なんそれ妖怪図鑑 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

153 四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑㉝ 愛媛県・隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)

ごきげんよう、ハゲと天パです。

四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑

のシリーズです。

日本に伝わる数ある妖怪のなかで、
「なんそれ?」という妖怪をセレクトし、
47都道府県ごとに紹介する試み。


にぎやかすのはおなじみのこの2人。

加筆です。にぎやかします。

修正です。しゃしゃり出ます。

2人(通称ペンドラゴンズ)についてはこちら。





北海道 to 沖縄で進行中の
なんそれ妖怪図鑑 中国・四国編。
四国からグルっと回っています。

前回は高知県のやたら眩しい妖怪。
赤頭(あかがしら) でした。

土佐三大妖魔の一角と言われますが、
三大の割にイマイチ戦闘力が高くない面々なのが、たのしいなんそれ妖怪。

続いての愛媛県からはこちら。

隠神刑部

愛媛代表 隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)

隠神刑部(いぬがみぎょうぶ)
または刑部狸(ぎょうぶだぬき)は、
現在の愛媛県、伊予国松山に伝わる化け狸。

名前がやたらかっこいいところが、
なんそれなポイント。
「いぬがみ」とありますが、
四国で有名な憑き物の「犬神」とは、
特に関係ないです。


さてさて御存知の通り、
日本にはタヌキのお話がたくさんありまして、
童謡でおなじみの「証城寺の狸囃子」
昔話で有名な「分福茶釜」
そして隠神刑部が登場する、
「松山騒動八百八狸物語」を合わせて、
日本三大狸話と言われるそうです。

もはや、
狸話というジャンルなのね。

いろんな三大があるなあ。


そもそも四国は特に、
狸の民話や伝説が多いのですが、
松山の狸は歴史が古く、
なんと天智天皇の時代からですって。
思った以上に古すぎて草www。


皆様知っての通り、天智天皇といえば、
645年に起きた 大化の改新
朝廷を牛耳る豪族、蘇我氏を倒した、
中大兄皇子が、進化・パワーアップした姿です。
いわゆる飛鳥時代なんで、すごい前です。(小並感)

645年で「むしごろし」
と覚えたね。

「進化・パワーアップ」
は語弊しかない。


そんなわけで
2025-645=御年1380歳の
レジェンドご長寿、隠神刑部。
たぬきだけに子孫もぽんぽこぽんと生まれ、
ついには808匹の一大勢力、
「八百八狸(はっぴゃくやたぬき)」
という狸軍団の総帥というわけです。

狸だけにぽんぽこぽん。

だいじなことですので、
もう一度言いました。


808匹の眷属を従えて
住処の久万山の岩屋から松山城を守護。
四国最高の神通力を持っていたとも言われています。

なにげに強いじゃん。

誰に向かって言うとる。


城の家臣たちから信仰され、
土地の人々とも深い縁を持っていたので、
松山城主の先祖から、その名の「刑部」という称号を授かりました。

ちなみに刑部とは、
もとは古代日本における律令制下の官職名の一つ、
司法全般を管轄し、裁判や監獄の管理・刑罰を執行する役職のことでした。

だがしかし、おすし、
まあ、他の官職もそうですけど、
律令制が崩壊した後は官職も形骸化するわけで、
武士が自分の地位に箔をつけるために、
朝廷に任命してもらう肩書きとなり、
実際にその官職を持つ人(もしくはタヌキ)が、
そういった仕事をしているわけではない感じです。

また、昔の日本は、
あんまり人のことを
本名で呼んではいけない文化がありましたので、
「刑部」とか、「織部」とか、「筑前守」とか
役職名が呼び名として用いられたりもします。

