なんそれ妖怪図鑑 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

146 四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑㉗ 奈良県・じゃんじゃん火(じゃんじゃんび)

ごきげんよう、ハゲと天パです。

四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑

ひきつづき、
近畿地方編を引き続きお送りしています。
はりきってまいりましょう。

日本に伝わる数ある妖怪のなかで、
「なんそれ?」という妖怪をセレクトし、
47都道府県ごとに紹介する試みです。


にぎやかすのはおなじみのこの2人。

加筆です。にぎやかします。

修正です。しゃしゃり出ます。

2人(通称ペンドラゴンズ)についてはこちら。





北から南へ、北海道 to 沖縄で紹介中の
なんそれ妖怪図鑑

前回は京都、
宗旦狐(そうたんぎつね)でした。

今まで紹介した中でも
屈指の愛され妖怪。
悲しい最期を遂げたことから、
なんそれ妖怪界隈のごんぎつね
と呼ばれています。(今考えた。)

つづきましてでやってきたのは、
奈良県です。
さてさてどんな妖怪でしょうか?

じゃん火

奈良代表・じゃんじゃん火


はい!名前が残念!

じゃんじゃん火(じゃんじゃんび)
カタカナで
「ジャンジャン火」
と書く場合もありますが、
奈良県の各地に伝わる怪火の妖怪。
鬼火の一種とされています。

鬼火といえば過去、
石川県の「くらげ火」がいましたね。

燃えるものがないにも関わらず、
なんかわからんけど燃えとるで!
という現象が「鬼火」というわけです。

人間や動物の怨念などが
火になって燃えているという触れ込みでやってますけど、
死体から発生する物質が、
空気中で燃焼するとか、
プラズマだとか、
そういった考察もされています。
詳しくは上記のクラゲ火回でどうぞ。


今回、奈良代表に選んだ
じゃんじゃん火、

「あー!奈良といえば、
じゃんじゃん火だよね!」


というほど、
メジャーなわけではないんですけど、
みんなが知ってる有名な妖怪を紹介するのがウチですか?
というわけですよ。

じゃんじゃん火です!
と聞いて、
「なんそれ?」ってなったでしょ?
してやったりですよ。

まあ、名前は正直残念ですけども。

残念って言うな!!





そんなわけで、
やっとこさ紹介に入ります。

じゃんじゃん火という名前の由来、
それは、
「じゃんじゃん」と音を立てるから
だそう。
なんじゃそら。

奈良県内でも地域によって別々の伝承があり、
以下に、いくつかのお話を紹介します。

まずは奈良市白毫寺町バージョン、
この地域には、
白毫寺大安寺という2つのお寺があり、
それぞれのお墓から火の玉が出現。
2つの火の玉は夫婦川という川で落ち合い、
もつれ合った末に、やがてもとの墓地へ帰って行くそうです。
正体は悲しい恋のはてに心中した男女の魂で、
死後別々のお寺に葬られたことから、
火の玉になって落ち合ってるんだとか。

ラブラブファイヤーじゃん。


なお、この火、見ると追いかけてくるそうです。
追いかけられた人が池に飛び込んで逃げても、
火は池の上まで追って来たという話もあるんだそう。

デートを覗かれて
いい気はしないじゃん。


大和郡山市のバージョンも
同様に男女の霊であるとされ、
毎年6月7日、
佐保川の橋の上に2つの人魂が現れるんだそう。
年一回で会えるというところが、
七夕みたいでロマンチックですね。

かつてはこの6月7日になると、
付近の各村からそれぞれ20人ずつ選ばれた男女が、
この橋の上で踊り、人魂の主である霊を慰めたそうです。

また、天理市藤井町のバージョンでは、
お城の跡から出現し、
西へと飛んで行く火の玉としています。

これに遭遇した場合、
橋の下などに隠れてやり過ごさなければならないそうです。
見つかってどんな目にあうのかは不明ですが、
残念火(ざんねんび)とも呼ばれるそう。

なんで残念火?

名前が残念だからじゃない?

だから、残念って言うな!


天理市柳本町、田井庄町、橿原市にも伝承があり、
これがなんそれ妖怪としては秀逸。

雨の近い夏の夜、
十市城跡に向かって
「ほいほい」と声をかけると飛来し、
「じゃんじゃん」と音を立てると消える
そうです。
なんじゃそら。

ちなみに、
ホイホイ火(ホイホイび)とも呼ばれる。

どっちでもいいよ!

陽気な感じがするわね。



なんそれ感がいい感じですが、
これはちゃんとエピソードが有りまして、

時は安土桃山時代、
戦国三大梟雄といわれ、
大悪人と言われてたけど、
実際そこまで悪くなかった武将、
松永弾正こと松永久秀

彼に討たれた
十市遠忠(とおいち とおただ)
という武将がおりまして、
じゃんじゃん火ことホイホイ火は、
無念の死を遂げた彼の怨霊とされているんだそう。

怨霊のわりに、
ホイホイでてくる。


このホイホイ火(気に入った)を見た人は、
怨霊の祟りによって三日三晩の間、
熱病に見舞われてしまうというそうです。

軽い気持ちで呼び出すと痛い目に遭う典型的なヤツです。

ちなみに十市 遠忠、
正直あんまり聞かない名前ですが、
官位は従五位下・兵部少輔。
大和国龍王山城主の戦国武将。

武勇に優れ、歌道や書道も得意。
文武両道の武将で十市氏の最盛期を築いたとされています。

一番ブイブイいわせてたころは
大和北西部を占め、遠くは伊賀国までその領地を広げ、推定石高は6万石だそうです。
やるじゃん。

ちなみによく出てくる「石」ですが、
これは1石が一人の人を1年食べさせられるお米の量を表すので、
6万人を1年食べさせることができるパワーです。
そう考えたら「加賀百万石」とかエグいですね。

この遠忠さんが討たれた際、
散っていった武士たちが大勢で「残念、残念」と言ったのが「じゃん、じゃん」と聞こえたとか。

ここで見事に、
残念火の伏線回収ね。

そうかなあ?

そう聞こえたから仕方ない。


なんかあんまりしっくりこないですけど、
「じゃんじゃん」の正体は「残念残念」ということのようです。


また、天理市田井庄町には、
「首切地蔵」という
もうめっちゃ怖い名前のお地蔵さんがありまして。

その名の通り首と胴体の離れてますが、
かつて、じゃんじゃん火に襲われた武士が、
刀を振り回し、誤ってお地蔵さんの首を刎ねてしまったからなのだとか。

お地蔵様、
とばっちりね。

ちなみに
その武士は助かったの?

丸焦げにしてやったわよ。

やべーじゃん。



そんなわけで、
奈良県代表のじゃんじゃん火でした。
その正体は、
心中したカップルというパターンと
武将の霊パターンという、
全然違う2種類の説があるのも特徴的な火の玉でした。

前にもちょっと言いましたけど地元なので、
名前は残念だけど、
キャラはかっこいい感じにしました。
地元びいきです。

でも、「残念残念」が、
「じゃんじゃん」とは聞こえないと思う。

もうそこは許してあげて。



次回は和歌山県です。



このブログは、
気になったことを調べ、
学んだ内容とイラストを紹介するお絵描きブログ。

ソースは主にWikipediaなどになりますので、
学術研究ではなくエンターテイメントとしてお楽しみください。
興味のきっかけや、ふんわりしたイメージ掴みのお手伝いになればうれしいです。

じゃんじゃん火-wikipedia
十市 遠忠-wikipedia


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