なんそれ妖怪図鑑 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

156 四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑㊱ 鳥取県・土転び(つちころび)

ごきげんよう、ハゲと天パですよ。

四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑

のシリーズでございます。

日本に伝わる数ある妖怪のなかで、
「なんそれ?」という妖怪をセレクトし、
47都道府県ごとに紹介する企画です。


にぎやかすのはおなじみのこの2人。

加筆です。にぎやかします。

修正です。しゃしゃり出ます。

2人(通称ペンドラゴンズ)についてはこちら。





北海道 to 沖縄で進んでおります
なんそれ妖怪図鑑 
中国・四国編も佳境です。

前回から中国地方に入りまして、
岡山県代表の鬼、温羅(うら)を紹介しました。

泣く子も黙る昔話の代表格、
桃太郎に退治された鬼、のモデルです。

続いては北に進んで鳥取県。
代表はこちら。

土転び

鳥取代表 土転び(つちころび)

土転び(つちころび)は、
鳥取県東伯郡小鹿村(現・三朝町)に伝わる妖怪。
槌(つち)に似た蛇であるとされ、
表記としては、槌転、槌転びとも。

水木しげる御大が描いたデザインにより、
なんかでっかくて丸くて、
毛むくじゃらなイメージで有名ですが、
伝承によると上記の通り、
藁打ちに使う「槌」のようなヘビの妖怪で、
山間部の山道を歩く人の足もとに転がって来て噛みつくそうです。

一説には、
直径30cm、長さ90cmほどのサイズで、
樽が転がるように地上を転がりながら人を追いかけるというものも。

ツチは「槌」なんだね。

ツチがつくヘビで
もうおわかりですよね?

はい、お察しの通り、
ツチがつくヘビといえば、ツチノコです。
捕獲したら賞金がもらえるUMAですね。
鳥取県では、
ツチノコを「槌転び」と呼ぶこともあるそうです。

このシリーズでおなじみの
江戸時代の百科事典、「和漢三才図会」にある、
「野槌蛇」(のづち)も同じか近い妖怪のよう。
また、「槌のようなものが山道を転がってくる」
という民間伝承はわりといろいろなところであり、
高知県の「タテクリカエシ」
岡山県の「テンコロコロバシ」
といった妖怪も同一視されているようです。

少し変わったところでは、
九州の小豆洗い系の妖怪は、
実は藁打ち槌が化けているという話があり、
人に転がりかかってくるとされているとか。

いわゆる「野槌」系の転がって来る槌の妖怪が、
なにかのきっかけで「小豆洗い」に混同されたのではないか?と
民俗学者レジェンドの柳田國男は、
著作、「妖怪談義」で考察しています。
ちなみに柳田によると、
野槌の「ツチ」から連想して「槌が転がって来る」
と後の時代に語られるようになったんだろう。
としており、
ノヅチの「名前が先」説を唱えているそうです。


さて、
土転びは妖怪の中ではわりとメジャーな方ですが、
上記でも少し触れたとおり、
水木しげる氏の著作に登場して有名になりました。
著作内で語られるところでは、
旅人が峠を歩いていると、
後ろから追って来るような気配を感じ、
慌てて走り出すと、藁打ち槌のような土転びが転がってきて追い抜く。
そして追い越した土転びは峠の下で待っています