この辺は詳しくやっとると長くなるぞい。

はい、長くなるので「ふーん」で大丈夫です。
お気になられる方は調べてみてくださいね。



さて、そんな隠神刑部が登場する
「松山騒動八百八狸物語」
これは江戸中期に起こった松山藩のお家騒動に、
狸や妖怪の要素を加えて怪談話に仕立て、講談から広まったもの。
話はいくつかのバリエーションがありますが、
簡単に紹介するとこんな感じ。

享保の大飢饉の際、
幕府からの援助金をちょろまかし、
かつ、お家も乗っ取ろうとたくらむ悪臣、

松山藩家老・奥平久兵衛。
その陰謀をを防ごうとする刑部狸とその眷属808匹でしたが、
奥平の手先の 後藤小源太 に敗れ、謀反側に加担させられることになります。

ちなみに小源太は狸の天敵である山犬の乳を飲んで育ったそうで、
なにがあったのか、出自がすごく気になりますが、とりあえず狸キラーです。

狸たちは神通力を使い、
松山城下で心ならずも怪異を起こしますが、
広島からやってきた妖怪ハンター・稲生武太夫(いのう ぶだゆう)により九万山に封印。
しかし、刑部の正義の心を知った武太夫が忠臣派に味方したことにより、
謀反派の悪事が露見、陰謀は打ち砕かれお家は安泰となったのでした。

武太夫マジ恐い。




ところで、しれっと出てきた
稲生武太夫 なる青年、
彼は怪談「稲生物怪録」 の主人公で、
知ってる人は知ってるヒーロー。

備後三次(現在の広島県三次市)に実在したという人物であり、
16歳のときに、肝試しによる霊障で、
毎日おばけがでる心理的瑕疵物件となった家で、
1ヶ月暮らし抜いた鋼のメンタル持ちです。

メンタルが鋼なので、
たとえどんな怪異が起きても気にしないでいたら、
最終日に魔王・山ン本五郎左衛門(さんもと ごろうざえもん)が現れ、ご褒美に魔法の木槌をもらいました。

魔王、名前がいかつい。

ちなみに山ン本五郎左衛門のライバルは、
神野悪五郎(しんのあくごろう)。

悪そう。

コレ、もうちょいコメントひねれ。

武太夫 と山ン本五郎左衛門についても、
そのうちやりたいと思ってます。


そんなわけで狸の国・四国のトップオブ狸、隠神刑部でした。

狸話は面白いので、
狸シリーズもやってもいいかもしれません。
徳島と香川にも有名な狸がおり、
「平成狸合戦ぽんぽこ」にも出てきましたね。
え?ぽんぽこ観てないの?

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「おもひでぽろぽろ」と双璧をなす、
子供の頃はイマイチだったけど、
大人になってから見ると超刺さるジブリ

の代表格ですよね。
観たことない方は、大人になってからぜひ。



急にぜんっぜん余談ですが、
関西以外では、
揚げ玉を乗せたうどんやそばを
「たぬき」と言いますが、
関西では、油揚げをのせたそばを
「たぬき」ということが多いです。

ちなみに、
油揚げを乗せたうどんは
「きつね」うどんです。

揚げ玉をのせたのは?

「ハイカラ」です。


ただし、京都だけは、
刻んだ油揚げと青ねぎをあんかけにした、
うどんまたはそばが「たぬき」になるようです。


理由はわかりませんが、
「まあ、京都だから」
で関西ではだいたい納得されます。

なお、京都については、
あまりいじらないのが身のためです。

あ・・・(察)

宗旦狐

聞き捨てならねえす。





というわけで、
うどんの話になったところで、
次回はうどん県・香川。
よろしくお願いします。


このブログは、
気になったことを調べ、
学んだ内容とイラストを紹介するお絵描きブログ。

ソースは主にWikipediaなどになりますので、
学術研究ではなくエンターテイメントとしてお楽しみください。
興味のきっかけや、ふんわりしたイメージ掴みのお手伝いになればうれしいです。

隠神刑部-wikipedia
稲生物怪録-wikipedia
たぬき(麺類)-wikipedia


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