なんそれ妖怪図鑑 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

161 四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑㊶ 佐賀県・神社姫(じんじゃひめ)

ごきげんよう、ハゲと天パです。

四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑


日本に伝わる数ある妖怪のなかで、
「なんそれ?」という妖怪をセレクトし、
47都道府県ごとに紹介するシリーズです。


にぎやかすのはおなじみのこの2人。

加筆です。にぎやかします。

修正です。しゃしゃり出ます。

2人(通称ペンドラゴンズ)についてはこちら。





北海道 to 沖縄で進行中の
なんそれ妖怪図鑑 九州編です。

前回は福岡県から、
やまびこのようで、やまびこではない、
山おらび(やまおらび) でした。

ヤイヤイと叫ぶとヤイヤイと返し、
なんかわからんけど死に至る恐ろしい妖怪。
いや、叫ばんかったらええですやん。



九州の二人目は、
お隣、佐賀からはこちら。

神社姫

佐賀代表 神社姫(じんじゃひめ)


神社姫(じんじゃひめ)は、文政時代,
肥前国(現・長崎県および佐賀県)に現れた
人魚の類の妖怪。
とりあえず名前のなんそれ感で選びました。

江戸時代後期の文人、医師、俳諧宗匠、
加藤 曳尾庵(かとう えびあん/えいびあん)が、
江戸の世相風俗について記した日記風の随筆
「我衣(わがころも)」(1811年)に記述があり、
「ころり」の流行を予言したといわれています。

ちなみに、
「ころり」はコレラを指すことが多いですが、
神社姫が現れた時代にコレラは未上陸なので、
予言したのはコレラではなく赤痢だそうです。

「ころり」って、
響きだけみるとかわいいね。

まあ、高度経済成長以前は
年間10万人以上の患者が発生し、2万人程度が死亡してるけどね。

ぜんぜんかわいくないや。


個人的には「加藤エビアン」もグっときます。

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そんな神社姫の概要はこんな感じ。

文政2年(1819年)4月18日、
肥前国のある浜辺に、
全長2丈あまり(約6m)の未確認生物が現れます。
その姿は、2本角と人の顔、腹は紅のように赤く、
三刃の剣状の尾びれを持っていたとか。

しかも、目撃者の漁師・八兵衛さんに、

「我は龍宮よりの使者・神社姫である。
向こう7年は豊作だが、その後に
コロリという病が流行る。
しかし、我の写し絵を見れば
その難を逃れることができ、
さらに長寿を得るだろう。」


と語ったそうです。

実際には疫病の流行が先か、神社姫の目撃が先かは
わかりませんが、この話が世に広がって、
神社姫の写し絵を飾ることが流行。

「我衣」にも、
"紙に寫して人にもてはやしけり"
と書かれ、その絵および内容文が書‎写されてます。

科学的な治療法もなかった江戸時代、
当時の人々が感じた流行病への恐れにつけ込み、
異形の妖怪の絵を流行病よけの呪符として宣伝して売り歩く商売人もいたわけですね。

元の絵は,なかなかシュールなお姿なので、
ウィキの方もぜひご覧ください。



また、神社姫に姿かたちがよく似た妖怪で、
「姫魚」というのもおり、
こちらは龍神の使者なのだそうです。

おなじく文政二年に、肥前平戸に現れたとされ、
長さが一丈三尺で黄金色、背に宝珠が三つ。
赤い実の枝を口にくわえており、
尾びれは三つ分かれした剣型だったとのこと。

コロリの流行で多くの死者が出ることを予言し、
自分の絵を家門に貼れば難を逃れられると指示。
今でも「姫魚」の絵を家宝として代々受け継ぐ家があるそうです。

これは、同じ事例なのでは?

恐らく我のこと。

神社姫ちゃんは、
一人称が 我 なのね。




神社姫のように予言をする妖怪は少なくなく、
近年、新型コロナの流行で有名になった、
「アマビエ」も同種のものであると見られているようです。

また、予言獣として有名なものでは、
「件(くだん)」がいて、こちらは牛の体に人の顔、
生まれてすぐに予言をして死ぬそうですが、
江戸後期の随筆「道徳塗説」では、
「件は近年流行の神社姫に似せた創作だろう」
と、述べられております。

個人的にはどっちかといえば、
件の方が有名なイメージがありますが、
先に出たのは神社姫なんですね。

我の方が先。


なお、いわゆる人面魚の神社姫や、
人面牛の件のみならず、
我衣によると、同じ年に人面犬の板行も販売されていた。と記載があり、
当時は「人面〇〇ブーム」だったんでしょうか。



さて、昔の人は「妖怪」で片付けがちでしたが、
結局のところ、正体は何だったのか?
我々はそれが気になっちゃう現代人。
神社姫の正体としては、
深海界隈のスター、
リュウグウノツカイという説があるそうです。

世界各地に残る人魚伝説では、
海牛類が正体とされることが多いですが、
日本の人魚伝説の多くはリュウグウノツカイに基づくと考えられているんだそう。

「古今著聞集」「甲子夜話」「六物新誌」
などの文献に登場する人魚は、
共通して白い肌と赤い髪という描写があり、
これは銀白色の体と赤く長い鰭を持つ
リュウグウノツカイの特徴と一致。
本種の目撃例が太平洋側よりも日本海側で
多いことと日本海沿岸に人魚伝説が多いことも整合するとか。


ちなみにリュウグウノツカイ、
身に臭みや癖がなく食感が鶏卵の白身のようでおいしいそうです。
食べた人のコメントでは、
「刺身で食べたらゼラチン質がプリプリで、甘みがいっぱい。まるでエビの刺身」
鍋で食べても
「身が甘くてツルッとした口触りで柔らかく、
鍋一杯がアッという間になくなるほど好評だった」
とのことです。

食べてみたい。

やめてあげて。




そんなわけで佐賀県から、
神社姫でした。
次回は長崎県です。



このブログは、
気になったことを調べ、
学んだ内容とイラストを紹介するお絵描きブログ。

ソースは主にWikipediaなどになりますので、
学術研究ではなくエンターテイメントとしてお楽しみください。
興味のきっかけや、ふんわりしたイメージ掴みのお手伝いになればうれしいです。

神社姫-wikipedia
加藤曳尾庵-wikipedia
リュウグウノツカイ-wikipedia



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