なんそれ妖怪図鑑 気になる事柄を学ぶシリーズ 神話・伝説

140 四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑㉑ 岐阜県・角椀漱(つのわんすき)

ごきげんよう、ハゲと天パです。

引き続きはりきってまいりましょう、

四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑

のシリーズです。

日本に伝わる数ある妖怪のなかで、
「なんそれ?」という妖怪をセレクトし、
47都道府県ごとに紹介しております。


にぎやかすのはおなじみのこの2人。

加筆です。にぎやかします。

修正です。しゃしゃり出ます。

2人(通称ペンドラゴンズ)についてはこちら。





北から南へ、北海道 to 沖縄で紹介しております。

前回は福井代表、和尚魚(おしょううお)
多分正体はウミガメですが、
漁で出会うと不吉なので、
ビビらせて逃がすといいよ。
というお話でした。


続いての岐阜県からははこちら。

角椀漱

岐阜代表・角椀漱

角椀漱(つのわんすき)は、
美濃国、現在の岐阜県に伝わる話に登場する妖怪。

むかしむかし、ある年の盆のこと。
ある長者のもとに一人の武士が訪ねます。

その武士はなんでも山奥に住んでおり、
お客さんを家に招待するからといって、
20人前の膳椀の借用を長者に申し出ました。

20人前とは、

なかなか盛大なホームパーティーですが、
長者的にも相手が武士ということもあり、
断ったらなにかと怖いなと、椀を貸しました。

しかし、しかしです。
椀はいっこうに返されず、まさかの借りパク。
それどころかこの武士、
以降毎年、お盆のたびに椀を借りに来ます。

何個貸したん。

おそらくメルカリに
出品されてるわね。

長者としても、
これはおかしい、
もしかしてこれが転売ヤー?
と不思議に思い、
人を雇って武士の後を追わせました。

後を追ってみると武士は、
山奥の池にやって来て、
椀を抱えて水の中へと姿を消しました。
尾行していた人もこれにはびっくり。
驚きながら長者の元に帰り、

事の次第を伝えました。

「これは生きてる人間じゃない。」
と気味悪く思った長者、
次に武士が椀を借りに来た時に一計を案じ、
膳に縫い針を刺して貸し出したところ、
それきり、武士が現れることはなかったそうな。

長者が再度人を雇って池を見に行かせたところ、
水中には顔が椀の化け物がいたとのことで。
それ以来、長者たちは決してその池に近づかないようにしたそうです。

なんの教訓もないな!

なお、後で見に行ったら
椀お化けがいた。

というのは、
水木しげるセンセイの
「水木しげるの憑物百怪」にあるエピソードだそう。

美濃の伝説としては、
「椀借り武士」というものがあり、
あらすじ的には同じで
妖怪に毎年、大量にお椀を借りパクされ、
一計を案じるともう出なくなったよ!おしまい!

って感じのようです。
おそらく水木先生的にも、
「なんそれ?」と思って付け足したんでしょうね。

ちなみに日本各地に
「椀貸伝説」という伝承が残っており、
内容としてだいたいの場合、
宴会が開かれることになったけど、
そんな大量の膳や椀なんてないよ!
困った、どうしよう! となり、
なんかしらの淵、岩穴、古墳などで、
わらにもすがる思いでお願いすると、
何者かが人数分の膳や椀を貸してくれました。
不思議だけど助かった!

だがしかし、
そこはどっこい、相撲はどすこい、
不心得者が椀を返さなかったので、
それ以降は貸してくれなくなった。
と、せっかくの厚意を無下にしたので「あーあ。」てな感じです。

普通こっちじゃない?

ちなみに、
借りたお椀はやっぱり、

メルカリに出したの?

角椀漱

覚えてないなー。

借りといて覚えてないとかいうやつ、
マジで困りますよね。


なお、イラストのデザインについては、
当初は資料に忠実に描いてましたが、
本当にこれが描きたいのか?
と思ったので大幅にアレンジしました。
だってかわいくなかったんですもの。

角椀漱

斬るぞ。

かわいくなって、
よかったじゃん。

かわいいは正義。


ちなみにこれ。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:SekienTsuno-hanzo.jpg
帰属: 鳥山石燕(とりやませきえん), パブリックドメイン, via Wikimedia Commons

よくみたらかわいいかも・・・




なお、「漱」という字、
夏目漱石でよく見る字ですが、
「すすぐ」という意味です。

もともとは
「枕石漱水(そうせきちんりゅう)」
という四字熟語で、
川の流れで口を漱(すす)ぎ、
石を枕にするように俗世から離れて暮らしたい。
という意味ですが、
昔、とある中国人が、間違えて
「漱石枕流」と言っちゃったものの、
いや、オレ間違ってねーし!
と間違いを認めなかったので
「漱石枕流」は「頑固者」や「負け惜しみ」という意味があるんですって。

夏目漱石はこれを気に入り、
ペンネームにしたとのことです。

コナンで読んだ気がする!

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そんなわけで
岐阜県の角椀漱でした。
次回は静岡県です。
(実は忘れてたのは内緒。)




このブログは、
気になったことを調べ、
学んだ内容とイラストを紹介するお絵描きブログ。

ソースは主にWikipediaなどになりますので、
学術研究ではなくエンターテイメントとして、
お楽しみください。
興味のきっかけや、ふんわりしたイメージ掴みのお手伝いになればうれしいです。

角椀漱-wikipedia

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