ごきげんよう、ハゲと天パです。
引き続きはりきってまいりましょう、
四十七都道府県なんそれ妖怪図鑑
のシリーズです。
日本に伝わる数ある妖怪のなかで、
「なんそれ?」という妖怪をセレクトし、
47都道府県ごとに紹介しております。
にぎやかすのはおなじみのこの2人。
加筆です。にぎやかします。
修正です。しゃしゃり出ます。
2人(通称ペンドラゴンズ)についてはこちら。
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だってお金がほしいもの。
●第二十回・福井県
そんなわけで、
北から南へ、北海道 to 沖縄で紹介しております。
前回、石川代表、海月の火の玉(くらげ火)。
海の近くに出る火の玉、
刀で斬ると、ネバネバでくさい 。
それは何かと尋ねると、
「くらげです」って、
そんなワケあるかい!というお話でしたね。
今回の福井県はこちら。
福井代表・和尚魚
和尚魚(おしょううお)は、人頭亀身の海の妖怪。
「亀の体に坊主頭の人間の頭部を持つ海坊主」
なので亀入道(かめにゅうどう)とも呼ばれ、
若狭湾に出現するといわれています。
魚とはいうものの、
魚類ではなくて亀なのね。
元々は中国の類書
「三才図会」
に記載されていた「東洋の大海の生物」。
中国語発音「ホウシャンイユイ」(拼音: héshàng yú)。
記述によると、
スッポンのようで、紅赤色をしており、
潮に乗ってやってくるといいます。
ちなみに、「類書」とは、
あらゆる単語について、
過去の書籍から引用し、
分類順、もしくは字韻順に並べて調べれるようにしたもの。
いわば百科事典です。
類書の中で特に有名なのが「三才図会」ですが、
「三才」とは天・地・人のことで万物を意味。
世界の様々な事物を、
天文、地理、人物、時令、珍宝、文史、鳥獣、草木などなど14部門に分けて説明し、各項目を図入りで解説。
全106巻で構成された大作で、
明代の学者・詩人の王圻(おうき)と、
その次男の王思義によって編纂。
1607年に完成、1609年に出版されました。
ちなみに編纂した王圻さん、
後の時代に、
「編んだ書物はでたらめな所はあるものの尽力したものだといえるだろうが、
漢詩は王圻にとっては余事であり、評価すべきものではない」
とのことで、詩人としては評価されていないそうです。
かわいそす。
この三才図会に触発されて、
江戸時代の日本で、
寺島良安により編著・出版されたのが「和漢三才図会」(1712年)。
そっちの方でも
「和尚魚(おしょういお)」
の見出しで転載され、俗に言う 海坊主 のことだとしています。
これによると、
西海に住んでおり、
その名のとおり、
髪がない坊主頭の人間の頭部で、
体はスッポンに似ており、大ぶりのもので体長は5~6尺(約1.5~1.8m)に達するとのこと。
漁師がこれを見るのは不吉なことであり、
網が役に立たなくなってしまうそう。
もし捕らえた場合に殺そうとすると、
手を合わせて涙を流しつつ命乞いをするので
「助けてやるけど、今後一切漁の邪魔すんなよ。」
と言ってきかせると、
二度と祟らないと承知した合図に、
西に向かって天を仰ぐ仕草をするんですって。
そしたら赦して海へ逃がすと良いとのことです。
おい、和尚魚!
人間に負けるな!
爬虫類の誇りを持て!
そんなこと言われても...
なお、最初の通り亀入道とも呼ばれますが、
津村淙庵による江戸時代の随筆「譚海」では、
和尚魚と名前は異なるものの同じもので、
姿を見ると不吉とされ、
捕えてしまった場合、酒を飲ませて海へ放したといいます。
リアルな話としては、
おそらく海でウミガメに出会った時、
「なんじゃこいつは!?」
と当時の漁師さんはびっくりして、和尚魚(亀入道)になったと考えられています。
ちなみに、
和尚魚と似た名前の中国妖怪に、
「海和尚」(かいおしょう、うみおしょう)というヤツもいるのですが、
王大海による「海島逸志」では、
海和尚は、
「人間に似た妖怪で、口が耳まで裂け、人間を見つけると大笑いしてみせる。」
とのこと。
海和尚が現れると必ず暴風で海が荒れるといって恐れられたそうですが、
この特徴は日本の一般的な「海坊主」の特徴に近いといえます。
また、別の資料「台湾続志」によれば、
「海和尚は色赤く、頭と身と人形に似たり、四翅無鱗」
となっており、
こちらはいわゆる「人魚」と近い特徴なので、
和尚魚・海和尚もいろいろなパターンがあるようです。
ちなみに、日本最初の本草学書
とされる 貝原益軒の
「大和本草」(1709年)
でも和尚魚についての記載があり、
こちらでは、
日本で言う坊主魚(ぼうずうお)
(おそらくアブラボウズやボウズギンポといった魚)と同じとしています。
※本来の「本草学」とは薬用植物を扱う学問ですが、本書により日本の本草学≒博物学という認識になっています。
ちなみにアブラボウズはカサゴ目ギンダラ科に属する深海魚。
体長は一般的には1.5m前後で最大で全長183cm・体重91kgに達し、カサゴ目の魚類の中では最大級の大きさ。
筋肉中に多量の脂質を含み、
脂の乗った甘みのある白身がとてもおいしい高級魚です。
ただし、大量に食べると
下痢を起こすおそれがあります。
また、肝臓には、
過剰にビタミンAを含むとのことなのでご注意くださいませ。
そんなわけで、
福井県の和尚魚でした。
次回は南下して岐阜県。
岐阜→静岡→愛知 というコースです。
よろしくお願いいたします。
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和尚魚-wikipedia
三才図会-wikipedia
アブラボウズ-wikipedia
今回は福井県若狭地方の郷土料理、
「へしこ」をおすすめ。
さばを塩漬けし、
さらに糠漬けした発酵食品。
その旨味はもはや暴力です。
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