びっくりするけど、
ちょっとかわいいわね。

特に悪さはしないので、
恐れず通り過ぎれば無事に済みますが、
土転びがいる道を避けて通ろうとすると遭難するそうです。

なんじゃそら?という感じですが、
迷いそうな山道で、迷わないように正しい道を教え、
旅人を守ってくれる峠の神でもあるとのこと。


ただし・・・この説を裏付ける民俗資料などの
出典は確認されておらず、複数の伝承を複合し、
さらに水木さんが創作を加えて作り出したものと見られているそうです。

水木しげるが語れば、
それはもう伝説。

まあ、一理あるよね。

レジェンドですもの。




水木氏の土転びは丸い毛むくじゃらでしたが、
ウチの土転びはツチノコモチーフのヘビ属性なので、ツチノコにも触れときましょうね。

ツチノコは漢字で書くと「槌の子」であり、
日本に生息すると言い伝えられている未確認動物(UMA)のひとつ。
胴が太いヘビとされ、各地で目撃例があるとか。

その特徴としては、
・普通のヘビと比べると胴の中央部が膨れている。
・通常のヘビにはない瞼(まぶた)がある。
・高さ5m、前方2m以上ジャンプする。
※10mはねるとも。
などなど。


他にも、
非常に素早く、移動する時は、
・シャクトリムシのように体を屈伸させて進む、
・丸太のように横に転がる、
・尾をくわえて体を輪にして転がる、
・傾斜を登る時は胴体の前部を支点に後部を左右に移動させながら登る。とか。

諸説あるけど、
えらい具体的だな!

その他にも、
「チー」と鳴く。
メスはすきっ歯。
いびきをかく。
日本酒が好き。
味噌が好き。
スルメが好き。
頭髪を焼く臭いが好き。
という、
わりと細かい特徴も。

猛毒を持ってるという説もあるよ。

ちなみに、
ツチノコという名称は主に関西や四国北部などで用いられていた方言だそうです。
東北地方ではバチヘビとも呼ばれ、
ほかにもノヅチ、タテクリカエシ、ツチンボ、
ツチヘビ、土転びなど日本全国で約40種の呼称があるそうです。

意外と古くから認識されていて、
縄文時代の石器にツチノコにそっくりな蛇型の石器や絵があったり、
「古事記」「日本書紀」でも記述があったり、
江戸時代には上記の「和漢三才図会」はじめ、
いくつかの書物に解説や目撃談が収録。

時代が進んで1970年代には小説、ドラマ、漫画などで取り上げられてツチノコブームが発生。
ちなみに、
「釣りキチ三平」の矢口高雄センセイによる
「幻の怪蛇バチヘビ」がブームのきっかけになったとか。

また、同じ頃に「ドラえもん」でも取り上げられ、
ドラえもんが台湾へ輸出されたことで、
台湾でも漫画風にアレンジされたツチノコの
イメージが定着しているそうです。

ツチノコ-wikipedia では、各地の目撃談もいっぱい書かれてますのでよかったらどうぞ。

最後に、
ツチノコ生け捕りでもらえる賞金がすごいので、
下記に紹介しときます。
終了しているものもありますが。

兵庫県千種町 賞金2億円(終了)
岡山県吉井町:賞金2000万円
兵庫県美方町:別荘地100坪
広島県上下町:賞金300万円(1989年)
西武百貨店:賞金6万円(写真)・10万円(遺体)・30万円(生け捕り)
山と溪谷社:生態写真に賞金10万円[36]
和歌山県すさみ町:賞金100万円と副賞イノブタ1頭
岐阜県東白川村:賞金100万円(1989年以降は毎年1万円ずつアップ、2023年は131万円)
奈良県下北山村:賞金100万円
学研『ムー』編集部:賞金100万円

なお、
「正体についての仮説」
もありましたが、
夢がないので割愛。

夢で終わらせたい。

夢で会おうね。


というわけで、
鳥取県の妖怪、土転びでした。
次回はおとなりの島根県です。
よろしくお願いします。




このブログは、
気になったことを調べ、
学んだ内容とイラストを紹介するお絵描きブログ。

ソースは主にWikipediaなどになりますので、
学術研究ではなくエンターテイメントとしてお楽しみください。
興味のきっかけや、ふんわりしたイメージ掴みのお手伝いになればうれしいです。

土転び-wikipedia
ツチノコ-wikipedia

鳥取といえば、
20世紀梨だよね。

21世紀になっても
美味しさは変わりません。

日本海の海の幸も良いよ。


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