次回も世界の神話からトリックスターを紹介します。
ぜひお楽しみに。
引きつづき、よろしくお願い申し上げます。




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スサノオ-wikipedia
ハイヌウェレ型神話-wikipedia
大国主の神話-wikipedia



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